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銀河帝国革命

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マオとの出会い

 
前書き
今話は前話の少し前の話になります。しばらく銀英伝要素がなくなるのでご注意ください。 

 
惑星ドイナカンのとある山奥に不時着したハンソンは、脱出ポッド破棄し、辺りを見まわした。

「ふう、何とか脱獄に成功したぞ……しかしここはいったい何処なんだ?さすがに無人惑星という事はないと思うのだが……取りあえず人のいる場所へ向かおう。」

ハンソンはそう呟くと、あてもなく山の中を歩きだした。





出発してから既に数時間が経過していたが、人里は一向に見つからず、山の中を永遠と彷徨っている現状に、ハンソンは焦っていた。

「くそっ!歩いても歩いても人里が見つからない……このままでは本当に不味いぞ……せめて日が暮れる前に野宿できそうな場所を見つけなくては……」

そう呟きながらハンソンは必死に山の中を彷徨い続けた。
するとハンソンの願いが通じたのか、開けた場所に辿り着くと、少し遠くに家が数件立ち並んでいるのが確認できた。

「おぉっ!ようやく人里を見つけたぞ!怪しまれるだろうがここは行くしかあるまい!」

ハンソンは疲れ切った身体を奮起させ、集落へ向かった。





もうすぐ日が暮れようとする中、ようやく集落へと辿り着いたハンソンは、農作業を終え家に戻ろうとしている老人に声をかけた。

「そこの御老人!」

「うん?なんだぁおめぇ、見かけねぇ顔だな。もしかして町からきたのか?」

「御老人、突然で申し訳ないが今晩泊まらせてもらえないだろうか。少しだが金も出す。」

ハンソンはそう言いながら、ジュガシヴィリから渡された財布から30マルク程を取り出し、老人に手渡した。

「なんだこれ?オラの持ってる金とはちげぇじゃねえか。」

「そんなはずはない!これはちゃんとした帝国マルクのはずだぞ!」

「帝国マルク?そんなもん聞いたことねぇべや。領主様の判子も押されてないし、こんなもん金じゃねえ。」

「帝国マルクを知らない?いったいあなたは何を言ってるんだ?」

「だからそんなもん知らないって言ってるべ。しかしおめぇ怪しいやつだな、身なりも変だし変なもん持ってるし……もしかして魔女か!?」

「魔女?何を言ってる?」

「怪しい魔女め!オラが退治してやる!」

そう言うと老人は持っていた鍬でハンソンに殴りかかった。
ハンソンは攻撃を避けながら叫んだ。

「何をする!?」

「この攻撃を避けるとはますます怪しいやつだな!おーい!怪しい魔女が出たぞー!捕まえて領主様に突き出すぞー!」

老人の叫び声と共に集落から人々が出てきた。

「なんだ?」「魔女ってどういうことだ?」「なんか変なやつがいるぞ。」

ハンソンは誤解を解くべく必死に叫んだ。

「違う!私は魔女ではない!」

「騙されるんじゃねえ!こいつは怪しい紙っぺらを金を称してオラに渡してきたんだ!」

「怪しい紙だって?」「変な恰好もしてるし……」「とっ捕まえて吐かせればいい」

住民達は各々武器を持ち出しハンソンに迫った。

「くそっとにかく逃げるしかない!」

「逃げたぞ!」「追え!」

ハンソンは慌てて逃げ出し、住民達は捕まえるべく追いかけた。





ハンソンは山の中へ逃げ住民達を撒くことに成功した。

「ふう……何とか撒いたか……しかしいったいあの村何なんだ!?帝国マルクを知らない?余所者を魔女だと?旧時代の歴史の世界にタイムスリップでもしたのか!?」

そう独り言ちていると、茂みから青年が飛び出てきた。

「くそっもう追い付かれたのか!?」

ハンソンが慌てて逃げようとすると、青年は呼び掛けた。

「待ってください!私は貴方を捕まえる気はありません。信じてください。」

青年の呼びかけに、ハンソンは立ち止った。

「君はあの集落の者ではないのか?」

「いえ、あの村の者です。私の名はマオ・ツォートン、あそこにあるマサラ村の学校で教師を勤めています。失礼ですが、カール・ハンソン先生で間違いないでしょうか?」

「確かに私はカール・ハンソンだが……何故私を知っているのだ?」

「町で貴方の手配書を見たことがあるからです。それにロンドリーナ・コミューンでの超高速通信ラジオで貴方の声明を聞いたことがあります。」

「そういう事か……それで?稀代の大犯罪者を前にして君はどうするつもりだ?若者よ。」

ハンソンが警戒しながらそう言うと、マオを頭を下げてこう言った。

「この村を……いや、この惑星を救っていただきたいのです。」

「……どういうことだ……?」

「詳しくは家で話します。どうぞこちらへ。」

ハンソンは戸惑いながら、マオについて行ったのであった。

 
 

 
後書き
次こそは早めに投稿したいなぁ…… 
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