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星河の覇皇

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第七十五部第三章 察した者その九

「ですから技術部の方々も頑張ってくれました」
「この様にですね」
「生活のレベルも考慮して」
「そうしてですね」
「プールもある」
「何か」
 ここで文官の一人がまだ水も入っていないプールを見てだ、笑って八条にこんなことを言ったのだった。
「このプールに水が入れば」
「その時はですね」
「泳ぎたくなりましたね」
「そういえば貴方は」
「はい、元水泳選手で」
「高校、大学で」
「そして今もです」
 選手ではなく連合中央政府国防省の文官であるがだ。
「毎日です」
「泳がれていますね」
「健康と楽しみの為に」
 その双方を目的として、というのだ。
「そうしています」
「だからですね」
「このプールでも」
 まさにというのだ。
「見てみたくなりました」
「そうですか」
「今日は出勤前に泳ぎましたが」
「国防省のプールで」
「二キロ程」
「それはまたかなりですね」
「五十メートル四十秒のペースで泳ぎ」
 速い方であると言っていいだろうか。
「それで、です」
「二キロですか」
「はい、それ位泳いで」
 そしてというのだ。
「それからです」
「出勤されていますか」
「そうです」
 こう八条に話した。
「それで充分といえば充分ですが」
「それでもですね」
「はい、そう思いました」
「そこまでいいプールですか」
「そう感じました、ただ」
 プールの深さを見てだ、文官はこうも言った。
「深さはあまりないので」
「それで、ですね」
「水球は出来ないですね」
「水泳は出来ますが」
「そうですね」
 深さも必要な水球はというのだ。
「無理ですね」
「そこまでは考えていません」
「このプールも」
「はい、勿論飛び込みも」
 八条は笑ってこちらの競技の話もした。
「やはり」
「出来ないですね」
「そちらも」
「そうですね」
「流石にこちらの競技はどの艦内でも無理です」
 言うまでもなく場所を取るからだ、飛び込みという競技は高さも必要なので面積が限られている艦内ではどうしても難しい。
「むしろプールがあるだけでも」
「相当ですね」
「これだけでそれこそ」
 まさにというのだ。
「第二次大戦中ではです」
「想像も出来なかった」
「そうしたものでした」
 軍艦の中にプールがあって定期的に水泳という運動が出来ることはだ。 
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