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ドリトル先生の野球

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第四幕その三

「それだけで凄い戦力だね」
「ちゃんとピッチャーをリードしてくれて盗塁も抑えて」
「ボールも受けてくれたら」
 オシツオサレツも二つの頭で言います。
「確かに凄いね」
「万全の守備だよ」
「ファールフライやバントもちゃんと処理してね」
 チーチーも考えるお顔でお話します。
「ホームも守ってくれたらこんないいことはないよ」
「いや、本当にね」 
 老馬はチーチーの言葉に頷きました。
「素晴らしい戦力になるね」
「そこで打ってくれたら」
「最高ね」
 チープサイドの家族はバッティングのお話をしました。
「守備もよくてそれなら」
「本当にね」
「野球はまずピッチャーというけれど」 
 トートーの言葉はしみじみとしたものでした。
「キャッチャーも大事だね」
「勿論他のポジションも大事だけれど」
 ポリネシアも言うことでした。
「キャッチャーはまさに守備の要ね」
「いいピッチャーの能力をさらに引き出してくれるなら」
 ガブガブも言いました。
「鬼に金棒よ」
「皆の言う通りだよ、何というか」
 王子も動物の皆のお話を聞いて言いました。
「阪神のあの物凄い投手陣に野村さんや古田さんが加わったら」
「恐ろしいことになるね」
 先生は王子にこう答えました。
「その時は」
「そうだよね」
「日本のプロ野球の暗黒時代巨人九連覇の時もね」
 この忌まわし頃もというのです。
「巨人はいいピッチャーが多かったけれど」
「王さんや長嶋さんだけでなくて」
「確かにそのお二人がチームの看板でね」
「チームの軸だったね」
「それでもね」
「ピッチャーもよくて」
「キャッチャーもだね」
 王子がここで言う人はといいますと。
「森さんだね」
「その人がいてね」
「凄いリードをしたんだね」
「そうだよ、抜群のリードとキャッチングでね」
「相手チームのランナーも」
「癖を見抜いて対策を立てて」
 そしてというのです。
「チームの守りを支えていたから」
「巨人は強かったんだ」
「そうだったんだ」
「王さん長嶋さんが凄かったっていうけれど」
「野球はチーム全体ですることだよ」
 主力選手だけでないというのです。
「本当にね」
「だからだね」
「森さんもいて」
 そしてというのです。
「九連覇が出来たんだ」
「森さんは西武の監督になったね」
「そしてね」
 それでというのです。
「西武の黄金時代を築いたね」
「抜群の采配でね」
「チームの戦力は根本睦夫さんが揃えていたけれど」
「ああ、敏腕ゼネラルマネージャーだね」
「当時はそうした職業はなかったけれど」
 ゼネラルマネージャーという人はというのです。
「それでもね」
「そうした立場にいて」
「それでだね」
「戦力を揃えてくれたけれどね」
「あと根本さんも元々キャッチャーだったね」
「近鉄でそうだったよ」
 この人もキャッチャーだったというのです。
「この人にしても」
「そうだったんだね」
「そう、そして森さんの采配は」
 この人のそれはといいますと。 
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