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DQ3 そして現実へ…~もう一人の転生者(別視点)

作者:あちゃ
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娘の秘密は父親似

どうやら私は転生した様だ……
前世の記憶を持ち、再度人生を歩む事が出来る……
しかもアレだ!
私の大好きなドラクエの世界に転生した様だ!
前世の人生が、それ程煌びやかな物では無かった為、私はこのチャンスを最大限に活用する!
…誤解の無い様に言っておくが、前世の人生が不幸の極みだった訳ではない。
面白味が無かっただけ………不満は無いが、満足も出来ない人生だった。

所謂ヲタク女だった私は、中小企業でOLをしていた。
ブスでは無かったと思うのだが、美人でも無かった私は、美の追究を早々に諦め、稼いだ給料はアニメやゲームに注ぎ込んだ!
社会人になって直ぐに一人暮らしを始めた私……
そんな私の部屋はご想像通りだ!
足の踏み場もないほどのヲタグッズ……
勿論、彼氏など居ない…
何時から居ないかって?
そりゃ産まれた時からさ!!

別に男に興味が無いわけでは無い。
同性愛に興味があるわけでも無い。
…誤解の無い様に言っておくが、同性愛を侮辱するつもりも、同性愛者を差別するつもりも微塵もない!
私は違うと言うだけ。

こんなヲタ女に惚れる男も居ないだろうが、私の趣味に合う男が居なかったのが原因だ!
…いや、正確には違うな…私好みの男は居たのだが、手を出せなかったのだ。
私の男の趣味は、ちと変わってる。
初恋は小学1年生の時…
地域の生徒達と、集団で登下校する班の班長だった6年生の男の子が、私の初恋相手だ。
笑顔がキュートなイケメン少年…
あの頃から少しも好みは変わってない…
そう、成人式を遙か昔に終了した私にとって、犯罪に値する12.3歳頃の男の子が、私のストライクゾーンなのだ!
手ぇ出せるわけ無いでしょ!!


まぁ、過ぎ去った人生を語るのは止そう……
新たに手に入れた、新たな人生を楽しむ事を考えよう。
今、私の置かれている状況を説明しよう。
私は生まれたての赤子で、母親に抱かれている。
驚いた事に、この母親が絶世の美人!
同性愛者じゃ無い私でも、この人となら………と、思ってしまうほどの美人!
豪奢な金髪に、美しい青い瞳。
そして、この人の旦那さんも超美形!
私のストライクゾーンを遙かに逸脱しているのだが、それでも彼になら………と、思い『今すぐ私の処女を奪って!』と叫んでしまったくらいだ!
まぁ実際は言葉になってなく、オギャーオギャーと叫んだだけなのだが。
黒く艶やかな髪を紫のターバンで覆い、吸い込まれる様な美しい瞳は、全ての生き物から愛されそうな程だ。

凄いのはそれだけじゃない。
周囲を見渡すと、調度品がどれもゴージャス!
かなりのリッチメンと予測したところ、私を抱く父親の元へメイドさんが現れて「陛下、おめでとうございます」って………陛下!?
リッチメンどころじゃ無いじゃん!
王様よ!オ・ウ・サ・マ!!
セレブじゃん!私、お姫様じゃん!
私が喜びを身体全体で表していると、うり二つの美少年と美少女が私に近付き満面の笑みで話しかけてきた。
「初めまして、こんにちは。僕が君のお兄ちゃんだよ」
「初めまして、私ポピー。貴女のお姉ちゃんよ、よろしくね」
ちょっと、お兄ちゃんって私のストライクゾーンど真ん中じゃん!
そんな美少年お兄ちゃんが、私を優しく抱き上げあやしてくれる。
もう欲望が止まらない私は、彼にキスをしたかったのだけど、赤子の身体は動かし難く彼の唇までは届かない!
これは何プレイ!?
私好みのイケメン少年が、私の事を優しく包んでいるのに、私は無いも出来ない!!
もどかしくてストレスが堪りそうだが、今は我慢しよう……
何れチャンスは訪れるさ!


遅くなったが、私の新たな家族を紹介しよう。
超美形お父様のリュカ…一国の王様です。
絶世の美女なお母様のビアンカ。
そして双子の美少年なお兄様がティミー。
美少女お姉様がポピー。
そして私の新たな名前はマリー…マリティア・エル・シ・グランバニア。
大国グランバニアのお姫様…
そう!
私はドラクエ5の世界へ転生してきました!!
前世の世界では大して活用出来なかったヲタ知識…
それをフルに活用して、最高に幸せな人生を歩んでみせる!
………そう心に誓い、スクスクと成長して行きましたが、成長するに従って色々と問題事が発覚して来ました。


まぁ、その問題事の大半はお父様が絡むのです…
まず、このイケメンなお父様の考えが読みづらい!
何考えてるのか全然分からないんです。
ある時、私を寝かし付けようと子守歌を歌ってくれました。
微笑ましいですよねぇ…ただ、選曲が『ギザギザハートの子守歌』でしたが…
確かにタイトルに子守歌って入ってるけど、赤子を寝かし付ける為に歌う様な曲じゃ無いでしょう!

その他にも、不意にギャグを言う時があるのですが、それがこの世界の人じゃ意味分からないギャグなのです!
多分、この人も私と同じ転生者です!
私、喋れたら突っ込んでました。
危険です!
この転生者である父に、娘の私も転生者である事がバレたら、娘の身体に憑依しているだけの他人と思われ、私のゴージャスな姫様ライフを妨害されかねません。
その辺に捨てられる事は無いでしょうが、どこか僻地の修道院とかに預けられ、一生を其処で過ごす事になるやも…
マズイ!!
この人にだけは悟られない様にしないと…

とは言え、この人チャラくて単純そうなので、大丈夫かもしれませんね。
私が前世の情報を見せなければ、バレる事は無さそうです。
しかもドラクエ5のエンディング後の世界の様ですし…
でも、気を付けはしないとね…
ついうっかりが怖いから。



 
 

 
後書き
さぁ…
始まりました別視点!
リュカの娘、マリーの視点で見る「そして現実へ…」
 
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