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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百七十九話 香織さんの告白その五

「そんな奴には振られたり離婚した時に言えばいいのよ」
「どうした気持ちかって」
「そうね」
「自分が言われたらだね」
「こっちも言わないと」
「目には目で」
「そうよ、さもないとね」
 香織さんはさらに言った。
「やられっぱなしだから」
「駄目だっていうんだ」
「そう、他のことは許せても」
「こと失恋のことはだね」
「言われるとダメージきついから」
「そうだね酷い失恋はね」
 僕が知っている人から考えて答えた。
「トラウマになるからね」
「そんなトラウマえぐる様な相手は」
「もうやり返してもいいんだ」
「私はそう思うわ。暴力は駄目でも」
 それでもというのだ。
「そうしたことはね」
「別なんだね」
「これは言葉の暴力でしょ」
「相手のトラウマをえぐる様なことは」
「そんなことを言ったらね」
 それこそというのだ。
「言葉の暴力だから」
「許せないからなんだ」
「そうしてやってね」  
 香織さんは怒った顔で話した。
「同じ気持ちを味あわせてやって」
「思い知らせるべきなんだ」
「それだけ酷いことをしたってね」
「わからせないと駄目なんだね」
「暴力は本当に駄目でも」
 それが言葉のものであってもというのだ。
「失恋はそれだけ重いのよ」
「その人にとって告白は命懸けだったりするからね」
「もう必死に勇気振り絞って言うものでしょ」
「確かにね」
 ここから僕が知っている人は本当に地獄を見た、幸いいつも傍にいれくれている心あるお友達の人もいてくれたし新しい恋に出会えて復活出来たけれどその時のことは忘れようとしても忘れられないらしい。
「それはね」
「その行為を嘲笑うと」
「その分の報いはあって当然なんだ」
「そうよ、自分が振られたり離婚したら」
 その時にというのだ。
「思い知ればいいのよ」
「そうなんだね」
「まあもっともね」
「もっとも?」
「言われて根に持って」
 そうしてとだ、香織さんは僕に話した。
「自分に言った相手の嫌がることを調べてそこを延々と衝くのはね」
「流石にそこまではだよね」
「間違ってるわよ」
「それはそうだね」
 僕も同感だ。
「人としてね」
「よくないでしょ」
「特撮の歪んだキャラクターみたいだよ」 
 国民的シリーズの四作目に出て来た人だ、携帯電話で変身する作品でサイドカーに乗っていたのを覚えている。
「それじゃあ」
「特撮ね」
「うん、そこまでいったらね」
「やられたらやり返せでも」
「それをずっと恨みに思っていて」
 言った相手がここでは主だけれどこうした人はまず振った人も恨んでいる、恨みが肥大化して復讐鬼になっているのだ。
「そこまでしたらね」
「人間として間違ってるわね」
「気持ちはわかるにしても」
 それでもだ。
「相手の嫌がることをわざわざ調べて」
「それを延々と衝いたら」
「もうね」
 その時点でだ。 
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