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戦国異伝供書

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第九十七話 井上一族その三

「よし、今頃はな」
「井上家の屋敷や館にですな」
「兵が向かい」
「そうしてですな」
「皆討ち取っておる」
 井上家の者達をというのだ。
「そうなっておるわ」
「ではこれで、ですな」
「井上家は滅びましたな」
「そうなりましたな」
「家で勝手気ままにしておった者達はな」
 その彼等はというのだ。
「討たれた、すぐにわしのところに知らせが次々と来るわ」
「では、ですな」
「後はそれを待つだけですな」
「左様ですな」
「うむ、そうじゃ」
 まさにというのだ。
「これでよい、では後はな」
「後始末ですな」
「この度のことを」
「骸と血の始末ですな」
「それをしておこう、骸は葬ってやれ」
 そうしてと言ってだった。
「よいな」
「わかり申した」
「それでは」
 こうしてだった、元就は井上家の者達の骸を葬らせ。
 井上家の者達を討ったという報を次々に聞いた、井上家の者三十人と彼等を守ろうとした家の者達が討たれた。
 流れた血はそれなりに多かった、だが元就は言った。
「これでな」
「はい、家の中で勝手をする者もいなくなり」
「家は一つにまとまりますな」
「そうなりましたな」
「そうなった、まだ井上家の者はおるが」
 それでもというのだ。
「忠義を尽くし勝手をせぬ者達ばかりじゃ」
「だからよいですな」
「もう井上家は討たぬ」
「そうされますな」
「これでよい」
 実際にというのだ。
「もうな、ではな」
「はい、これよりはですな」
「より一層ですな」
「石見や備後に勢力を拡げていく」
「そうしていきますな」
「そうする、ただ石見は手を伸ばしても」
 この国はというと。
「大内家と尼子家もおる」
「だからですな」
「双方を敵に回さぬ様にする」
「それで、ですな」
「程々にしますな」
「然程はですな」
「今は手を伸ばさぬ」
 こう言うのだった。
「むしろな」
「はい、備後ですな」
「あの国ですな」
「あの国に向かいますな」
「そしてな」
 元就はさらに話した。
「備後から備中、美作、備前とな」
「進んでいきますか」
「そうしますか」
「これからは」
「その様にする、そして播磨までは進むつもりはない」 
 この国はいいというのだ。
「尼子家の領地にしてもお伯耆は欲しいが」
「因幡は、ですか」
「よいですか」
「山名家の領地は」
「別によい」
 この国もというのだ。 
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