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ドリトル先生の競馬

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第十幕その十

「何といってもね」
「ドイツって朝からビールだしね」
「生卵をビールに入れて飲むとかね」
「食欲のない時するから」
「これはかなり」
「先生も言ってるけれど」
「エネルギー補給にはなっても」
 それでもとです、先生は皆に飲みつつお話しました。
「痛風にはね」
「よくないよね」
「どうしても」
「そちらには」
「そうなんだ、だから気をつけないとね」
 先生はここで胡坐をかいている自分の足の親指のところを見ました、痛風になるとそこが痛くなるからです。
「こちらについては」
「若し痛風になったら」
「その時はね」
「どれだけ痛いか」
「先生そちらの診断もしたけれど」
「患者さん皆とても痛そうだったし」
「ならないに越したことはないね」
 皆もこう言います。
「最初から」
「本当に風が吹いただけで痛いっていうし」
「それだけ痛い思いするなら」
「最初からだよね」
「そこは僕もわかっていて」
 それでとです、トミーが飲みながら言ってきました。
「プリン体がないものを買ってきました」
「最近そうしたビールもあるよね」
「うん、だからね」
 トミーは王子の答えました。
「健康のことを考えて」
「そうしてだね」
「そうしたビールを買って来て」
「出しているんだね」
「そうなんだ、有り難いよね」
「ビールを飲んでも痛風にならないなら」
 それこそとです、王子も言います。
「有り難いよ」
「さっきドイツでは多いって言ったけれど」
 先生はこのお話に戻りました。
「歴史的にもそうなんだ」
「ずっとビールを飲んできたから」
「そのせいでよね」
「歴史的にも痛風の人が多いんだ」
「どうしても」
「神聖ローマ皇帝カール五世とマルティン=ルターは宗教上の理由で対立したけれど」
 それでもというのです。
「二人共痛風だったんだ」
「やっぱりビールを飲んで」
「そのせいでだね」
「痛風だったんだ」
「そうよね」
「そうだよ、二人共ビールが好きで」
 皆の言う通りにというのです。 
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