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神機楼戦記オクトメディウム

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第13話 果てしなき闘い

 
前書き
※ギリギリ卑猥なレベルの性描写がありますので、閲覧の際にはご注意下さい。
主にこの話の為にR-15タグを設置しました。 

 
『作戦会議』を行った千影、姫子、泉美の三人。そして、それから数日の時が経ったのであった。
 そして、三人は今日のこの日もいつも通り高校へと通っていたのである。
 その後、無事にその日のノルマの授業も終わり、後は放課後にそれぞれの生徒がそれぞれの時間を過ごすべく散り散りになっていたのだ。
 それは、千影達も例外ではなかったのである。
「それじゃあね、千影ちゃん、泉美ちゃん♪」
「ええ、姫子もまたね」
「私からも同じね」
 元気に別れの挨拶を姫子と二人は交わし、彼女を快く見送る姿勢を見せる。
 だが、今回の場合は普段の別れとは幾分違うものであるのであり、その事に千影は触れる。
「姫子、そっちの方は頼んだわよ」
「任せておいて♪」
 意味ありげな千影の物言いにも、姫子は意気揚々と返して、たっぷりのボリュームの胸を張るのであった。その瞬間に千影に嫉妬の炎が燃えてしまうのもいつもの事であるのだった。
 ともあれ、それでも千影は姫子の事を信頼しているのだ。殊更、今回の作戦にはその信頼がすこぶる高くなければ成立しないものがあるのであった。
 対して、姫子も千影達へと言葉を返していく。
「千影ちゃん達の方も頼んだよ。まあ、千影ちゃんと泉美ちゃんの二人がいれば問題ないとは思うけど……」
「ありがとう」
 献身的に千影と泉美の事を評価する姫子に対し、二人ともその心意気に有難い心持ちとなるのであった。
 このようにして、いよいよ姫子は二人とは別行動を開始するのだ。
 そして、彼女を見送った二人は気を引き締め直して向き合う。
「姫子は行ったようね」
「ええ、だからこっちはこっちで頑張りましょう♪」
 真剣な面持ちでそう言う千影に対し、泉美は余り彼女を気張らせないように宥めるような口調で言うのであった。
 しかし、ここで二人にはある問題が発生するのだ。
「あなたが推測した『敵の襲撃時間』まで、まだ時間があるわね」
「ええ、そうね」
 千影の指摘に、泉美も同意する所であるのだった。
 泉美が推測した敵の襲撃のタイミングとは、相手方が最も気が緩む時間帯を狙うだろうと踏んでの事なのであった。
 それは、まず一日の終わりを告げる夕刻時である。加えて、ほとんどの者、殊更ほとんどの学生が次の日が休日となる『金曜日の夕方』これこそが敵が狙うだろう絶好の機会であるだろうという事である。
 だが、まだ日は空に上がっており、泉美が予測する敵の襲撃にはまだ時間があるという訳であるのだった。
 そのような話を、今しがた二人はトイレの中で話し合っていたのである。
 無論、女子同士であるが為に二人仲良く立ち小便などという『友情を育む儀式』などは出来なかったのであるが、それでもこの禁断の聖域にて一緒に話をするのは実に心弾むものがあるのであり、それは女子でも変わらないものがあるのだった。
 そういう空間であった為か、泉美は少し魔が刺してしまい、このような言動を始めてしまうのであった。
「それじゃあ千影さん、この時間を『ここで』有意義に使うとしませんか?」
「って、そう言いながら何であなたはパンツを脱ぐのよ?」
 そう千影が指摘する通り、泉美はおもむろに制服のスカートの中からその中身たるショーツを引き抜いていたのであった。それはもう器用な手付きで。
 そのような凶行には、当然千影は咎めたのであった。
「あら~? トイレでパンツを脱ぐのは自然な流れでしょう?」
「その理屈はおかしいわ」
 そのインテリらしいのかよく分からない理屈に、千影はツッコミを入れておいた。
 そして、そんな暴挙に出る泉美の表情を千影は探ってみたのだ。
 その瞬間彼女は確信した──この人は、自分と同類だ、と。
 それならば……そこまで思い至った千影は意を決してこう泉美に言うのであった。
「『ここから先』に、踏み入る心構えはあるようね……?」
「えっ……?」
 思いもかけない千影の言葉に泉美は面食らう、パンツを膝あたりに纏わり付けた状態で。

