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レーヴァティン

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第百五十九話 美酒その二

「しかしだ」
「それが国力に出るにはですね」
「十数年はかかる、しかしだ」
「そうしたこともしていきますね」
「そうだ、先を見据えてな」
 それでとだ、英雄は紅葉に答えた。
「そうしていきます」
「左様ですね」
「そうだ、では産業も造り上げ」
 葡萄の酒即ちワインにしても肉やチーズつまり酪農業にしてもというのだ。
「大きくしてな」
「豊かにですね」
「していく」
「そうしていきますね」
「そうだ、そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「今言った通りだ」
「豊かにですね」
「していく、豊かな国こそだ」
 まさにとだ、英雄はさらに言った。
「強い」
「そうなのよね、貧乏だとね」 
 どうかとだ、奈央も言ってきた。
「どうしても国力が低いから」
「弱いな」
「ええ、兵が強くてもね」
「やはり国力だ」
「一人一人が強くても十倍の敵には勝てないわ」
「おいそれとはな、だから今はだ」  
 自分達幕府を開いた自分達もとだ、英雄は話した。
「強くなっていく」
「そういうことね」
「こうしたものも造って売っていってな」
「ワインもソーセージも」
「色々とな、そして」
 英雄は今度はワイン、深紅のそれを入れているものを見た、それは西の浮島の造りである硝子の杯だ。
 その杯、あちらで言うグラスを見つつ言った。
「こうしたものもな」
「造ってなのね」
「大いに売ってな」
 そしてというのだ。
「こちらでもだ」
「商売それに産業を起こして」
「豊かになる、とにかく出来ることはだ」   
 その全てをというのだ。
「やっていく、砂糖もな」
「白砂糖も造りはじめているわね」
「そうだ、黒砂糖もあるが」
 それだけでなくというのだ。
「これからは白砂糖もな」 
 こちらもというのだ。
「造ってだ」
「売ってよね」
「料理にも使っていく」
 こう奈央に話した。
「そうしていく」
「とにかくなのね」
「そうしたことをな」 
 その全てというのだ。
「そしてだ」
「そこからもなのね」
「豊かになる、とにかく今の最優先事項はな」
 幕府のそれはというと。
「国も民全体もだ」
「豊かになることね」
「年貢も税も軽くする」
 こうもするというのだ。
「そしてそうしたものよりもな」
「豊かになった富を得る」
「そうしていく、元々そうしたものは軽くしていたが」
 そして全て政に向けていた、英雄も仲間達も奢侈にはこれといって興味がないのでそちらには使っていなかったのだ。 
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