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怖いお姉ちゃん

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第三章

「余計に気をつける様になったの」
「そうだったのね」
「ええ、けれど」
 杠はお茶を飲んでいる姉にこうも言った。
「その可憐お姉ちゃんがね」
「自分の子供にはね」
「凄く甘いわね」
「私達にはあんなに怖かったのに」
 ちょっとしたことで烈火の如く怒っていたのがというのだ。
「もうね」
「ご主人と欣哉君にはね」
 息子にはというのだ。
「甘いわね」
「欣哉君が言うには」 
 津々慈は妹に話した。
「お母さん物凄く優しいってね」
「嘘みたいよね」
「滅多に怒らなくて怒り方も穏やかだって」
「じゃあ私達のは何よ」
 杠は苦笑いで言った。
「あんなに怒ったのに」
「怖かったし」
「それがね」
「ご主人や子供には何で優しいのよ」
「それわからないわよね」
「本当にそうね」 
 二人で話した、そしてだった。
 津々慈は杠にあらためて言った。
「けれど可憐お姉ちゃんもまたね」
「お誕生日ね」
「今度のプレゼント何がいいかしら」
「前はレストランだったから」
 高級な店のディナーであった。
「今度はお寿司?」
「お寿司屋さん驕るの」
「そうしてあげる?」
「そうね、じゃあね」
「ええ、お寿司屋さん探して」
 そしてというのだ。
「そしてね」
「予約して」
「可憐お姉ちゃんにね」
「美味しいお寿司食べてもらいましょう」
「それがいいわね」
 二人で笑顔で話した、そしてだった。
 二人である有名な寿司屋を予約した、そして従姉をその店に連れて行った。だがそこで夫と息子にも紹介しようと言った従姉にだ。
「本当にね」
「変わったわね、そこは」
「私達に言ったの何?」
「あの怖さは」
 二人で苦笑いで言ったが昔のことだからと返す従姉だった。そんな従姉にまたやれやれとなる二人だった。


怖いお姉ちゃん   完


                    2020・7・28 
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