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ドリトル先生の野球

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第一幕その八

「とにかく投手陣が桁外れだからね」
「やっぱり今の阪神の方が強いんだ」
「あの頃の西武よりも」
「そうかもね、ただね」
 それでもというのです。
「あの頃の西武は打線は今の阪神より強くて守備もね」
「そして走塁も」
「その三つでなのね」
「今の阪神より上だった」
「そうだったの」
「もう強過ぎて憎いとまで言われる位で」
 そこまでの強さだったというのです。
「毎年西武百貨店はバーゲンだったんだ」
「ああ、同じ系列だったね」
「西武ライオンズと西武百貨店は」
「あと関東の西武鉄道もそうで」
「ホテルもそうだったね」
「全部同じグループだったね」
「そうだよ、それで西武が日本一になったらバーゲンをしていたけれど」
 同じグループだからこそ応援そして記念かつお祝いでというのです、こうしたこともあるのが商売でしょうか。
「もうね」
「毎年日本一だったから」
「毎年バーゲンだったのね」
「秋になると」
「日本シリーズの頃は」
「それでバーゲンに行く人達は喜んでいたけれど」
 それでもというのです。
「ファンじゃない人はこう言ったんだ」
「どう言ったのかな」
「ファンじゃないなら大体察しがつくけれど」
「何て言ったのかな」
「もう西武の日本一は見飽きたってね」
 その様にというのです。
「言った人がいた位だよ」
「もう毎年西武ばかり日本一だから」
「ファンじゃない人はそう言ったのね」
「気持ちわかるね」
「本当にファンじゃないのに毎年西武ばかり日本一とか嫌になるかも」
「バーゲンに行かないと余計に」
「本当にね」
 実際にと言う先生でした。
「そうした人がいたらしいよ」
「確かに同じチームばかりが日本一だと」
「嫌になるかも」
「ファンじゃない人から見れば」
「どうも」
「そうだろうね、今の阪神は十連覇を目指しているけれど」
 あの悪夢の如き巨人の九連覇を超えようというのです、日本のプロ野球史における暗黒時代と呼ばれているあの悪夢を。
「巨人ファンは嫌がってるね」
「そうだよね」
「というか巨人ずっと最下位だしね」
「もう十年連続?」
「十年連続百敗してるし」 
 そのうえでの最下位なのです。
「それじゃあいい加減ね」
「優勝したいとか思うかな」
「せめて最下位脱出とか」
「そうね」
「まあね、今の巨人がまずすべきことは」
 それは何かといいますと。
「百敗しないことだろうね」
「だよね、何といっても」
「十年連続最下位も凄いけれど」
「十年連続百敗なんてないよ」
「勝率一割台脱出だね」
「エラー二百とか防御率七点台とか」
「チーム打率も一割台でね」
 それが今の巨人なのです、圧倒的に弱いです。
「特に阪神に弱くて」
「去年一勝だけだったっけ、阪神に」
「二勝じゃなかった?」
「もう巨人銀行だよね」
「そうまで言われてるよね」
「巨人を見ているとね」
 こんなことも言う先生でした。 
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