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レーヴァティン

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第百五十七話 完全破壊その十一

「その場合はね、けれどね」
「それも躾でか」
「暴力はね」
「振るわないか」
「暴力を振るって教えるのは今言っている通りにね」
「三流か」
「そうよ、私はそう思うから」
 だからこそというのだ。
「そうしたことはね」
「しないんだな」
「絶対にね」
 こう言うのだった。
「それは言うから」
「そうなんだな」
「そして奴隷にそうしたことすることもね」
「奴隷制自体をなくすしな」
「止めさせるのよ、スパルタ市民がこのまま軍人になることはよくても」
 それでもというのだ。
「奴隷だった人達も臣民になるから」
「同じになるしな」
「そうしたことはさせない」
「これからそうするか」
「そう、絶対にね」
 留奈は強い声で言った。
「ぞれでいきましょう、そしてこれで」
「ああ、この半島での戦は終わったな」
「だから戦後処理をして」
 そしてというのだ。
「それが終わったらね」
「ローマに帰るか」
「そうしましょう、何はともあれ戦は終わったわ」
 留奈は微笑んでこうも言った。
「だから戦後処理が終わったら」
「ローマに戻ってな」
「今度は拡大した領土の政にあたりましょう」
「むしろそっちの方が大事だな」
 戦のことよりもとだ、久志は留奈に応えた。
「本当に」
「ええ、戦も政のうちだし」
「政全体をやるってなるとな」
「もうね」
 それこそというのだ。
「そちらの方が大事だから」
「そうなるな、じゃあな」
「ローマに戻りましょう」
 留奈は久志に言った、そしてだった。
 廃墟、かつてスパルタだったその場所を見回して久志にあらためて話した。
「ここの復興もね」
「政だからな」
「じっくりと腰を据えてね」
「復興を進めていこうな」
「そうしていきましょう」
「それじゃあな」
 久志は留奈のその言葉に微笑んで応えた、そしてだった。
 帝国は戦後処理の後軍勢の殆どをそれぞれの本来の管区に戻して久志達もローマに戻った、その後は政に暫くは専念することにした。


第百五十七話   完


                  2020・4・8 
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