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ドリトル先生の野球

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第三幕その八

「とても」
「そうですね」
「やはりスポーツ選手はです」
「しっかりとした練習と食事で」
「怪我をしないで長く活躍してこそ」
「本物ですね」
「はい、言葉で言うことは簡単でも」
 それでもともです、先生はお話しました。
「ですが」
「それでもですか」
「はい、それを実行するとなると」
「難しいですね」
「先程お話に出た人達は」
 衣笠さんの様な人達はというのです。
「どの人もですね」
「節制もしていてちゃんとした練習をいつも凄い量をしていて」
 そしてというのです。
「野球の為に全てを捧げていた」
「そうした人達でしたね」
「そこまで出来る人はそうはいません」
 そうだというのです。
「ですから」
「それで、ですか」
「そうした人はです」
 本当にというのです。
「滅多にいないので」
「だからですね」
「非常に難しいことです、若しこの人達の様な人が増えますと」
 その場合はといいますと。
「今以上にです」
「凄い選手Þがですか」
「増えるとです」
 その様にというのです。
「思います」
「そうですか」
「難しいことでも」
 例えそうでもというのです。
「出来る人がいれば」
「その時は」
「凄いことになると思います」
「そうなのですね」
「僕としては難しいことでも」
 例えそうであってもというのです。
「そうした人が増えて欲しいですね、野球以外でも」
「他のスポーツでも」
「そうした人が増えて」
 そしてというのです。
「凄い成績を残す人が出れば」
「いいですか」
「そう思います、ピッチャーなら」
 先生はここでこうも言いました。
「金田正一さんを超える」
「四百勝を」
「その人が出れば」
「そう思われますか」
「絶対に出ないとは」
 そうしたことはというのです。
「言えないですね」
「そうですね、そうしたことは」 
 監督さんも先生のお話に頷きました。
「これからは」
「人の世、そしてスポーツでもですね」
「絶対ということは」
 まさにというのです。
「言えないです」
「そうですね」
「ですから」
「この世にあるものは」
「何があっても」
 それこそというのです。
「絶対のものはない、人のことは」
「人はですか」
「そうです、絶対のことは」
 それが何かもです、先生は監督さんにお話しました。
「神のことです」
「人はどうしても絶対ではない」
「ですから超えられない様な記録も」
 それが例えどれだけ到達出来そうにないものでもというのです。
「絶対ではないのです」
「四百勝もですね」
「イチロー選手もそうですね」
「あの人は日米通算四千本安打を超えて」
「記録になりましたね」
「はい、四千本安打なぞ」
 到底とです、監督さんも答えました。 
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