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ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)

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ROCKMANX3 THE TIN LABYRINTH
  コマーシャル

シグマの陰謀によって引き起こされたレプリフォース大戦が終結して早一か月が経過した。

イレギュラーハンターとレプリフォースは、双方に非があったことを認め、和解。

イレギュラーハンター側は現総監が責任を取って辞任、亡きジェネラルに変わってレプリフォースの総司令官に就任することになったフクロウルの推薦で、新たにレプリフォース側から精密なCPUから来る統率・監督力を持つ軍人シグナスが総監代理を経て、新総監として近いうちに迎え入れられることになった。

今回の大戦で被害にあった地域は両軍が協力し合って復興作業することも決まった。本来なら早々できるものではなかったが捕まって留置所に送られていたレプリフォース兵たちが何もされることなく無事に帰されたことが一番大きかったようだ。一方のイレギュラーハンター側も自分たちの非を認め、今後は協力し合うことを約束した。


























ハンターベース 第17精鋭部隊隊長室

「・・・・・・もうじき、ここともお別れか。」

エックスは荷物をまとめながら寂しそうに部屋を見渡す。イレギュラーハンターの本拠地ともいえるハンターベースは、シグナスが総監として着任すると同時に新体制に移行することになり、度重なる戦いであちこちにガタがきはじめていた現在の本部から新しいハンターベースへの移動が決まったのだ。そのため、現在残っている部隊は新しい本部へと荷物を移送する準備をしていた。

「ほんとよね。アタシが初めて来たときは箱だらけだったのに今度は引っ越すために箱だらけになっているんだから。」

「ハハハハ・・・・・・人間だったときは引っ越しとはほぼ無縁だったんだけどな。」

エックスは苦笑いしながらもマーティと一緒に荷物をまとめる。

「しかし、ここ数日のホーネック、異常に明るい顔だったわね。」

「そう言われてみればそうだったね・・・・・アイリスがハンターとしてゼロの部隊に配属されることが決まってからいつもの気難しい顔じゃなくなったな。」

ちなみにアイリスは、正式にイレギュラーハンターとして第0特殊部隊にB級として配属されることが決まり、主にゼロの秘書を兼ねている。ここだけの話だがホーネックはそろそろ隠居してアイリスを部隊の副隊長にさせようと考えているとか。

