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ロックマンZXO~破壊神のロックマン~

作者:setuna
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第五十九話 浮遊遺跡

 
前書き
浮遊遺跡のハイボルトのテクノロジーを使ったメカニロイドに殺意が湧く、ダメージならまだ我慢出来るが行動制限はないだろう…。 

 
ハイウェイから古代遺跡へと転送されたアッシュとグレイは前に進もうとしたのだが、突然地面が大きく揺れ動いた。

「な、何だ!」

「わわっ!地面が…!?」

あまりの酷い揺れにアッシュとグレイは立っていられなくなり、膝を着いてしまう。

「うわあああっ!」

「きゃあああっ!?」

二人の悲鳴が響き渡り、地面に亀裂が入って浮かび出していく。

揺れが終わった時には、周囲の地面は浮かび上がっており、アッシュとグレイは慣れない感覚に戸惑いながらも立ち上がった。

「ふう…やっと止まったようね…」

「何が…起きたんだ!?」

「地面があちこちに浮いてる…どうなってんだ?」

あまりにも非現実的な光景にモデルAは呟き、アッシュもグレイも周囲を見渡すと、トーマスからの通信が入った。

『大丈夫か。今、そのエリア全体に重力の異常が起きている。それと同時に強大なエネルギー反応も発見した。恐らく、それがこの重力異常の原因だろう。エネルギー反応はこの先にある。調べてくれ』

「「了解」」

「こういう場所じゃモデルLの出番だな、モデルLにはサーチ能力があってモデルPよりも広範囲に地形の把握が出来るぜ…その代わり隠し通路とか敵の位置とか分からないけどな」

「なら早速使うわよ!トランスオン!グレイ、ついてきて!」

モデルLに変身したアッシュはグレイにサポートを頼みながら進む。

向かってくるイレギュラーをハルバードで両断し、巨大な茸を思わせるメカニロイドには至近距離からのアイススティッカーを繰り出した。

「アイススティッカー!それっ!!」

巨大な氷塊をハルバードで砕いて破片を飛ばす。

破片一発の威力は低いが全弾当たれば相当な威力となってメカニロイドを破壊した。

途中でグレイがバスターショットを構えてこちらに向かってくるイレギュラーにホーミングショットで迎撃するが、一体だけ破壊出来ないメカニロイドがいた。

緑色の砲台を思わせるような形状をしており、センサーの範囲内に入ったら移動を阻害する弾を発射する。

破壊しようとしても特別な合金の装甲なのか、攻撃を当ててもビクともしない。

「攻撃が全然効かないわ…こいつを倒すのは諦めましょ」

破壊は諦めて弾にだけ当たらないように気を付けてアッシュとグレイはシャッターを抉じ開けて奥へと進む。

次に出た場所は突風が吹き荒れる場所であり、足場がかなり限定された場所である。

何とか追い風を利用して足場を飛び写ろうとするが、隠れていたイレギュラーが姿を現すことがあるために、アッシュはハルバードを振るえるように構える。

こんな時、接近戦用の武器があるモデルLは非常に助かった。

そして竜巻やリフトを上手く利用し(最初は上手く竜巻を利用出来ずに落下して落花死しそうになったのは秘密だ)、何とか奥のシャッターのある方まで辿り着く。

シャッターを抉じ開けて奥のエリアに出ると、そこは更に最悪の状態であった。

上下に動く地面に竜巻、そして突風、更に行く手を阻むイレギュラーの大軍にアッシュとグレイは一瞬足を止めそうになったが、すぐに駆け出した。

足場を飛び移り、リフトを利用して移動すると次は竜巻に吹き飛ばされないようにしながら進み、不安定な足場やリフトを飛び移ると再び大型のメカニロイドが行く手を阻む。

「アッシュ!」

「分かってるわ!ていっ!」

グレイがチャージバスターを当て、アッシュがハルバードを一振りすると、メカニロイドは容易く両断された。

そして竜巻を突破して奥のシャッターを抉じ開けると、祭壇らしき場所に出て、リフトに乗って移動すると、祭壇の上にはモデルVが浮かんでいた。

「「こんな所にモデルVが!?」」

「重力異常の原因はこいつか!」

アッシュとグレイはモデルVの存在に驚くものの、すぐに破壊か回収をしようとするが、二人の前に一人の青年が姿を現した。

「逃れえぬ運命…やはり来たか、ロックマン・モデルA。だが…このモデルVは私が回収する」

それはモデルHの適合者であり、最後の四天王モデルのロックマンのヘリオスである。

「ヘリオス!モデルVを集めてどうする気!」

モデルLのアッシュの姿にこれがプロメテ達から聞いたモデルAの能力であり、同時にテティスも敗れたことにも気付いたヘリオスだが、アッシュの問いに溜め息を吐いた。

「愚かなる問い…モデルVの価値も分からずロックマンを名乗るか。理解出来ぬからと恐れ、恐れるから排除する…お前のような愚か者がいるから、この世界から争いが絶えぬのだ。」

