| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五百六十八話 働き手その六

「マウリア人の私から見ればです」
「偏見とか?」
「連合のエウロパのそれが出ていて」
 それでというのだ。
「偏った見方になっています」
「まあそれはね」
 ルビーはこのことを指摘されると微妙な顔になって言った。
「そうかもね」
「やはりありますね」
「だって連合ってね」
「エウロパがお嫌いですね」
「向こうも嫌いでしょ」
「はい、お互いにです」
 まさにというのだ。
「嫌い合っています」
「そうよね、だからね」
「連合としてもですね」
「もう皆エウロパが嫌いで」 
 ルビーはさらに話した。
「それも上に超が付く位にね」
「だからですね」
「もう偏見もね」
「ありますね」
「だから素材を活かしたっていっても」 
 エウロパ料理がというのだ。
「私達からしてみればね」
「味がないとですね」
「薄いっていうかね」
 それで済まずにというのだ。
「そう思えるのよ」
「左様ですね」
「それで連合軍の人達は」
「はい、召し上がってです」
 フランスでフランス料理をだ。
「実際にです」
「味がないってなのね」
「言っておられました」
「そうよね」
「そしてイギリス料理も」
「まずいって言ってたのよね」
「そうでした」
 まさにというのだ。
「ただ私はフランス料理については」
「セーラフランスにも行ったのね」
「エウロパにいた時に」
 そちらに留学していた時のことだ。
「それで、です」
「お料理も食べて」
「美味しいと思いました」
 こうルビーに答えた。
「私としては」
「そうなのね」
「はい、素材を活かした上品な味でした」
 セーラが食べたフランス料理はというのだ。
「量も普通でした」
「そちらもなの」
「はい、ですが連合の方からすれば」
「私達大きいからね」
 ルビーにしても連合の女性の平均位だ、普通に一七五ある。マウリア人手一六〇ないセーラから見ればかなりの高さだ。
「だからね」
「その分ですね」
「食べてるわね」
 実際にというのだ。
「だからちょっとやそっとの量だと」
「マウリアやエウロパの基準ですと」
「どうしてもね」
 それはというのだ。
「足りないわね」
「それで連合軍の方々もです」
「量についても文句言ったのよね」
「そうでした、しかし」
「しかし?」
「このお店では味も量もです」 
 紅茶やコーヒーのそれはというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