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転生とらぶる

作者:青竹
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スーパーロボット大戦OGs
  0021話

 アヤ・コバヤシ。
 SRXチームのリーダーで、念動力者。特脳研の所長、ケンゾウ・コバヤシの義理の娘であり、SRX合体時における機体制御を担当している。
 まぁ、ぶっちゃけSRXチームの重要なキーの1人という訳だ。
 原作では確かこっちの世界でもSRXチームは存在したとラミアが話している。つまりそのSRXチームにはアヤ・コバヤシがいない事になるんだが、どうやってSRXに合体時の念動フィールドを維持しているんだ? 誰か代わりの念動力者が見つかったのか?

「……駄目だ、分からん」

 シリンダーに入っているアヤの脳みそを見て思い浮かぶのは、第三次αでのシーン。
 アヤがバルマー――いやこちらではエアロゲイターか――にさらわれて、それをリュウセイ達が助け出そうとした時にシリンダーの中に脳みそがあって、それがアヤだったシーンだ。
 結果的にそれはダミーだった訳だが、俺の目の前にあるのは間違いなく本物だろう。
 現在の地球に人の脳みそだけを取り出して殺さないなんて技術があるのか? という疑問もあるのだが、よく考えてみれば地球は1度インスペクターに占領されたのだ。そしてインスペクターとエアロゲイターは長期間戦争をしている敵対国家の筈。
 つまりはインスペクターとエアロゲイターの技術力はそう大差ないんだろう。

「インスペクターの遺産、か」

 結局はそういう事なんだろう。
 溜息1つ吐き、ソファで気絶している所長へと視線を向ける。
 まさか、この部屋の主であるこの男がアヤの脳みそについて何も知らないという事は無い筈だ。
 無言でソファへと近づき、所長の頬を数度叩く。

「ぐ……」
「起きたか」

 まだ事情が分かっていないらしい所長に、再度頬を叩く。

「痛……き、君は誰だ!? 僕の部屋で何をしている!?」
「ようやく正気に戻ったか。俺の事よりも、色々と聞かせて貰いたい話がある。答えて貰おう。あぁ、黙秘権とかは無いからな」

 殆ど恐慌状態といった感じの所長に、無造作に告げてそのやせ細った腕を思い切り握りしめる。

「は、離してくれ、痛、痛い!」
「自分の立場が分かったか? まずはそうだな、お前がDC残党やテロリストと繋がっているというのは分かっている。その証拠となるようなものを出せ」

 アヤの事に関しては、取りあえず後回しだ。頭に血が上って情報を聞き出す前に所長を殺してしまっては元も子もない。

「何の話か分からないよ」

 首を振って否定する所長だが、その目はキョロキョロと落ち着きなく周囲を見渡し、額には冷や汗とおぼしきものが浮かんでいる。

「ほう、本当にか? もし嘘だった場合はこっちもそれ相応の態度を取る事になる。……本当に、DC残党やテロリストと繋がっていないんだな?」

 確認の意味を込めて、最後の問い。
 と言うか、話している途中でスライムには自動索敵が可能である事を思い出した。
 アヤの脳みそを見て頭に血が昇ってしまったのか。まだまだ未熟だな。

「ああ、もちろん。僕はそんな奴等の事なんか知らない。それよりも君は僕にこんな事をしてもいいと思ってるのか? 僕はこの特脳研の所長、つまりは連邦軍とも繋がりを持ってるんだよ? 今回の件はハンス中佐に報告させてもらうからね」

 ハンス、ハンス・ヴィーパーか。確か日本の伊豆基地にいるエリート意識だけが高い能無しだったな。原作ではDCに寝返ってたんだが、こっちではまだ伊豆基地に所属したままか。
 所長のおかげで、こいつのバックにはハンスがいる事が判明した。もっと情報を漏らしてくれると助かるんだが。

「ほう、ハンスか。他にはどんな知り合いがいるんだ? 是非聞かせて欲しいものだな」
「き、君に言う必要なんかどこにもない! それよりも早く出て行ってくれないか!」

 甲高い声で喚き叫ぶが、研究所の所長をしているだけあってそれ程頭の回転は悪くないようだ。恐らく俺が情報を聞き出そうとしている事に気が付いたんだろう。
 ……もう、遅いんだけどな。

「なるほどなるほど。ただ、出て行く前にちょっと面白い物を見せてやろう」
「面白い物?」

 突然何を言い出した、といった顔でポカンとする所長。

「そう、ちょっとした手品だ。1、2、3!」

 3で指をパチリと鳴らす。
 同時に空間倉庫が展開され、銀色のスライムの身体が伸ばされる。

「な、なんだそれは!」

 驚愕の表情で叫ぶ所長。
 幸い所長室という場所なので防音設備はしっかりしているだろうが、五月蠅いものは五月蠅い。

「言っただろう、手品だ。種も仕掛けも無いがな」

 口元ににやりとした笑みを浮かべ、スライムで所長室をくまなく探査すると数秒もかからずに異変を感じ取る。
 ……ここか。
 部屋の壁に1部分だけ明らかに厚さが違う場所が存在する。スライムの触感によると中に50cm四方の空間があるようだ。
 所長に見せつける意味も込めて、再度指を鳴らし壁を切断させた。

「な……」

 所長は現実を超えた出来事に声も出ない様子だが、それは無視して中を確かめる。
 恐らく隠し金庫のようなものだったのだろう。正方形の空間の中には3cm程もある紙の束と、データディスクが数枚入っていた。
 おまけに余程几帳面なのか、データディスクには『DC』や『その他』等のラベルが貼ってある。

「さて、所長。俺は先程言ったな? それ相応の態度を取る事になる、と」

 データディスクを空間倉庫の中へと放り込みながら所長に声を掛ける。

「つまり、これからそれ相応の……」

 続いて紙の束を取り上げて、言葉を止める。
 紙の束には『人工的な念動力者の作成と強化調整』とタイトルが付いていた。
 人工的な念動力者? これはつまり、ガンダムで言う所の強化人間みたいなものか?