ヘリオスは上流階級のヒューマノイドであり、その立場から何も知らない、知ろうとしない者達の姿を何度も見ており、その者達が争いの原因だと考えている。

だからこそロックマンとなり、モデルVを覚醒させて王になろうとしているのだ。

「へっ!天才様の考える事は分かんねえな。オイラには“邪魔する奴は死ね!”って言ってるようにしか聞こえないぜ!」

「そう、私が目指す世界に愚か者の居場所はない。行くぞ、ロックマン・モデルA!愚者に死を!ロックオン!」

モデルHを構え、風が吹き荒れたかと思えばヘリオスはロックマン・モデルHへと変身すると、連結状態のダブルセイバーを双剣状態にする。

「グレイ!来るわよ!」

「分かってる!」

アッシュはモデルHの弱点である氷属性のモデルLのままで、グレイはロックマン・モデルAのままでアッシュのサポートに徹する。

「はあっ!!」

エアダッシュで距離を詰めてセイバーで斬り掛かるヘリオス。

「くっ!」

アッシュがハルバードで受け止めると、何とかヘリオスに斬り掛かろうとするが、ヘリオスは咄嗟に上空へのエアダッシュで回避する。

「斬れ!舞え!そして散れ!!」

そして距離を取ると、セイバーをチャージして三連擊とソニックブームを繰り出す。

しかもただの三連擊ではなく、一撃目と二擊目に性質が違うプラズマサイクロンを飛ばしてくる。

一撃目の横薙ぎは上下に二つの縦の竜巻を繰り出すプラズマサイクロンV、二擊目の上段斬りは前後に横の竜巻を繰り出すプラズマサイクロンH。

ソニックブームを繰り出すために少々性能が落ちているが、攻撃範囲の広さは厄介である。

二人は軌道や性質が異なる攻撃に対処出来ずにまともに喰らってしまう。

「この、喰らえ!」

バスターを構えてホーミングショットを発射するが、アッシュのものと比べて弾速が遅いため、ヘリオスにセイバーで掻き消されてしまう。

「愚かなる行為…無駄だと理解出来ずにこのような足掻きをする…貴様のような失敗作にはやはりロックマンは務まらん」

「だー!ムカつく奴だな本当に!」

どこまでも見下すヘリオスにモデルAは激怒するが、ヘリオスはどこ吹く風だ。

距離をダッシュで距離を詰めて通常の三連擊を繰り出してくるヘリオス。

ソニックブームの射程が長く速いため、グレイは完全に回避出来ずに掠ってしまう。

「斬り裂け!!」

セイバーを横薙ぎすると先程と少々軌道が異なるプラズマサイクロンVが繰り出された。

「アイススティッカー!!」

アッシュは氷塊を作り出して盾代わりにし、そして残った氷塊をハルバードで砕くと破片をヘリオスに当てる。

「ぐあ…っ!」

モデルHの弱点であるである氷属性をまともに受けたヘリオスの全身が凍結する。

そこにアッシュがダッシュジャンプで距離を詰めてジャンプ斬りからの通常斬りの連続攻撃でヘリオスにダメージを与えていく。

「グレイ!あいつ相手にはモデルLの方が良いぞ!アッシュと連携して戦うんだ!」

「よし、トランスオン!」

モデルLに変身してグレイもチャージを開始すると、ヘリオスが氷を砕いてセイバーを構える。

「愚者が舐めるな…!舞い散れ!!」

上段斬りを繰り出すとプラズマサイクロンHが放たれる。

縦の範囲が劣る分、横の範囲に優れているこの攻撃は少々かわしにくい。

「よっと!」

「ふん」

それでもアッシュはタイミングを見計らってジャンプで回避するが、ヘリオスはエアダッシュで距離を詰めてセイバーで攻撃する。

「っ痛!?」

「はあっ!!」

着地すると更にエアダッシュをして再び斬り付けてくる。

「速い…!アイススティッカー!!」

「甘い」

上空へのエアダッシュで破片を避けるが、背後から氷龍がヘリオスに直撃する。

「何っ!?」

弱点属性である氷を受けたヘリオスは地面に落下するが、その隙にアッシュはハルバードで攻撃する。

「アッシュの攻撃に気を取られた今なら当たると思ったけど…」

「良いぞ!上手く二人の技を使ってヘリオスを追い込むんだ!」

「恥ずべき失態…!このような失敗作の攻撃を受けるとは…!ただでは済まさん…!モデルVよ…!力を貸せ…!」

エアダッシュで上昇し、モデルVに干渉してヘリオスは大型のビットを二つ生成すると、電撃を放射させる。

「「!?」」

「かわせるか…!プラズマビット!!」

ビットが回転しながら電撃を放射するため、グレイは回避を余儀なくされる。

そしてビットが消え、二人が次の攻撃に備えた時には既にヘリオスは次の攻撃に移行していた。

「斬り裂け!!」

プラズマサイクロンVが二人に直撃するが何とか耐え抜いてチャージ攻撃を繰り出す。

「フリージングドラゴン!!」

グレイが氷龍を召喚してヘリオスに向かわせるが、ヘリオスはセイバーで砕くとアッシュにエアダッシュで距離を詰めて斬り掛かる。

「アイススティッカー!!」

「チッ!!」

氷塊を出してヘリオスを動きを僅かに止めることができ、そしてハルバードを突き出してヘリオスの肩に突き刺した。

「このまま凍らせてやるわ!」

「ぐっ!?」

ハルバードのチャージが始まり、穂先に冷気が集まるのと同時にヘリオスの傷口から凍り付いていく。

このままでは腕が使い物にならなくなると判断したヘリオスは後ろに後退すると、既にロックマン・モデルAに戻っていたグレイは二丁のバスターを構えていた。

「ギガクラッシュ!!」

「馬鹿な…!」

ロックマン・モデルAの必殺のギガクラッシュが炸裂し、ヘリオスに大ダメージを与えると、戦闘続行が不可能な状態となったヘリオスは膝を着いた。 
 

 
後書き
プラズマサイクロン二連発からのソニックブーム。

もしゲームでもされたら回避困難なのは間違いない…プライドが高い分、ヴァンに一蹴されたのが誰よりも悔しかったヘリオスでした。 
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