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ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)

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不安

ハンターベース メンテナンスルーム

造船所から戻ってきたエックスは、すぐにメンテナンスルームに運ばれ、ケインに怒られながら修理を受けた。

その後、ケインは、回収してきたシュリンプァーのデータメモリーからドップラーの潜伏場所が割り出せないかどうか寝静まったハンターベースの中で一人コンピューターで解析を続けていた。

「・・・・・ふむ、ドップラー・・・・お主、一体何を考えておるんじゃ・・・・。」

ケインは、そう呟きながらシュリンプァーのメモリーチップの他に投降及び鹵獲してきたイレギュラーのコピーメモリーを合わせて解析を進める。

そこへ部屋に誰かが入ってきた。

後ろを振り向くとゼロは何か言いたそうに立っていた。

「何じゃゼロ?あまりメンテナンスとか受けたがらないお前がこんな夜中に来るとはのう。」

「メンテならこの間受けたばかりだろ。悪い冗談はよしてくれ。」

ゼロは、そう言いながらケインの傍にまでくる。

「ドップラーの居場所は何とか割り出せそうなのか?」

「まだ何とも言えんのう。何しろメモリーには僅かながら暗号形式でプロテクトを掛けてあって解析が難しいからな。」

ケインはそう言いながら操作を続ける。

「・・・・・・なあ、じじい。」

「ん?」

「エックスのことなんだが・・・・・」

「エックスか?特に何ともなかったが・・・・・・何かあったのか?」

「・・・・・いや、何でもない。異常がなかったんならそれでいいんだ。」

ゼロはそう言うとさっさと部屋から出ていってしまった。

「・・・・・なんじゃ。ゼロにしてはずいぶん珍しいことを聞いてくるもんじゃのう。」

ケインは解析作業を再開する。





















ハンターベース 廊下

「・・・・・・」

ゼロは自分の部屋に戻りながら昼間、造船所で見たエックスの姿を思い出す。

顔自体は見なかったものの明らかに殺意に満ちていた。

かつて、多くのイレギュラーと対峙してきたゼロでもその異常さは明らかだった。

(あの時のエックスはVAVAやシグマとは比較にならないほどの気配を感じた。あれがエックス自身の意思ではなく何か別の意思によるものだとしたら・・・・・俺は奴をイレギュラーとして処分しなければならないのか?あのエックスを。)

ゼロとエックスの付き合いは長い。

故に今まで共に戦ってきた戦友を処分するとなると普段は何のためらいもなくイレギュラーを葬ってきた彼でも辛く感じる。

(じじいが修理した時もどこにも異常がなかった・・・・・・だとしたら、何が引き金であんな風になると言うんだ?)

ゼロは、再びエックスがあのような状態にならないための策を考える。

しかし、原因がわからない以上、対策のしようがなく虚しく時間が流れていくだけだった。




























ハンターベース マーティ私室

「・・・・・・・・」

マーティは、睡眠をとらず机に座って何かを見ていた。

造船所に設置してあった監視カメラの映像だ。

エックスが帰還後、イレギュラーハンター諜報部へと映像が回されたのだが頼んでコピーを取ってもらったのだ。

その映像にはマンダレーラと交戦しているエックスの姿が写っていた。

「ここまではエックスが圧されていた・・・・・・・でも・・・・・」

しかし、それからすぐエックスに異変が起き始める。エックスが絶叫したと同時に体全体から赤黒いオーラが発生し始め、エックスの動きがまるで別人の如く変化していたのだ。

そして、エックスは無慈悲に素手でマンダレーラの左腕を引き千切り、ズタズタに八つ裂きにした後、バスターで容赦なく撃ち殺していた。

「・・・・・・・アタシの知っているエックスじゃない・・・・・これじゃあまるでイレギュラーじゃない・・・・・」

映像はさらに続いていた。エックスは潜水艦に乗り込むや防衛用のメカニロイドをバスターと素手で破壊して行っていた。それも原型が残ることなく。普段の彼を見ていた彼女にとってその姿は最早地獄に巣食う鬼としか言いようがなかった。

