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レーヴァティン

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第百六十一話 新兵器その六

「鱧の格はです」
「そっちではかなりだね」
「そうなっています」
「そうだよね、じゃあね」
 桜子は良太の話を聞いて言った。
「泥鰌とはね」
「格がですね」
「やっぱり違うね」
 こう言うのだった。
「比べるとなると」
「美味いかまずいかだけだ」 
 英雄は魚の格についてこう言った。
「だからだ」
「格はないんだね」
「それもどういった料理にすればだ」
「美味いかまずいか」
「それだけのことだからだ」
 それでというのだ。
「別にだ」
「いいんだね」
「魚の格は。そして人もだ」
「能力があるかないか」
「それぞれの分野で才能を発揮するかだ」
 そのことがというのだ。
「大事でだ」
「格はないんだね」
「だから俺は身分によらずだ」
「能力によってだね」
「人を用いている、だがこの世界では身分が高いとな」
 それならというのだ。
「教育を受けていてだ」
「学問を備えているでござる」
 智が応えた。
「そしてでござる」
「しかもだな」
「武芸の鍛錬も積んでいて」
「強くもあるな」
「だからでござるな」
「やはり能力のある者はな」
 資質を磨ける状況であるからだとだ、英雄は智に話した。その口調はあくまで冷静で落ち着いているものだった。
「この浮島ではな」
「身分が高い者でござるな」
「そうした者に多い」
「左様でござるな」
「読み書きが出来なければ」
「最低限でござるな」
「やはりだ」
 どうしてもというのだ。
「用いにくい」
「読み書きが出来ると」
「書類仕事も出来るしな」
「学問も出来るでござる」
「そこから多くを知ることも出来る」
「だからでござる」
「教育を受けているとな」
 英雄はさらに言った、すき焼きをさらに食べつつ。
「それだけでかなり違う、秀吉さんの様な人もいるが」
「豊臣秀吉さんでござるな」
「百姓から上がってな」
 その身分からはじまりというのだ。
「読み書きや武芸は得意ではないがな」
「その機知と人たらしで功を挙げていく」
「こうした人材もいるが」
 それでもとだ、英雄は話した。
「どうしてもな」
「そうした人は少ないでござるな」
「やはりまずはな」
「教育でござるな」
「それを受けているとな」
「違うでござるな」
「だからな、今のところはな」
 現実を見てというのだ。
「教育を受けて資質を備えた者が必要だからだ」
「それなりの身分の者を用いているでござるな」
「学校は建てていく」
 教育を受けるその場をというのだ。 
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