「……その前に、色々と聞く必要が出来たようだな。このレポートとか、あっちの脳みそに関してとか」
「ひぃっ、し、知らない! 僕は何も知らないんだ!」
「ほう、では何でこんなものがここにあるんだ? それにここはお前の部屋だろう? そこにある脳みそを知らないなんて事があるか?」
「そ、それは……そうだ、僕が知らない間に誰かが勝手に置いていったりしたんだ。だから僕は関係ない。無実だ。ハンス中佐に連絡してくれ」

 みっともなく喚いている所長の左手首をスライムで包み込み、溶かし始める。

「さて、お前がきちんと話をするまで溶かし続ける。骨まで溶かす前に正直になってくれると助かる」

 徐々に、徐々に、本当に少しずつスライムは所長の手を溶かしていく。
 基本水銀で出来たスライムなので、手が溶かされている様子は外からは判別出来ない。
 溶かされている手の感触しか感じる物はない為に、数秒もしないうちにあっさりと降参する。

「や、やめてくれ、頼む! 何でも僕が知ってる事は教えるから、頼む!」

 顔を涙と鼻水でぐしゃぐしゃにして泣き喚くその姿を見ながら、再度指を鳴らしてスライムから解放してやった。
 その手は全体的に赤くなっており、所々皮膚が溶けている。
 そしてそんな自分の手を見て、再度泣き喚く所長。
 懐に手を入れ、中に入っている録音機器のスイッチをONにする。

「黙れ。約束通り解放したんだ。喋って貰おうか」
「わ、分かった。分かりました。確かに僕はDCやテロリストに情報や物資を横流ししています。そこにあったデータディスクはその横流しに関する裏帳簿になっています」
「で、ハンス中佐とやらはどう関わってるんだ?」
「ハンス中佐にはその立場から色々と便宜を図って貰っていて、そのお礼に儲けの2割を渡しているんです」

 ふむ、決定的な証拠にはならないが、ハンスに嫌疑を掛けるには十分だろう。
 録音機器のスイッチをOFFにする。

「さて、次はあの脳みそだ。きちんと話して貰うぞ? 話さない場合はもう1度スライムに頼る事になるしな」
「あ、あれは特脳研の実験体だった女の脳みそだ。そのレポートにある通り人工的に念動力を強化しようとしたんだが結局は失敗。その実験の副作用で目を覚ます事がなくなったんだ。そのまま殺しても良かったんだけど、滅多にいない念動力者なんていうレアな脳みそをそのまま処分するのは勿体ないだろう? だから、ハンス中佐に頼んでインスペクターが残していった機械を取り寄せて貰ったんだ。ほら、あの脳に繋がってるケーブルがあるだろう? あれのおかげで、彼女はまだ生きているんだよ」

 喋ってる途中で琴線に触れるものがあったのか、段々と興奮していく。
 その顔はつい数分前までとは違い、狂気的な何かを感じさせる。

「……もういい、分かった。……外道が」

 今度は指を鳴らす事なく、スライムを動かす。
 スライムは俺が命じた瞬間、1秒も掛からずにその身を刃と化して所長の身体へと殺到した。
 水銀のその身体は超高速で動く事により、オリハルコニウムですら切り裂く事が可能だ。人間である所長の身体は特に抵抗する事もなく数十に分解された。
 興奮したまま逝けたのだ、外道にしては幸福な最期だっただろう。

「さて、証拠はこれでいいな。後はT-LINKシステム関連の情報か」

 部屋にあったコンピュータや書類を手当たり次第に空間倉庫の中へと突っ込むと、部屋に残っているのはソファやデスク等に肉片になってしまった所長の死体、そしてシリンダー。

「……このまま生かしておくのは逆に残酷、か。ならせめて俺の糧となって逝ってくれ」

 スライムでシリンダーを覆い、そのまま吸収する。













 ドクンッ

 途端、リョウトを吸収した時と同じくナニカが無理矢理身体に流し込まれているのが分かる。
 リョウトに続いて2度目の能力吸収だというのに、身体にナニカを注入される違和感はどうしても慣れない。
 床にうずくまる事1分くらいだろうか。こちらは前回と違い行動可能になるまでの時間がかなり短くなっている。
 深呼吸を1つし、脳裏にステータスを表示させる。
 スキルの欄にあるのは『念動力LV.7』の文字。

「せめて、来世では幸福な人生を」

 数秒だけアヤの冥福を祈り、所長室から出て行った。 
 

 
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:9
PP:35
格闘:142
射撃:160
技量:152
防御:149
回避:177
命中:199
SP:214
エースボーナス:不明
成長タイプ:万能・特殊
空:A
陸:S
海:B
宇:A
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   ???
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   ???
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スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.7
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    ???
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    ???
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    ???

撃墜数:5 
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