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八条学園騒動記

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第五百七十話 タイツはないその九

「粗末な服で例えタイツでもね」
「カラフルでもなかったのね」
「そうだよ、フォルスタッフ卿だって」
 その役を演じるマルティを見つつ話した。
「騎士だね」
「つまり貴族ね」
「そうした立場の役だから」
 それでというのだ。
「確かにお酒とか遊びで借金まみれでもね」
「物語のはじまりね」
「騎士だったから」
 この身分の者であるが故にというのだ。
「ちゃんと卿って称号で呼ばれてるね」
「そういえば」
「だから」
 それでというのだ。
「もうね」
「服についても」
「貴族だから」
 それ故にというのだ。
「選べて流行の服もね」
「着られるってことだね」
「お洒落は余裕があるから出来る」
 ネロはここでこの言葉を出した。
「何時だってそうだね」
「うん、貧乏だとどうしてもね」
「そうしたことは出来ないね」
「まずは食べて家にいて」
「服はその後だね」
「衣食住と言うけれど」
 生活の三つの絶対の要素である。
「まずは食で」
「その後住だね」
「それで衣だね」
「優先順位はね」
 実際のそれはというのだ。
「だからね」
「それでだね」
「そう、まずはね」
 何といってもというのだ。
「食べてで」
「そして住んでで」
「服は最後だから」
 そうなるからだというのだ。
「余裕がある人がお洒落を楽しむんだよ」
「貴族は民衆を搾取してるからね」
 七海は連合の者特有の貴族への考えを述べた、尚これはほぼ確実にエウロパ貴族へのそれとなるのが連合だ。
「それで生活に余裕があるのよね」
「うん、そしてその搾取したものでね」
 ネロもその考えから言う、最早連合ではこの考えは無意識に出るものとなってもいる。
「贅沢していて」
「自分は働かないで」
「それで暮らしていてね」
「そんな最低な行いの中でよね」
「そう、贅沢していてね」
「昔からね」
「それで服もね」
 つまりお洒落もというのだ。
「楽しんでいたんだ」
「それでああしたファッションもなのね」
「当時は貴族のものだったんだ」
「そうなのね」
「うん、タイツに提灯ブルマに」
 それにというのだ。
「コッドケースにカラーもね」
「余裕があってこその変な恰好ね」
「そうなんだ」
 ネロは七海に話した。
「これはロココの時もだよ」
「あの頭の上に噴水乗せてる」
「一メートル位上に上げてね」
「馬鹿みたいなヘアースタイルもよね」
 これも連合の一般的な考えである、マリー=アントワネットでの宮廷の話だ。尚実際は当時のフランス宮廷はルイ十四世の頃より遥かに質素であった。
「余裕があってよね」
「そうなんだよ、ドレスとかもね」
「あのおトイレしにくい」
「そう、あれもね」
 そうしたドレスもというのだ。 
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