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戦国異伝供書

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第九十六話 尼子家の騒動その九

「尼子家を弱めてじゃ」
「我等は安芸の政を固め」
「それから大きくなるぞ」
「わかり申した」
「それでじゃが」
 元就はここで目を鋭くさせて志道に話した。
「村上家をな」
「来島のですな」
「あの者達を加えたい」
 毛利家の中にというのだ。
「そうしたい」
「では厳島の方に」
「色々動きたい、あと吉川家と小早川家はそれぞれ安芸だけでなく石見と備後にも影響があるな」
 元就は今度はこの話をした。
「そうであるな」
「だからですな」
「尼子家を衰えさせてな」
 そしてというのだ。
「その間にな」
「石見と備後にですな」
「勢力を及ぼす、そしてやがてはな」
「石見と備後もですな」
「我等の領地としたい」
 その様にしたいというのだ。
「やがてはな」
「その為の手を打っていきますな」
「そちらもな、ではな」
 志道にあらためて話した。
「新宮党のことをな」
「進めますか」
「その様にする、必要なら文も作る」
「新宮党が他の家とつながっている証ですな」
「それを作ってな」
「尼子家の主殿に本気で疑わせるのじゃ」
「そうしてですな」
「討たせるのじゃ」
 尼子家の新たな主である晴久にというのだ。
「その様にする、さすればただ尼子家は武の柱を失うだけでなく」
「一門でもある新宮党が討たれるとなると」
「家臣も揺れるな」
「自分達も疑われて討たれると思い」
「そして家の中が乱れ続ける」
「それも狙いですな」
「これでさらに尼子家は弱まる」
 この狙いもあるというのだ、元就は先の先をそれも広く読みそのうえで考えてそうして今も話すのだった。
「その様にするぞ」
「それでは」
「うむ、次は新宮党じゃ」
 この国をというのだ。
「仕掛けていく」
「わかり申した」
 志道は頷いた、そしてだった。
 元就は実際に尼子家が内輪揉め、血生臭い戦を終えて新たな主である晴久の下でまとまろうとしていたがその中で。
 新宮党の話が出て来た、最初は噂だと誰もが思っていたが。
 その噂が続き広まるにつれて多くの者が疑ってだった、やがて。
 元就が作らせた偽の文が出て来てだった、それで。
 晴久は新宮党を疑い成敗した、その際再び尼子家で血生臭い事態が起こった。それで尼子家は再び弱まり。
 また乱れだした、元就はそれを見て家臣達に話した。
「よし、これでな」
「尼子家はさらに弱まりましたな」
「内輪揉めに続いて」
「暫く動けませぬな」
「そうなりましたな」
「左様、これでじゃ」
 まさにというのだ。
「我等は尼子家が動けぬ分な」
「安心してですな」
「石見と備後にも勢力を及ぼすことが出来」
「そして村上家にもですか」
「話をしますか」
「水軍も欲しい」
 こちらの軍勢もというのだ。 
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