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ロックマンZXO~破壊神のロックマン~

作者:setuna
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第五十七話 ハイウェイ

 
前書き
モデルLさえ取っておけば何気に楽な所がある 

 
アルバートを止めるためにアッシュとグレイはまず、被害が最も酷いハイウェイに向かった。

予想していた通り、かなりの数のイレギュラーがおり、人々を襲っていた。

『その先のハイウェイでイレギュラーに追われる人々がパニックになっておる。車で逃げ出した連中が渋滞を起こし、逃げるに逃げられん状態じゃ。イレギュラーを撃退して、何とか彼らが避難する時間を稼いでくれ』

「簡単に言ってくれるわね」

「それでもやるしかないよアッシュ。行こう!」

ミハイルからの指示にアッシュは溜め息を吐いたが、グレイは表情を引き締めて駆け出した。

「やれやれ、さっきまでの落ち込みはどこ行ったのかしら?」

アッシュも苦笑しながら駆け出し、それぞれがレーザーショットとバスターショットを構えながらイレギュラーを破壊しながら先に進む。

イレギュラーの攻撃によって道が陥没しており、それに落ちないように気を付けなくてはならない。

「全く、やりたい放題ね!少しは手加減しなさいよ!」

特に浮遊しているタイプのメカニロイドは地味に耐久力が高く、火力が低いモデルAでは倒しきれないことが多いが、敵はそれだけではないので複数の敵を攻撃出来るモデルAを維持するしかなかった。

奥のシャッターを抉じ開けると、ミハイルが言っていた車が渋滞している場所に出た。

上空にはイレギュラーが操縦する四年前の輸送機を改良した爆撃機が空爆を仕掛けていた。

「ひいっ!?は、早く進んでくれよ!このままじゃ狙い撃ちだ!」

「イレギュラーはアタシ達に任せて!攻撃が止んだら、車を移動させるのよ!」

「だ、誰だか知らないけど助かるぜ!後ろにもまだ車が止まってるんだ!頼んだぜ!」

「任せなさい!グレイ、イレギュラーはアタシに任せてあんたは攻撃からみんなを守るのよ!」

「分かった!アッシュ、気を付けて!」

爆撃機の流れ弾はアッシュよりも攻撃範囲の広いグレイに任せてアッシュはモデルFに変身する。

「トランスオン!さあ、掛かってきなさい!スクラップにしてジャンク屋に売り払ってやるわ!!」

両腕にナックルバスターを構えてショットを連射し、爆撃機にダメージを蓄積させ、グレイはバスターを構えてレーザーサイトを出し、流れ弾をホーミングショットで処理する。

「アッシュ!撃て撃て!撃ちまくれ!!後少しで倒せるぞ!」

「分かってるわよ!これで終わりよ!!」

とどめの一撃とばかりにナックルバスターの銃口から発射された爆弾は爆撃機に直撃し、ダメージによって飛行を維持出来なくなり、墜落した。

「よし、これで片付いたわ」

「どうやら連中、逃げられたみたいだな」

モデルAの言う通り、あれだけ渋滞を起こしていた車が一台もない。

「先へ進もう、追ってくるイレギュラーを食い止めるんだ」

いくらここのイレギュラーを倒したからといって、向こうからやってこないとは限らないので、二人は奥のシャッターを潜り、奥へと進んでいく。

初めは最初の時と同じようにイレギュラーを倒しながら進んでいたが、途中で大型ビットを複数展開している大型メカニロイドが現れる。

「トランスオン!」

グレイもモデルFへ変身し、ナックルバスターを構えると、メカニロイドがハイウェイを破壊しながらこちらに突撃してくる。

「それっ!!」

アッシュがナックルバスターでのパンチを叩き込み、ビットをメカニロイドに叩き付けると動きを止めたところをグレイがショットを連射して攻撃していく。

ハイウェイが破壊されていくが、二人は後退しながら攻撃していくとメカニロイドは蓄積していくダメージに耐えきれずに爆散した。

「よし、片付いたわ。先へ進むわよ」

「分かった」

「落ちるなよ?オイラが引っ張り上げても良いけど凄く疲れるんだからな」

モデルAに言われたようにメカニロイドに破壊されたハイウェイから落ちないようにジャンプを繰り返して奥に進み、奥のシャッターを抉じ開けて更に奥へと向かうと、そこには先客がいた。

「…テティス!この騒ぎはあんたが仕組んでたのね!」

アッシュがこの騒動を引き起こした原因であるレプリロイドの少年、テティスを睨む。

「嬉しいね、僕の名前、覚えてくれたんだ。ロックオン!!おいでよ、君達に見せたい物があるんだ。」

ロックマン・モデルLへと変身し、テティスは手招きすると水の中に飛び込み、アッシュとグレイも飛び込んだ。

すると海の底にモデルVが浮かんでいた。

「…モデルV!?ハイウェイを襲ったのもこいつの生け贄のためか!」

「正解、だけど見せたいのはもっと下…この汚い海の底さ。昔、戦争があった頃の海は生き物がいられるような場所じゃなかった。戦争が終わって、一度は綺麗になった海も、人々が増えたらまたこの始末さ。分かるかい?結局人々はこの世界を汚さないと生きていけないんだ」

周囲を見渡すと、確かにハイウェイの道の残骸や廃棄物が山積みの状態となっている。

確かにここまで汚れているとテティスの言い分は正しく聞こえるかもしれないが。

「だからって、何も知らない人の命を奪うのか!人同士で殺し合うのか!」

グレイの言葉にテティスは一瞬、不思議そうな顔を浮かべたが、次の瞬間には笑みを浮かべた。

「人同士?僕らは普通の人々じゃない、ロックマンに進化したんだ。そして…僕は君達を倒して更に進化する…。ロックマンの王になって、自分勝手な人々からこの世界を救うんだ!」

