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DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)

作者:あちゃ
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ジパング

<ジパング>

異国情緒溢れる国ジパング。
人々皆が奇妙な恰好をしており、アルル達を『ガイジン』と呼ぶ…

「変な国ね…『ガイジン』って何よ!?」
自分を指差され叫ばれる言葉に不快感を露わにするアルル。
「ガイジンとは、異国の人という意味だよ」
船でティミーとの親密な時間を邪魔されて以来、不機嫌なアルルにリュカは優しく諭す様に言葉の意味を教える。
「不愉快な人々ね………さっさと情報を集めオーブを手に入れて、こんな国からは出ましょうよ!」
そう言い、ズンズン進んで行くアルルを見てリュカは…
「勝手だなぁ~」


アルル達は住民から話を聞き、今この国で起こっている厄介事を聞き出した。
曰く、「ヤマタノオロチは数年前に現れて、この国を破壊し始めた」
曰く、「それまでお飾りだった女王ヒミコが突然神の声を聞ける様になった」
曰く、「女王ヒミコが、神の啓示を聞き少女を生贄に出す事で、ヤマタノオロチの活動を、押さえる事が出来た」
曰く、「最初の頃は数ヶ月に1度、生贄を捧げればヤマタノオロチは暴れなかったのだが、最近では毎週生贄を捧げる様になった」
曰く、「僕の大好きなヤヨイ姉ちゃんが、昨日生贄になっちゃった!」
等々…

「事態は深刻だな…」
リュカが重い口調で周囲を見渡す。
「そうですね…皆、生きる気力を失い掛けてます…」
アルルも見渡し、悲しそうに呟く。

「良い女が全然いねーじゃん!全部生贄にしちゃうから、ババーとガキしか残ってない!つまんねーよ、この国!ほら見ろよウルフ…昔は美女でしたって人か、これから美女ですよって人しか居ないよ!…あぁ、お前はロリコンだからお宝満載か!」
「って、ロリコンじゃねーよ!!」
凄い勢いで突っ込むウルフ。

「ヤメロ!リュカさんもウルフも、いい加減にシロ!巫山戯てる場合じゃ無いでしょ!この国が滅びてしまうかもしれない一大事なんですよ!」
「ご、ごめんなさい…」
被害者であるはずのウルフが謝ってしまうほど、アルルの気迫は凄かった!

「だから僕も事態は深刻だと思ってるよぉ」
「アナタの深刻さはニュアンスが違ってます!」
ウルフとは反対に、全く悪びれないリュカ。
そんなリュカを睨み続けるアルル。


「…あ!美女の匂いがする!!」
真剣なアルル達をバカにするかの様に、突飛な事を言い出すリュカ。
「はぁ…何言ってるんですか…さっき父さんが言ったんですよ、美女が居ないって…」
「こっちだ!」
苛つくティミーを無視して走り出すリュカ…
先程まで柔和な表情だったビアンカの表情が、険しくなったのを見て焦るティミー。
仕方なく皆でリュカの後について行く…


暫く進むと小さな小屋の前に辿り着いた。
「何だ、アンタ等!?」
小屋の前には番をするかの様に男が一人立っている…
「この中に居る」
「此処は漬け物を保存している地下保存庫だ!誰も居ない!!あっちへ行けよ!」
リュカは小屋を指差し、中へ入ろうとする…
しかし自主的に番をしていると思われる男が立ち塞がる様に邪魔をした。
「うるさい、退け!」
だがリュカの力に簡単に弾かれ、リュカ達に進入を許してしまう。


小屋にはいると直ぐに階段になっており、ヒンヤリとした空気が漂う地下へと続いている。
「うっ!何この匂い!?腐ってるんじゃないの!?」
其処は幾つもの大きな瓶が並んでおり、糠漬け特有の匂いが漂っている。
慣れないアルル達には悪臭でしかない。
「此処に居る!美人の匂いがする!」

「父さん………酷い悪臭しかしないじゃないですか……鼻と頭がおかしくなったんですか?」
どさくさに紛れてとんでもない事を言う息子を無視して、一つ一つの瓶を開けるリュカ。
マリーなどはリュカが開けた瓶の中身を摘み食いしている。
「う~ん…美味しいですわ!!このキュウリ最高ですぅ」
「こらマリー!そんな物食べちゃいけません!お腹壊しますよ!」
「大丈夫ですよお兄様。別に腐ってる訳じゃありませんから」
キュウリをボリボリ食べながら、兄の警告を無視するマリー…
「お、居たよ!!」
するとリュカがお目当ての美女を見つけた様で、瓶の蓋を片手に大はしゃぎする。


リュカ以外の皆が瓶の中を覗くと、其処には確かに美女が居る。
しかし中の美女は変なのだ!
瓶の中に居る事自体変なのだが、服装が奇妙だ!
アルルやティミーなどから、ジパング人の一般的な服装を見ると、それも奇妙なのだが、この美女はそれとは違うベクトルで奇妙なのだ…
一言で言えば白装束…
そう、まるでこれから生贄にされるかの様に…

「あ、あの…どうか見逃して下さい!……せめて一晩……あと一晩、故郷との別れの時間を私にください…」
美女はアルル達を見つめ、泣きながら懇願する。
「あの…何のこ「貴様ら!!見つけてしまったな!!」
アルルが質問をしようとしたのだが、先程の自主的警備員が階段から現れ、ヒステリックに大声を上げた!
「えっと……何?どうしたの??」

一人、瓶の中で泣きじゃくる女…
一人、出入り口を塞ぎ殺気立つ男…
間に挟まれたアルル達は、途方に暮れる。
そして3本目のキュウリを完食するマリー。
「見られたからには、生きて返すわけにはいかない!ヤヨイは俺が守る!生贄になどさせはしない!」
男は腰から刀を抜き構える。

「へー、君ヤヨイちゃんって言うんだ!可愛い名前だねぇ!」
「あ!は、はい………」
「あらお父様!私の名前だって可愛いですわよ!」
「うん。可愛いよマリーも…でも一番可愛い名前はビアンカだけどね!」
「まぁ、ラブラブですわね!」
別空間のやり取りをする親娘。


事態の収拾に渋々乗り出す苦労人ティミー…
父と妹の事はひとまず置いといて、殺気立つ自主的警備員を宥めにかかる。
「落ち着いて下さい…僕等はヤヨイさんを、生贄に捧げる為に此処へ来たわけではありません!むしろ助けようと思ってる!」
「ほ、本当か…?」
「何だよぅ…疑うなよ!美女を助けるのは、イケメンの義務だろ!美女の居ないジパング人大勢の命より、美女一人の命を救う…それがイケメンの義務だ!お前もそのつもりなんだろ!?その他大勢の命を犠牲にして、この美女の命を優先するんだろ?」

「そ、それは……お、俺はジパングの民の命を犠牲にするつもりなどは…」
リュカの辛辣な言葉にたじろぐ自主的警備員。
「アナタは黙ってて下さい!話がややこしくなる……この男の言う事は無視してくれ。この男以外の僕等は、誰の命も犠牲にしない!このジパングを救う為に来たんだ!」

この後ティミーは、根気強く男を落ち着かせて行く。
途中、リュカのチャチャに辟易しながら、説得を続けていった。
余談だが、ティミーの説得の邪魔をしたリュカは、さすがにビアンカに叱られ、珍しくしょんぼりしていたと言う…



 
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