◇ ◇ ◇

 そして、二人はとうとう『その先』へと踏み入ってしまったのであった。
 二人は一つのトイレの部屋の中へと入り、そして心臓の鼓動を高鳴らせながら向き合っていたのである。
 そうなるのは、ただ向き合っているからだけではなかったのだ。
 まず、率直に言うと二人の出で立ちは上半身裸という状態であるのだった。
 そう、これが千影の言う『その先』を越えた境地であったのだ。こうして二人は文字通り裸と裸で語りあう場へと向かったのである。
 神聖な学校でこのような暴挙に走るのは問題であろう。しかし、元から無防備を晒すトイレでは他人に見付かる可能性は低いだろう。しかし、断じてオススメする訳ではないが。
 元より、これから敵の襲撃があるという中でのこの行為はと思うだろうが、これも泉美が時間を計算してまだ余裕があるからという結論の元で至った事である。決して本能に任せて本来の目的を忘れて……などという事はないのである。
 そして、下半身にはスカートが纏わり着けられていた。だが、それは普通のスカートを履くという事ではなく、ご丁寧にその中身のショーツは脱ぎ去られた状態であるのだ。──所謂男性にはこれを好む人が多いシチュエーションである『ノーパン』という奴だ。
 これは、今回の行為は所謂『B』までである為に安易に『そこ』を曝け出さないようにするというのが一つ。
 だからと言って快楽を享受する為のそこを放置するのはもったいないというものであろう。なので、そこをスカートの中で露出して快感を貪ろうというのも狙いの一つであるのであった。
 そう、露出しつつ隠す事が出来る、それがノーパンの醍醐味であるのだった。
 加えて、裸にスカート一枚だけを身に着けているというのも扇情的で背徳的な感じがあるだろう。それも二人は互いを興奮させる要素として利用しようという魂胆であるのだった。
 こうして『スカートと履物以外』裸一貫という外法な出で立ちで向い合った二人は、互いの熱気でむせ返るような空気で包まれているのであった。
「はあっ……はあっ……」
「ああっ、千影さん……興奮しますわ……」
「当然でしょう、こんな事するの私も初めてだからね……」
「さいですか」
 そんな千影の弁には泉美ですら閉口してしまう所であった。このように思い至った事を躊躇わずに実行してしまう辺り、あなたはどこぞの公園のいい男なのかと。
 ともあれ、乗りかかった舟であるのだ。だから泉美もここで引く事など出来はしなかったのだ。何せ人に自分の生の胸元を見せてしまったのだから。
 そう泉美が脳内でプランを練りながらまごついていると、どうやら『対戦相手』からの先制攻撃と相なるようであった。
「泉美さんから来ないのなら、こちらから行かせてもらうわよ♪」
 そう言う千影の口調は、普段の『印象だけなら』クール&ビューティーな彼女の雰囲気からは想像もつかない程にウキウキしたものとなっていた。
 そして、宣言通り彼女は泉美へと先制攻撃を仕掛けるのであった。彼女が目指したのは、泉美の豊満な胸肉であるのだった。
「ひゃうっ……」
「姫子と同等のボリュームね。全く羨ましい限りね。そしてその感度も素晴らしいわ♪」
 千影は完全に泉美を自分のペースに乗せて楽しんでいたのであった。自分から見れば嫉妬と渇望の対象であるが、今はそれを弄ぶのが心弾む思いで楽しくて仕方がない様子である。
 そんな刺激的な感触を施されては、泉美の体には甘美な感触が走るのであった。そして、それに体は言葉の代わりに反応で返すのだった。
 それを見逃す千影であった。それは忍者としての洞察力であろうか、それともレスビアンとしてのサガであろうか。
 ともあれ、泉美は相手から女性としての弱点の一つを突かれてしまうのであった。
「いいわ泉美、乳首も正直にそそり立って来たわ♪」
「ひゃうん……」
 そう、女性も勃ってしまうのだ。そこを泉美は突かれ、生真面目そうなその出で立ちからは想像もつかないような可愛らしい反応をしてしまう。
 ちなみに、勃つといえば乳首よりももっと感度の高い箇所を忘れてはいけないのであるが、今回のはあくあで『B』であるが故に、そこの出番はないのであった。残念!!
 それでも泉美は千影からの攻撃に身を焦がすかのような快感に打ちひしがれてしまっていたのである。そして、彼女が快楽を感じている証拠がその頭角を現すのであった。
「ふふっ、千影さん。おつゆが垂れてきているわよ♪」
「あっ……」
 そう千影に指摘されて泉美は気付いてしまうのであった。自分の大切な所がはしたない反応をしてしまった事を。
 だが、幸いにも今はノーパンであるからそれにより汚す物はなかったのであった。相変わらず便利なスタイルであるが、何度も言うように推奨はしません。
 そして、そのような液体が体から出ているという事は、体が『求めて』しまっている事の証拠なのだ。
 だが、これはあくまで『B』なので、『そこ』を直接慰める事は叶わないのである。これではある意味生殺し状態であろう。
 そして、そのような液体を流させられてしまった泉美は、謂わば『敗北』してしまったようなものだろう。なので根が真面目故に負けず嫌いな彼女は『反撃』に出るのであった。
「千影さんだって、いい形の胸をしているわ。決して絶壁なんかじゃなくて、成長段階にあるわ。今後を楽しみにしていいわよ♪」
「あうん……」
 思わぬ反撃に出てきた泉美に対して、千影の方も艶っぽい嬌声をあげてしまう。そして、相手は頭の切れる存在だという事を忘れてはいけないだろう。故に、彼女は千影の胸の周辺を感じる箇所を的確に責めてくるのであった。
「ああ、いいわ泉美♪」
 そう喘ぎながらも余裕を見せる千影。そういう趣味としての先輩であるが故に、彼女はまだ優位を感じているのだ。
 そんな余裕を泉美は突き崩してやろうかと魔が差すのであった。それを彼女は実行に移す宣言をする。
「余裕ね千影さん。でも、まだ私は『あそこ』を責めていない事を忘れてはいないかしら?」
「ゑっ……!?」
 そう言われてハッとなる千影。そして、その意味を蕩け切った脳内で把握すると、弾かれたように慌てふためくのであった。
「あ、それダメダメダメダメ──!」
「もう遅いわよ♪」
 こうして形勢は逆転したのであった。そして、泉美は千影のなけなしの膨らみかけの胸の先で勃っている乳首へと指を這わせ──そして一気にこねくり回した。
「ああっーーーーーー!!」

