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ドリトル先生の競馬

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第五幕その九

「是非ね」
「そしてそのうえでね」
「楽しんでいくね」
「アイスクリームやかき氷も」
「そちらもだね」
「楽しみたいね、そういえばこのお祭りの出店もでかき氷があったね」
 先生はふとこのことを思い出しました。
「そうだったね」
「かき氷は絶対にあるね」
「日本のお祭りには」
「夏のそれはね」
「それはしっかりあるよね」
「このお祭りでも」
「だからね」 
 それでというのです。
「後で皆で食べようか」
「酔い醒ましにもなるし」
「しかも甘くてよく冷えるし」
「日本の夏の風物詩の一つだし」
「食べましょう」
「そうしようね、ただ昔は」
 こうも言った先生でした。
「かき氷というか氷はとても高かったんだよね」
「そうそう、暑い場所だとね」 
 ここで言ったのは王子でした。
「氷は貴重で有り難いものだけれど」
「そうだよね」
「けれどすぐ溶けるだけに」
「昔はね」
 実際にというのです。
「このことは」
「とてもね」
「そう、だからね」
「先生もだね」
「今はとても安いけれど」
「お水凍らせて」
 先生は言いました、
「それで出来るからね」
「後はシロップかけてね」
「それで出来るっていう」
「簡単で安い」
「そんなものだね」
「そう、けれどね」
 それがというのです。
「昔はだよ」
「凄く高かったね」
「そうだったんだよね」
「かつては」
 そうだったというのです。
「それがね」
「昔は」
「物凄く高価で」
 それでというのです。
「むしろお酒とかよりもね」
「ずっと高くて」
 それでというのです。
「貴重なものだったんだよ」
「そうだね、そう考えたら」
「かき氷を安く食べられる」
「凄い贅沢だよね」
「そういえば古典とかでも」
 トミーも言ってきました。
「氷を夏に楽しめたら」
「凄い贅沢だったってあるね」
「そうでしたね」
「それこそお殿様とかね」
「そうした人達の楽しみでしたね」
「そうだったけれど」
 先生は今は飲みつつ言いました。
「それが」
「今ではですね」
「そのとてつもない贅沢がね」
 それこそというのです。 
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