「はあ・・・・・はあ・・・・・」

不安のあまりマーティは息を荒くする。その顔は冷や汗で濡れていた。

エックスは更に最深部へと侵入するとシュリンプァーと交戦する。そして、命乞いをした彼を笑いながらバラバラに引き千切っていた。彼が泣き叫ぼうが喚こうがその息の根が止まるまで。

「やめて・・・・・・もう・・・やめて・・・・・・」

最後にシュリンプァーが完全にこと切れるとエックスは、DNA端末を奪い取ってバスターに組み込む。

そこでゼロと自分たちが合流した。

「はあ・・・・・はあ!はあ!」

マーティは映像を切ると不安のあまりに体を震わせた。

あれが本当にエックスなのか?

あの映像からはもう別人としか見えない。

今まで無暗に敵でも傷つけようとしなかった彼がまるで殺人マシンの如く戦いを楽しんでいた。

「もし・・・・・また、エックスがあの状態になったら・・・・・・」

想像もしたくない。

しかし、彼女の脳裏ではすでに仲間たちを蹂躙して笑いながら自分を見るエックスの姿が見えてしまった。

「いやよ・・・・・・・そんなこと絶対に・・・・・・」

「マーティさん?」

声がして後ろを向いてみるとしずかが目を覚ましていた。

「しずか・・・・・」

「何かあったの?」












「・・・・・そう、やっぱりのび太さんに何か異変があったのね。」

「えぇ・・・・」

マーティは、静かにエックスの事を話す。その顔は暗く、普段の彼女とはかけ離れている。

「・・・・・・アタシね。昔、最初の反乱のとき、エックスに助けてもらったことがあるの。」

マーティは懐かしむように話す。

「その時の私さ、今と比べて全く弱くて・・・・口だけは一人前だったのよ。エックスに助けてもらった時もとんだ一言で喧嘩しちゃって・・・・・・」

「そんなことがあったのね。」

「うん、その後一緒にオクトパルドを倒したんだけどね。怪我をした時もお礼にって手当てしてくれたのよ。」

「フフッ、のび太さんらしいわ。」

「その時だったのかも、エックスと一緒にいたいって思ったのは。それから海に落ちた彼を陸地に運んだり、じいさんに頼んで地上でも動けるように改造してもらったり・・・・・・・」

マーティは、思い出の一つ一つを摘むように話していく。

「特に一番危なかったのはカウンターハンターの基地での時だったわね。アタシのブラ取れて・・・・・・今でもゾッとするわ。それでへんちくりんな変態じじいに盗撮されたと聞いた時は・・・・・・・」

「まあ・・・・」

「でも、危ないときはいつもエックスが助けてくれるの。どんなに突き放しても、どんなに冷たく当たっても、彼はアタシのことを見てくれた。そんな彼だから好きになった。・・・・・・・・でも・・・・」

彼女は肩を震わせながら目から涙を零す。

「そんなエックスが壊れていくのが怖いの・・・・・アタシの知っているエックスが・・・・・・・アタシが好きだったエックスが変わっちゃうのが・・・・・・あんなに優しかったエックスがイレギュラーのようになるなんて・・・・・・・」

「マーティさん・・・・・・・」

泣き始めたマーティに対してしずかは一瞬困った顔をするもののすぐに彼女に向き合って言う。

「大丈夫よ、マーティさん。のび太さんがそんな風になるはずがないわ。」

「・・・・・・えっ?」

しずかの一言にマーティは思わずしずかの顔を見る。

「だって、体が機械に変わったからと言ってもあののび太さんだもの。おっちょこちょいで不真面目ですぐお風呂覗くエッチなところがあるけど、いつも一生懸命で、周りに気をつかって貧乏くじ引いても笑っていられる強い人だもの。」

