| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ドリトル先生の競馬

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八幕その二

「世界では結構あってもね」
「世界的にどうか、だよね」
「そんな人は」
「中国でも欧州でも」
「そして日本でもね」
「実は織田信長さんもあそこまでじゃなかったし」
 頼朝さんみたいに敵は全て根絶やしにしなかったというのです。
「降った敵は結構許してたし」
「そう思うとね」
「頼朝さんって嫌だよね」
「どう考えても」
「あの人については」
「好きになれないね」
「そう、僕は信長さんは好きだけれど」
 それでもというのです。
「頼朝さんはね」
「というか好きな人少ないよね」
「日本でもね」
「どうしても」
「信長さんは人気があるけれど」
「頼朝さんは」
「そうだよ、義経さんが人気があるだけに」
 この人とは逆にというのです。
「頼朝さんは余計にね」
「不人気だね」
「というか好きな人いないよね」
「ああした人は」
「どうしても」
「そうだね、それで一ノ谷では」
 先生はこちらのお話に戻しました。
「義経さんは本当に凄いことをやったよ」
「馬で山道なんて進めるの?」
「そもそもね」
「それに崖みたいな山を一気に下るとか」
「そういうのも出来るの?」
「果たして」
「サラブレッドでは出来ないよ」
 先生は皆にまずはこの馬から答えました。
「レースで使うね」
「高等部の方でもあるね、サラブレッド」
「昨日見た乗馬部でも」
「あの馬じゃ山道は進めないよね」
「ましてや山を下るなんて」
「サラブレッドはレースに特化した馬だからね」
 そこで走る為の馬だというのです。
「だからね」
「あの馬に乗ってもね」
「山道は進めない」
「そして勿論山を下ることも」
「出来るものじゃないね」
「レースの馬と軍用馬は違うよ、それに」
 先生は皆にさらにお話しました。
「当時の馬は今の馬よりずっと小さかったからね」
「そんなお話もしていたね」
「そういえばね」
「先生前僕達にお話してくれたね」
「昔の日本の馬は今の馬よりずっと小さかった」
「そうだったって」
「道産子みたいな馬だったんだ」
 当時の日本の馬はというのです。
「本当にね」
「それで軍用馬で」
「そうした馬だったから」
「それでだね」
「山道を進むことが出来たし」
「山を下ることも出来たんだ」
「そうだよ、とはいっても」
 ここでこんなことを言う先生でした。
「この戦い方はあくまで義経さんだけが思い付いて実行した」
「そうした戦い方だったんだ」
「あくまで」
「他にはなかったんだ」
「山道を進んで山を下るとか」
「崖みたいなところを」
「普通山は平地で乗るものだよ」
 そうした場所でというのです。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