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おぢばにおかえり

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第五十八話 入学前のその三十一

「親神様、教祖様は許して下さるし」
「お母さんが許さなくても」
「そうよ、人は間違えるものだから」
 人よりずっと優しい親神様、そして人のことを誰よりも愛されている教祖様はというのです。お母さんは私にお話してくれました。
「そのことをわかっておられて」
「それでなのね」
「そんなことをした人でも心から反省していれば」
「親神様は許して下さるのね」
「心から反省してるのよね」
「ずっと後悔しておられるわ」
 このことがよくわかります、私が一年生の頃からそうでした。
「本当にね」
「それじゃあね」
「親神様も許して下さるのね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「お母さんが見てもその人は残酷な一面があるわね」
 先輩にはというのです。
「残念だけれどね」
「そうなのね」
「ええ、千里にとっては残念でしょうけれど」
「それはね」
 そう言われるとです。
「妹達もそう言うし阿波野君もね」
「あの子もなのね」
「先輩のお話聞いて」
 私が話しました、阿波野君は先輩から直接聞いています。
「それでね」
「お母さんもそう思うし」
 本当にというのです。
「その人に残酷で容赦ない一面があることはね」
「事実なのね」
「人には色々な一面があるから」
「先輩生きものも大事にされるのに」
 犬や猫の虐待なんて絶対にしないです、そんなお話を聞いて凄く悲しそうなお顔になられたのを見たこともあります。 
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