「・・・・・・しずか・・・」

「それに今までだって辛くても乗り越えてきたんだもの。きっと今度も乗り切ってこれるはずよ。」

「・・・・・・・うん。きっとそうよね、エックスのことだもん。」

マーティは涙を拭きとりながら言う。

「もうすぐドラちゃんが捕まった場所も見つかるはずだし、今は少しでも休まないと。」

「えぇ・・・・・エックスは、きっと乗り切ってくれるはず・・・・・きっと・・・・・」
































数日後 ハンターベース

エックスたち一同は、ケインに呼び出されてメンテナンスルームに集められていた。

「お呼びですか?ケイン博士。」

「もしかして、ドップラーの居場所が分かったとか!?」

「まあ、落ち着くんじゃ。・・・・・実はドップラーに操られていたレプリロイドたちのメモリーデータをコピーして解析してみたんじゃが、どうやらドップラーは、レプリロイドが持っている『特殊能力』を集めて、最強の戦闘用レプリロイドボディ作り出そうとしているらしい。」

「戦闘用だって!?」

「うむ、ドップラーは元々科学者レプリロイドだから、戦闘力がないので自分のために作っていると思っておったが、どうやらドップラーは、誰かにそのボディを作らされているみたいなのじゃ。」

エックスは、ケインの話を聞いてふと一年、数か月前のことを思い出す。

『これで終わったと思うなよ・・・・・・・・・今度私が現れたとき・・・・・・・・それが貴様の最後だ!!』


「まさか・・・・・・・・・・シグマが!?」

「「シグマ!?」」

エックスの言葉を聞いてジャイアンとスネ夫は仰天する。

「でも、のび太が倒したんだろ!?」

「・・・・いや、ジャイアン。その可能性は十分にあるよ、現にX2のエンディングでも復活するって言っていたんだし、裏で動いていたとしてもおかしくないよ。」

「奴め・・・・・・まだ生きていやがったのか・・・・」

「まだそこに関してははっきりとはしておらんがDポイントで登録されていない研究施設が発見された。おそらく、そこがドップラーの秘密研究所なんじゃろう。すぐに向かってくれ。」

「わかりました、すぐに出動します。」

「シグマめ・・・・今度こそ息の根を止めてやるぜ!」

「それとマーティ、お前から整備を頼まれていたラッシュなんじゃが・・・・・・」

話を切り替えてケインはマーティの方を見る。

「えっ?まさか、なんか悪い事でも・・・・・・」

「いや、そういうわけじゃないんじゃがラッシュのメインメモリーの中にアーマーの設計図のようなものが入ってたんじゃよ。」

ケインが手招きするとラッシュが走ってくる。いたっていつも通りで何ら変わりない。

「別に普通じゃない。」

「うむ、アーマーはどうやら転送式のようでお前のデータと照合せねば出んらしい。」

「ふ~ん・・・・・」

マーティはラッシュを撫でる。

するとラッシュの体が光り始めた。

「えっ!?」

「な、なんだっ!?」

「ラッシュが、ラッシュが光り出した!?」

一同は驚きながらその様子を見る。

まず、ラッシュが飛行形態に変形し、そこにエックスのアーマー同様の展開で装甲が追加されていく。

そして、あっという間にラッシュは、ライドチェイサーのようなものへと変化した。

「あらら・・・・・ライドチェイサーになっちゃった・・・・」

「ら、ラッシュ!?」

『ワン?』

マーティが声を掛けるとラッシュの声が聞こえた。どうやらこの形態でも変わりないらしい。

「ど、どうやらこれがアーマーらしいのう・・・・・」

「これが!?」

『ワン、ワンワン!』

「ライドチェイサーが吠えるなんてシュールな光景だな・・・・」

スネ夫は、違和感を感じながら言う。

「・・・と、とにかく急いでドップラー博士の秘密研究所へ向かおう。こうしている間にもドラえもんが心配だからな。」

「あぁ。それにシグマの野郎が気になるからな。」

「俺たちも行くぜ!!」

「ケイン博士、ここはビートブードとマンドリラーに任せておきます。」

「うん、気をつけて行くんじゃぞ。」

「はい!」

全員、急いで部屋を後にして行った。

『ワンワン!・・・・・ワオッ!?』

しかし、ライドチェイサー形態のラッシュが入り口で詰まった。

「あっ、ラッシュは別の入り口から行って。ここからじゃ出られないから。」

『クゥン・・・・・・』

 
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