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八条学園騒動記

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第五百六十九話 マウリアから見た連合という国その九

「連合は奪わずにね」
「生み出す、ですね」
「そう言われているしね」 
 言うまでもなく連合を一方的によく言った言葉である。
「だからね」
「このことについては」
「そう、実際にね」
「そう言われていて」
「そしてね」
 それでというのだ。
「大航海時代ら二次大戦が終わって」
「植民地の独立まで、ですね」
「もうずっとね」
「エウロパの収奪ですね」
「その歴史だっていうけれど」
「左様ですね、ですが」 
 ここでセーラが微笑んで話した。
「ここではマウリアの歴史観からお話をさせて頂きます」
「エウロパを悪く言わない」
「その歴史観において」
「それで富の蓄積になるのね」
「左様です」
 まさにそうなるというのだ。
「それでお話させて頂きますが」
「エウロパはっていうのね」
「はい、大航海時代から富を蓄積し」
 香辛料を求め植民地を得たその頃からというのだ。
「産業革命で、です」
「そこで技術を一気に発展させたわね」
「そして二十一世紀前半まで栄えていましたが」
「それもコロンブスの卵の蓄積ね」
「長きに渡る」
「そういうことなのね」
「人類の歴史は」
 まさにというのだ。
「一日にして成らずで」
「連合もそうなのね」
「エウロパと同じく」
「積み重なって発展していくのね」
「歳月をかけて」
「そういうことなのね」
「そして日本の発想は」
 セーラはこの話に戻してきた。
「連合のコロンブスの中でもです」
「大きいのね」
「左様です」
 そうなっているというのだ。
「私もそう思います」
「発想が凄い国なのは確かね」
「連合の中でもですね」
「昔からね、文学だってね」
 ルビーはこここでこの分野の話をした。
「凄いものがあるわね」
「古典での源氏物語やとりかえばや物語ですが」
「ああ、どっちもなの」
「源氏物語の展開は恐ろしい発想に満ちています」
「イケメンの主人公がもてもてなのよね」
「ライトノベルの主人公の様ですが」 
 俗に言うハーレム展開である、源氏物語はそれをこの時代から見て二千年以上前に生み出していたのだ。
「義理のお母さんとも、ですね」
「ああ、あれね」
「凄いことですね」
「実際にしたらとんでもないけれど」
「当時あの展開は凄いですね」
「よく考えたわね」
 紫式部もとだ、ルビーも唸った。
「あれは」
「全くですね」
「シェークスピアでもなかったわね」
 今度は自分達がこれから演じるウィンザーの陽気な女房達のことを思い出してそのうえでセーラに話した。
「あそこまでの展開は」
「シェークスピアも偉大ですが」
「人間を描いていてね」
「それと同じかそれ以上にです」
「源氏物語は凄いものがあるわね」
「義母との関係だけでなく」
 一歩間違えずとも成人指定の展開の話で終わらないというのだ。 
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