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夢幻水滸伝

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第百三十六話 二度目の勝利その三

「それこそな」
「ここで自分等が戦線に行かんとな」
「采配執って戦わんと」
 そうしないと、というのだ。
「勝てん、いやはっきり言うとや」
「負けるな」
「自分と施がおらんとな」
 到底という言葉だった。
「そうなるわ」
「そうした状況やな」
「それでや」
 ここはというのだ。
「ここはな」
「攻めるんやな」
「そや、そして勝つで」
 一騎打ち、それにというのだ。
「ええな、その為にな」
「わしもやな」
「働いてもらうで」
「わしはご主人の神具や」
 それだとだ、彼はこう言った。
「それやったらな」
「ここはやな」
「言うまでもないわ」
「一緒に戦ってくれるか」
「当然のことや、ほなな」
「一丸となってな」
「戦うか、ご主人にはわしがおるが」
 白澤はここで芥川の方を見た、自分達と同じく宙に浮かんでいる彼は九尾の狐に乗っている、白澤はその狐を見て言うのだった。
「しかしな」
「それでもやな」
「あちらさんには狐がおる」
「九尾の狐がな」
「狐の相手はわしがするわ」
 こう施に申し出た。
「そうするわ」
「そうか、ほな狐は頼むで」
「あいつは強力な神通力を持ってる」
 九尾の狐のこのことも話した。
「それでわしもや」
「強い神通力あるな」
「それでや」
 ここはというのだ。
「狐は任せるんや、そやからな」
「芥川はやな」
「やったれ、自分の全力でな」
「そうするわ、弓にな」
「如意棒やな」
「この二つの力は尋常やないわ」
 施は強い声と表情で言った。
「どっちも最強格の武器や」
「一撃で山も砕く位のな」
「それだけの力がある、そして自分自身もな」
「強さには自信があるな」
「絶対のな、一人で大軍を相手にしたこともあれば」
 まだこの世界の中国が統一される前のことだ、この時に彼はそうした戦を経験してそして勝ち抜いてきたのだ。
「多くの一騎打ちにも勝ってきた」
「それでやな」
「芥川にもな」
「勝つな」
「六将星は伊達やないんや」
「武は絶対やから」
「今回も勝つ、やったるわ」 
 こう言ってだった、施は如意王に念を入れた。すると。
 これまで一つだった如意棒が数えきれないまでに増えた、その如意棒達が一斉に芥川に向かう。それと共に。
 矢を放った、矢はまるで隕石の様な速さと威力で芥川に向かう。狙いは正確に芥川に向かい数も恐ろしいものだった。
 如意棒と矢、この攻撃を放ちつつ施は言うのだった。 
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