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ドリトル先生の競馬

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第五幕その一

               第五幕  夏祭りと花火
 先生は動物の皆にトミーそして王子と共に町の神社の中でも一番大きな八条神社のお祭りに出ました。そうしてです。
 そこで左右に並ぶ出店達を見回しますが。 
 動物の皆はここで先生に言いました。
「先生浴衣も似合ってるね」
「作務衣だけじゃなくてね」
「何か様になってるよ」
「浴衣姿絵になっているよ」
「下駄もね」
「いや、何というかね」
 先生は淡い紺色の浴衣に下駄という身なりです、その姿で皆に応えます。
「涼しくて動きやすくてね」
「その恰好もだね」
「いいっていうんだね」
「うん、かなりね」
 こう皆に言うのでした。
「着物は着たことがあるけれど」
「それでもだね」
「浴衣もまたよし」
「着物の中でも」
「そう思ったよ」
「本当に似合ってるよ」 
 王子も先生に言ってきます、この人とトミーはいつもの洋服です。
「先生って日本の服が本当に似合うね」
「うん、生まれはイギリスでもね」
「服が馴染んでいるんだよ」
「だからだね」
「似合っているんだ」
「スーツも似合っていますけれど」 
 それでもというのです。
「着物も似合うんですよね」
「ここまで似合うと言われるとは思っていなかったよ」
「何か体形的にもなんですよ」
「僕は着物が似合うんだね」
「そうだと思います」
「先生は背は高いけれど」
 王子が先生のその体形のことをお話します。
「太ってるし脚もそんなに長くないからね」
「着物も似合うんだね」
「そう、ただ脚は短くもないから」
「つまり中間だね」
「だからスーツも似合うんだ」
 こちらもというのです。
「そこはいい体形だと思うよ」
「それは何よりだね」
「うん、じゃあ今からだね」
「お祭りを楽しもうね」
「それじゃあね」
 王子は先生の言葉に笑顔で頷きました、そうしてです。
 皆で出店が並ぶ中を歩きつつです、焼きそばやお好み焼き、たこ焼き、いか焼き、フランクフルト、玉蜀黍、焼き鳥等を買ってです。
 そうしたものを食べてデザートとしてクレープや林檎飴、ベビーカステラ等を食べてです。神社が提供してくれている御神酒である日本酒を飲みます。
 そうしてお祭りを楽しんでいると。チープサイドの家族がこんなことを言いました。
「この出店が並んでるのがね」
「いいのよね」
「日本のお祭りの醍醐味だね」
「凄くいいわね」
「美味しくて」
 それにと言ったのは老馬でした。
「しかも独特の風情があるからね」
「夏になると」
「こうして楽しまないとね」
 オシツオサレツは二つの頭で言います。
「飲んで食べて」
「そしてお祭りの雰囲気もね」
「花火もあるし」
 チーチーはこちらのお話をしました。
「これも楽しまないとね」
「丁度ここからだと花火がよく見えるし」
 ポリネシアは今自分達がいる場所を見ています、神社の中の広い場所で皆はそこに敷きものを敷いて出店で買ったものを食べて御神酒を飲んでいるのです。
「丁度いいわね」
「早くはじまらないかな」
 ホワイティはそわそわとしています。
「花火も楽しみたいし」
「焦らない焦らない」
 トートーがホワイティを窘めます。 
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