「おっ!進んでいるか!」

そこへジャイアンたちがやってくる。

「あっ、ジャイアン。」

「第一便のトレーラーへの荷物運びがOKになったぜ!持っていくもんあるか?」

「そうだな・・・・・じゃあ、この重要書類の入った箱を積んどいてくれ。」

「おう!任せておけ!」

ジャイアンはまとめられた箱を二段に重ねて運んでいく。その後ろをスネ夫も息を荒くしながらも同じように箱を持って運んでいく。

「玉美もお兄ちゃんのお手伝いする!」

「あぁ、ありがとう。」

「マーティさん、これはどこにしまっておけばいいの?」

「えっと、それはね・・・・・・・・」


























Dr.ケイン宅

「・・・・・・やっと終わったか。」

ドラえもんは目の前にあるタイムマシンを見ながら言う。ずいぶん長い時間をかけたとはいえようやく修理が完了したのだ。

「いやぁ・・・・・ライト博士からいろんなパーツをもらっていなかったらどうなっていたことやら。これでようやく元の世界に帰れる。・・・・・でも・・・・・」

ドラえもんは、寂しそうな表情をする。修理が終わったという事はエックスたちとの別れも意味する。

「うん・・・・・・そうだ!イレギュラーハンターも新本部への移動もあるし、この際お別れパーティでいい思い出作りをしよう!寂しくはなるけどそれが一番いいかも!」

ドラえもんはそう言うと早速話し合うべくハンターベースへと向かっていく。




























ハンターベース ミーティングルーム

「お別れパーティか・・・・・」

「いいんじゃないですか?」

休息で全員でミーティングルームに集まり、ドラえもんはエックスたちに提案する。

「そうか・・・・・・とうとうお別れの時が来たんだな。」

「うん・・・・・・」

「そう言えば本当はこんなに長くいるつもりじゃなかったからね・・・・・・」

「でも、長いこと家空けてるとママたちが心配するわ。」

「ママ・・・・・・」

「・・・・でも、こうしてまた会えたんだ。きっとまた会えるよ。」

静まり返る中でドラえもんはエックスを元気づかうように言う。

「・・・・・・そうだね。それじゃあ、やろうかお別れパーティ!」

「この本部とももうじきお別れだもんね。」

「あっ、それならケイン氏の誕生パーティと一緒にやりましょうよ。」

「ケイン博士の誕生パーティ?」

「はい、毎年祝っているので今年はお別れパーティと一緒にやるというのは。」

「いいですね。」

「そうと決まれば早いとこ荷物まとめて爺に気づかれないように準備しなくちゃならないな。」

「「「「「「ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!!!」」」」」」

エックスたちは笑いながら言う。








「・・・・・・・・・」

その部屋の物陰でケインが盗み聞きをしてると知らずに。































夜 ケイン宅

「博士、そろそろ寝たほう・・・・・って何やってんですか?」

夜、紅茶を淹れて持ってきたマイマインは、ケインの部屋に散らばっている旅行ガイドの山に思わず顔をしかめる。

「うん?あぁ・・・・・実は今年の誕生パーティは別のところでやろうと思ってのう。」

ケインはパソコンをいじりながら言う。

「はあ・・・・・・でも、今はどこもやっていないと思いますよ?この間の戦いでリゾート地の大半が閉めちゃっていますから。」

「それでもどこかしら一軒はやっておるはずじゃ!エックスたちは儂をびっくりさせようと考えておるじゃろうが儂は更に行って先を取ってやるぞい!!」

「・・・・・・・まあ、頑張ってください。僕はもう寝ますよ・・・・ふあぁぁあ・・・・・・」

マイマインは欠伸をしながら部屋から出て行った。

ケインはその後も懸命にパーティができそうなリゾート地を検索してみたがマイマインの言う通り、どこもやっておらず、終いにはテレビをつけっぱなしで眠ってしまった。



























真夜中

「グゥ・・・・・・・ズズズ・・・・・・」

ケインは、テレビの雑音など気にせずに眠っていた。放送も終了し、ただザーザーとなっているテレビだったがしばらくすると音が止み、海の映像が映された。

『・・・・・・遥かに続く白い砂浜、目に染みるような青い青い海。太陽は明るく、一年中海水浴をお楽しみいただけます。さらに素晴らしいことに周囲を囲む山々は、絶好のハイキングコース!色々な草木に飾られ、万年雪の山ではいつでもスキーがお楽しみいただけます!』

「うぅ・・・・・むう?」

ケインは目が覚め、テレビに映っている映像を見る。

「うぅ・・・・ん、そんな良い所が今の時代にあるんじゃのう。」

『ぜひ一度お出かけください!『ブリキンホテル』は、皆さんのお越しを心からお待ちしております!』

「うむ・・・・・・でも、こういう場所は予約を取るからのう。さすがに大人数では無理そうじゃわい。」

『いえいえ!当ホテルではお部屋は限りなくございますよ?』

「うん?」

寝ぼけているせいなのかケインは妙に反応する。

『いかがですか?』

「おぉ・・・・だったら、儂の誕生日パーティも含めてこの際ゼロとアイリスのサプライズ結婚式を挙げるのも悪くないかもしれんのう!」

『毎度ありがとうございます。』

そう言うとテレビは再びさっきの画面に戻って行った。

「・・・・・・あり?儂はなにやっと・・・・おぉ、いかんいかん。うっかり寝てしまっておったわ。」

ケインはテレビを消し、片付けるとベッドに入って眠りについた。


























翌日 旧ハンターベース

「旅行先でパーティ!?」

休息中に訪れてきたケインの言葉に対してエックスたちは驚いた顔する。

「おい、爺。もしかして、とうとうボケちまったとかじゃないだろうな?」

「何を言っとるんじゃ!儂は確かに予約したぞい!」

「へえ、じゃあどこのホテルよ?今のリゾート地はレプリフォース大戦の影響でみんな閉まってんのよ。」

「私も気になります。」

「フッフッフッ・・・・・・聞いて驚くんじゃないぞ?」

全員の前でケインは誇らしげに言う。

「『ブリキンホテル』と言う場所じゃ。」

「「「「「「「「「「「「ブリキンホテル?」」」」」」」」」」」」

聞いたこともないホテルの名前に全員が思わず口を開く。

「すごい場所だそうじゃぞ。絶景の海はある、ハイキングにぴったりな緑の山々、万年雪の雪山でスキー・・・・」

「おい、ちょっと待て。そんなホテル聞いたこともないぞ。」

ケインが自慢そうに話しているところへゼロが突っ込みを入れる。

「それにどこにあるのよ?」

「ブリキン・・・・・聞いたことがありませんね。」

「ケイン博士、そのホテルはどこにあるんですか?」

「えっ、えっ、えっ?」

全員に見られてケインは思わずきょとんとする。

そう言えばホテルの場所を詳しく聞いていなかった。同時にいつチケットとか来るのかも。

ケインは顔を真っ赤にして悔し泣き状態でその場から逃げて行った。

「うお~~~んん!!儂のバカ~!!」

「あっ!は、博士!?」

エックスは呼び止めようとするがケインは脱兎の如く走り去ってしまった。

「行っちゃった・・・・・・・」

「大丈夫よ、数日もすればまた元の状態に戻ってからかいに来るわ。」

「・・・・・でも、心配ね。」

「それはないと思うぞアイリス。なんせあの爺あの歳であれだけの速さで走れるんだからな。」

「まあ・・・・・・ケイン氏は特別ですから。俺たちは早く荷物を運び出しちゃいましょう。」

「そうだな、街の復興作業もあるし。玉美、後は大丈夫だからケイン博士の所に行って相手しててもらえないか?」

「うん。行こう、ラッシュ。」

『ワン、ワン!』

そう言うと玉美はラッシュに乗りながらケインの自宅へと行った。

しかし、その日はケインはショックのあまりに部屋から出なかった。
 
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