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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百七十四話 真実は一つその十三

「ではそちらを」
「受けることになりますね」
「そうですね、ではです」
「僕達はですね」
「受けられて下さい」
「わかりました」
「八条病院の技術ならすぐにです」
 それこそというのだ。
「わかります」
「そうしたものですね」
「はい」
 まさにというのだ。
「ですから」
「受けていいですね」
「科学は人を安心させる為のものでもあります」
 畑中さんはこうも言った。
「惑わせ乱し脅かすものではです」
「ないですか」
「これはあらゆるものに言えますが」
「人を安心させるものですね」
「よき為に使うもので」
「惑わせたりはですね」
「間違った使い方です」
 科学だけでなくこの世にあるものはというのだ。
「それは剣道も同じです」
「活人剣であるべきですか」
「暴力ではないのです」
 断じてとだ、畑中さんは言葉の中に入れてきた。
「決して」
「畑中さんはそのことをよく言われますね」
「常に肝に銘じていますので」
「だからですね」
「武道は己の身体と心を鍛えるものです」
「他の人を傷付けるものではない」
「はい、そして人を守る為にも使いますが」
 それでもというのだ。
「断じて暴力ではないのです」
「そのことが大事ですね」
「若し暴力になれば」 
 剣道そして武道それ自体がというのだ。
「身に着けてはなりません」
「そうしたものですか」
「そうです、科学も然りで」
「悪用するものではないですね」
「私はそう考えています、ですから」
「僕達は、ですね」
「DNA鑑定をされて」 
 そうしてというのだ。
「心を落ち着かせて下さい」
「確かな証拠を確認して」
「そうされて下さい」
「それじゃあ」
 僕は畑中さんの言葉に頷いた、そうしてだった。
 次の日詩織さんと話をしてそれぞれDNA鑑定を受けることにした、そうして後は鑑定結果を待つことになった。それまでは僕も詩織さんもいささか不安になることは覚悟してそのうえで待つことにした。


第二百七十四話   完


                  2020・3・1 
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