テティスの言葉に今まで黙っていたアッシュが口を開いた。

「へえ…偉そうな事言っても、やってる事はイレギュラーと同じじゃない」

「僕がイレギュラー?ハハッ、面白いね、君は。けどね、ロックマンの王を決める、この運命のゲームは元々僕らだけでやるつもりだったんだ。偶然変身した君は予定外のロックマン…イレギュラーは君の方なのさ。予定外なのはモデルOのロックマンも同じだけど、彼自身は選ばれていたからね…君はある意味彼以上のイレギュラーだよ。流石に強さは及ばないだろうけど」

アッシュの言葉を笑いながら言い返すと、テティスはハルバードを出現させると頭部の推進器を噴かして一気にアッシュ達との距離を詰める。

「「速い!?」」

「遅いよ!!」

驚いた二人にテティスはハルバードで一閃する。

「キャッ!?」

「うわっ!?」

ダメージを受けた二人はよろける。

それを見たテティスはハルバードの先端に巨大で鋭利な氷の刃を作り出して二人に向けて発射する。

「バミューダトライアングル!!」

放たれた刃を二人はジャンプしてかわすが、テティスからすればあまりにも遅い。

ウォーターダッシュで距離を詰められてハルバードでの攻撃を受けることになる。

「くそっ!何であいつは水の中の影響を受けないんだ!?」

「モデルLは水中戦に特化したロックマンだからね、速いのは当然でしょ?さあ、おまけだよ!」

グレイの言葉に呆れながら言うテティスは自分の前に氷塊を出してハルバードで叩き割り、複数の氷の破片を放つ。

「調子に乗るんじゃないわよ!」

何とか破片を掻い潜ってチャージを終えたレーザーを向けるとリフレクトレーザーを発射する。

「おっと!やるね、流石二人目のイレギュラーロックマン。ハンターだけあって戦い慣れてるようだね」

「あんたに褒められても全然嬉しくないわ」

「酷いなぁ、今度はこれだ!出てこい!!」

氷龍を二匹召喚し、アッシュとグレイに向かわせる。

「「トランスオン!!」」

アッシュはディアバーン、グレイはクロノフォスに変身し、二人は氷龍をかわしながらそれぞれの攻撃で氷龍を破壊する。

「炎属性のフォルスロイドと氷属性のフォルスロイドね…そんな奴らに変身出来るなんてずるいなぁ。ずるいのはいけないよ?」

「あんたに言われたくないわ!!」

テティスに向けて炎の矢を発射すると、テティスは矢をかわしてアッシュに斬り掛かるものの、ディアバーンは水中でも素早く動けるので今度はかわした。

「え!?」

「喰らいなさいーーーっ!!」

飛び蹴りを繰り出し、背中に飛び蹴りが直撃したテティスは吹き飛び、グレイが追撃で氷弾を連射して当てる。

「痛たたたたっ!?やってくれるね!アイススティッカー!!」

「させないわよ!」

炎の矢を連射して氷塊を破壊してテティスに直撃させると弱点の炎属性を受けたテティスの全身が炎に包まれる。

「うわ…っ!」

「喰らえ!!」

その隙にグレイが氷弾を発射してダメージを与えていく。

「流石に二人を同時に相手にするのは欲張り過ぎたかな…でも、僕にも取って置きの秘策があるんだよね」

「「取って置き?」」

「そういうこと、出てこい!僕のサポートマシン!メイルストロム!!」

モデルVが妖しい光を放った瞬間に磯巾着のようなメカニロイドが複数設置される。

「メカニロイドが!?」

「何でいきなり!?」

「驚くことじゃないよ、モデルVのイレギュラー生成能力を利用しているだけさ。いやあ、流石ヘリオス。まさかモデルVにこんな使い方があるなんて頭が良いよね。それ!!」

メカニロイドが竜巻を発生させ、氷塊を発射する。

テティスのサポートマシンと言うだけあって、テティスは竜巻を物ともせずに移動する。

「この…っ、汚いぞお前!」

「二対一の時点で汚いも何もないでしょ。」

モデルAの言葉に呆れたような表情を浮かべながら氷龍を召喚するテティス。

「動きにくいわね…なら、全てぶっ壊すわ!ギガクラッシュ!!」

広範囲攻撃のギガクラッシュでメカニロイドを破壊していくが、爆発によって泥が巻き起こり、視界が最悪の状況になる。

「良いのかい?わざわざ攻撃しやすいようにしてくれて!」

「それくらい予想してたわよ!トランスオン!」

ハルバードでアッシュを両断しようとしたが、アッシュはモデルPに変身するとクナイを投擲した。

完全に不意を突かれたテティスはクナイを数本受けてしまう。

「モデルP…!そうか、モデルPの能力なら視界なんて関係ないか…!」

「そうよ、そしてアタシばかりに目を向けていて良いの?」

「何だって?」

「タイムボム!!」

グレイがクロノフォスのタイムボムを発動し、アッシュと自分以外の動きを遅くする。

「なっ!?体が…」

「これで終わりよテティス!!」

「とどめだ!!」

ロックマン・モデルAに戻り、アッシュはレーザーを構えてレーザーサイトを出してテティスをロックし、ホーミングショットとリフレクトレーザーを当て、グレイもまたロックマン・モデルAに戻ると、バスターを構えてギガクラッシュを炸裂させた。

「うわああああっ!!」

二つのレーザーとギガクラッシュのショットをまともに受けたテティスは変身は解除されなかったものの、戦闘続行が不可能な状態となるのであった。 
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