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レーヴァティン

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第百五十九話 美酒その十二

「ヤクザ者から取り上げてな」
「幕府でやるのかい?」
「ヤクザ者はそれこそ骨の髄までしゃぶる」
 博打をする者から徹底的に奪うというのだ。
「借金をさせ娘まで売らせる」
「そしてその娘を女郎屋で働かせることでもね」
「自分達の懐に入れる、民には借金までさせず博打をさせる為にもな」
 それにより破滅する者を減らしていくというのだ。
「寺社で行われているそれをな」
「幕府でやるんだね」
「無論場所を出す寺社にはその分の金は払う」
 それは忘れないというのだ。
「あちらもそうしてもらわないとな」
「大事な収入源だしね」
「だからだ」
「ちゃんと払うね」
「それも忘れない、ただな」
「寺社とのつながりはね」
「出来るだけない様にする」
 このことは気をつけるというのだ。
「お互いに深く関わることはな」
「避けていって」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「そちらのこともやっていく」
「博打のこともね」
「是非な、そしてやがてはな」
「賭場を寺社から放すわね」
「寺社は檀家だけでやっていってもらう」
 賭場を貸すことでの所謂みかじめ料をなくしてというのだ、これもまた寺社の収入源になっているがというのだ。
「純粋に信仰と学問でな」
「生きていく様にする」
「そうしていく、僧侶達も知識人でな」
 学ぶ場所にいるだけにだ、このことはこの浮島でも同じだ。
「その学問は政も生きるが」
「それでもだっていうのね」
「特定の宗教が政に入るとな」
「他の宗教への弾圧にもなるわね」
「それは避けたい」
 だからだというのだ。
「それでだ」
「徐々になのね」
「賭場は寺社から別の場所に置いてな」
 そしてというのだ。
「幕府の収益源の一つにしてな」
「そのうえで」
「ヤクザ者も排除してな」
「寺社からも離す」
「そうしていく」
 ヤクザ者と寺社も離し博打と寺社も離すというのだ。
「これかれは」
「では腰を据えて」
「そちらも治めていく」 
 こう言ってだった、英雄は様々な内の政を推し進めていった。戦は今はせずそちらに専念していった。


第百五十九話   完


                 2020・4・23 
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