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八条学園騒動記

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第五百七十一話 差し入れその五

「出来るだけ探偵からはね」
「離していくんだね」
「そうするわ」
「それがいいね、正直あの二人はね」
 ネロはレミに真顔で話した。
「探偵にはね」
「向いてないわね」
「あれだよ、呂布を軍師にするみたいなものだよ」 
 ネロは三国志の裏切りの英雄を例えに出した。
「あとうちの理事長さんを女たらしにする」
「理事長さんルックスは女たらしよ」
 七海はネロにこう突っ込みを入れた。
「美形で背が高くてスタイルもよくて」
「頭脳明晰、教養豊かで政治家としても優秀で」
「人格者で」
「もてもてよ」
「それはそうだけれど」
 それでもとだ、ネロは七海に話した。
「鈍感だから」
「超絶的な位ね」
「だから性格的にね」
「理事長さんは女たらしじゃないってことね」
「うん、呂布を軍師にする位ね」
「それであの二人の探偵も」
「行動力は無駄にあるけれど」
 これも探偵の能力の一つだ。
「頭がね」
「滅茶苦茶だからね」
「自分達はエルキュー=ポワロに匹敵するって言ってるけれど」
 あくまで自分達が言っているだけである。
「それはね」
「ちょっと以上どころか」
「全くね」
 それこそというのだ。
「違うから」
「呂布より知力あれだね」
 今度はマルティが言ってきた。
「二人の知力は」
「だから僕もこう言ったんだよ」
「呂布を軍師にするみたいだって」
「普通呂布は軍師にしないね」
「絶対に戦場に送り出すね」
 ゲームではそうするとだ、マルティも言い切った。極めて高い武力に方天戟と赤兎馬まで備わっているからだ。
「戦闘マシーンだし」
「三国志最強の」
「そんな人はね」
 それこそというのだ。
「戦場以外に居場所ないよ」
「全くだね」
「裏切るけれどね」
 呂布の戦闘以外の重要な要素である。
「あの人」
「だから余計にね」
「軍師には向いてないね」
「テンボとジャッキーは裏切らないけれど」
「知力があれで」
「しかも探偵には向いていないから」
 だからだというのだ。
「僕もこう言ったんだ」
「そうだよね」
「うん、しかしね」
「しかし?」
「料理人の才能があるなら」
 このことが発見された今はというのだ。
「そっちに向かわせるべきだね」
「ええ、今心からそう思ってるわ」
 レミはしみじみとして言った。
「あの二人は徐々にでもね」
「料理人にしたいね」
「ええ、正直探偵だったら」
 テンボとジャッキーはというのだ。
「トラブルばかり起こすから」
「何故か事件はいつも解決出来てるけれど」
「不思議なことにね」
「そうだけれど」
 それでもというのだ。
「二人の能力でしていないにしても」
「いいよね」
「それでもね」
 まさにというのだ。 
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