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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百七十二話 沖縄の食べものを食べながらその四

「そうしてるさ」
「そうだね、じゃあわかるね」
「勉強しないと駄目か」
「いい成績取りたいなら」
 赤点を取らずそして大学に進学したいならだ。
「そうすべきだよ」
「だよな、やっぱり」
「僕も一緒だから」
「じゃあお互い勉強するか」
「期末テストに向けてね」
「といってももうしてるけれどな」 
 中川君は既にだった。
「頑張ってるつもりだぜ」
「アルバイトにアイドルに」
「そっちもな」
「忙しいみたいだね、君も」
「これでもな、しかしな」
「しかし?」
「その期末テストが終わったらな」
 それからのことだ、中川君は話した。
「クリスマスだな」
「後は」
「あと十四日はな」
 十二月十四日といえばだ。
「討ち入りの日だな」
「赤穂浪士のね」
「この日もあるな」
「そうだね、けれどね」 
 この日についてもだ、僕は言った。
「この日は特にね」
「催しとかないよな」
「クリスマスは別にして」
「赤穂市ではやってるけれどな」
 地元だけあってだ。
「神戸じゃしないな」
「基本関係ないからね」
「ここで浄瑠璃部か演劇部が忠臣蔵やる位か」
「それ位だね」
 これは毎年やっている、歌舞伎をやることもある。
「神戸だと」
「そうだよな、俺あの話酷いと思ってるけれどな」
「お年寄りを集団で襲う」
「しかも事実捻じ曲げてるしな」
「吉良さん実はいい人だったらしいからね」
 映画とかドラマでは物凄く嫌な文字通りの糞爺となっていることが多い。月形龍之介さんがやっている映画も観たことがある。
「名君でね」
「領民の為に心を砕いて政治してたんだよな」
「善政だったらしいね」
「それで嫌がらせもしてなかったんだよな」
「うん、賄賂貰わなかったのを逆恨みしたとかも」
 このこともだ。
「これ賄賂じゃないから」
「付け届けだからな」
「当時常識だったから」
 お世話になる相手に贈りものをすることはだ、あの田沼意次もこれは貰っていたのが賄賂と思われたらしい。
「赤穂藩も贈ってるし」
「吉良さんも受け取ってな」
「結構なもの貰ってる筈だよ」
 赤穂藩もそこはわかっていて贈っている。
「それでね」
「意地悪もしてないな」
「烏帽子代紋がどうとかも」
「あれ本当だったら吉良さんの落ち度になるな」
「そうなるからね」 
 このことが明白だからだ。
「もうね」
「してないな」
「当時浅野内匠頭さんが胃潰瘍か何か患っていて」
 問題のこの人がだ。
「結構ストレス溜まってて被害妄想にもなっていて」
「吉良さんが悪口言ったと思ってか」
「刀抜いたのがね」
「真相か」
「そうみたいだよ」
「吉良さんにとっちゃ迷惑な話だな」
「それで江戸城内で刀抜いたから」
 絶対のご法度だった、江戸市中でも駄目だったから尚更のことだ。 
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