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オズのケーキ

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第二幕その九

「おそらくジャガイモやトマトはね」
「食べてなかったですね」
「うん、若し食べていれば」
「欧州に伝えていましたね」
「バイキングがね」 
 そうしていたというのです。
「どうもそういったものがあった地域には行っていなくて」
「アメリカ大陸でも」
「そして若し行っていても」
「伝えることはですね」
「していなかった様だね、しかしね」
「ここはオズの国ですから」
「わし等も食べているよ」
 そのトマトやジャガイモをというのです。
「こうしてね」
「そうですよね」
「パンもいいがジャガイモもいいからね」
 スカディさんは茹でられたジャガイモを食べつつ言いました。
「だからよくこうして」
「召し上がられていますか」
「そうなのだよ、胡椒にしてもマスタードにしても」
 スカディさんは見ればソーセージにマスタードをたっぷりと付けています、そのうえで食べているのです。
「わし等もなかったら」
「お肉は、ですね」
「ちょっと無理だね」
「香辛料がないと」
「外の世界のバイキングの人達は殆ど使わなかったみたいだけれどね」
「当時胡椒は欧州では凄く貴重でしたから」
 神宝がジャガイモを食べつつお話しました。
「だからですね」
「胡椒一粒が金一粒で」
 ジョージもジャガイモを食べながら言います。
「持って帰ったら大儲け出来る位で」
「そこまでのものだったから」
 カルロスはソーセージを食べています、ただしマスタードは付けていません。
「バイキングの人達も殆ど食べられなかったんだね」
「私達にはわからないことだけれど」
 それでもとです、恵梨香も言いました。この娘もソーセージをマスタードなしで食べています。
「当時の欧州はそうだったのね」
「私にもわからないけれど」
 王女は羊肉、骨つきのそれを美味しく食べつつ言うのでした。
「外の世界の欧州って場所ではそうだったのね」
「うん、しかしね」
 スカディさんはまた答えました。
「ここはオズの国だからね」
「胡椒もあって」
「トマトやジャガイモもだよ」
「あるから」
「こうして皆で食べられるんだよ」
「そういうことね」
「さて、どんどん食べて」
 スカディさんはビールを木製のとても大きなジョッキで思い切り飲みました、そうしてから言うのでした。
「飲もうか」
「豪快にだね」
「メニューも豪快だね」
 スカディさんは今度はトマトを食べているモジャボロに応えました。
「見ての通り」
「うん、これが貴方達のお料理だね」
「その通りだよ、豪快に大量に食べる」
「それがバイキングだね」
「そうだよ、そして」
 さらにというのです。
「飲むこともだよ」
「豪快にだね」
「今はビールだけれどワインや蜜酒も飲むよ」
「大漁にだね」
「普通の飲みものなら牛乳も」
 見ればバイキングの人達の中にはそちらを大きなジョッキでどんどん飲んでいる人も多いです、こちらも凄い量を豪快に飲んでいます。
「飲むしね」
「そしてデザートもだね」
「そうだよ、あと今はお肉を食べているけれど」
 羊肉やソーセージをというのです。 
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