◇ ◇ ◇

 その後、二人はトイレでの禁忌を終えて一緒に歩を進めていたのであった。そして、その肌は腹の立つ位にツヤツヤとしていたのである。
 それは例え『B』であっても互いに感じる所を裸と裸で触れ合ったのだ。これには両者とも充実した時間を過ごしたと言えるだろう。
 特に、泉美の方は歓喜の感情で心が満たされていたのであった。その理由は言わずもがな──であろう。
「ああ、何ていい気分なんでしょう。何たって、千影さんをイ──」
「やめて! それ以上は言わないで!」
 さすがの千影とて、その事実を改めて口にされるのははばかられるのであった。元より、言い出しっぺは自分自身であるが為に、その恥ずかしさも一入というものであるのだった。
 そんな上機嫌な泉美は、更に追い打ちを掛けるかのように千影の耳元で囁くように言う。
「でも、千影さんとしても『有意義』だったんじゃないのかしら?」
「ええ、それはまあ……」
 それは見事に的を得た指摘であるのだった。何せ、学校で『達する』という究極の禁忌を千影は成し遂げたのであるから。
 そう思い、千影は勝負には負けたが、メスとしては勝ったと自分を納得させる事にしたのであった。
 そのように千影が考えていると、ここで泉美は態度を改まって千影に言ってきたのである。
「でも千影さん、良かったんですか? 私にこんな一線を越えた施しをしてくれるなんて……」
「一番想っているのは姫子さんでしょう?」その事を泉美は忘れてはいなかったのだ。
 泉美には分かっているのであった。こうして彼女達の仲間となった自分だが、千影と姫子の方がより固い絆で結ばれている事を。
 だが、泉美にそう指摘された千影はここで首を横に振るのであった。
「いいえ、泉美。あなたは『私を終着点にはしていない』事は自分でも分かっているでしょう? だから、私は今回こうして『通過点』になったまでの事よ」
「通過点……ね」
 そう言われて泉美は合点がいく所であるのだった。全くを以って千影の主張は彼女の的を得ているからである。
 そう、泉美は既に千影を最終目標とするような事はしていなかったのだ。それは、千影に焦がれる想いを燻らせていた時から心の奥底で感じていただろう事ではあるが。
 つまり、泉美は今回の経験を通過点として、新たな目標を見出していくのが本人の為でもあり、千影の為でもあるのだった。
 故に千影は今回このような行為に走ったという事なのだ。些か学校のトイレでやるような事ではないが。
 ともあれ、この瞬間に泉美が千影に対して感謝の念で一杯になった事は確かなのであり、素直に彼女はその気持ちを言葉で表すのであった。
「ありがとう、千影さん」
「ええ、どういたしまして」
 千影の方もそのお礼には素直な気持ちで返すのであった。何度も言うが学校でやるような事ではなかったが。
 それはさておき、ここに強い絆が芽生えた二人は突如としてアイコンタクトを取ると、こう言うのであった。
「どうやら『時』が来たようね」
「そのようね」 
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