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八条学園騒動記

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第五百六十四話 脚本その七

「オセローとかリア王も」
「ハムレットもロミオとジュリエットも」
「どの作品もね」
「リチャード三世とかも」
「この作品もね」
「面白いね、マクベスも」
「悪人ぶりもね」
 そうした作品に出て来る彼等もとだ、マルティは言った。
「いいんだよね」
「かえって痛快だね」
「そうだよね」
「あそこまではっきりしていると」
 そうした悪人ならというのだ。
「かえって好感持てて」
「面白いんだよね」
「まあ傍にはいて欲しくないけれど」
 管はこうも言った。
「絶対に」
「それは言えるね」
「マクベスもマクベス夫人もね」
「リチャード三世もヤーゴも」
「どの人も絶対に傍にいて欲しくないよ」
「自分も何されるかわからないから」
「そうした気持ちはあるけれど」
 それでもというのだ。
「キャラクターとしてはね」
「魅力的だよね」
「悪人もあそこまでいくとね」
「もう突き抜けてるから」
 その悪人ぶりがというのだ。
「いいね」
「そうなんだよね」
「そしてフォルスタッフ卿も」
「ある意味突き抜けてるね」
「その図々しさがね」
 この要素がというのだ。
「桁が違うから」
「普通の図々しさじゃないね」
「僕恋愛経験あまりないけれど」
 管はこう前置きしてマルディに話した。
「それぞれ違う人に同じ内容のラブレター同時に渡すなんて」
「しないよね」
「うん、しかも人妻さんにね」
 尚且つ金目当てである、あとは身体だ。
「無茶苦茶図々しいよ」
「僕もそう思うよ」
 マルティもこう答えた。
「流石にね」
「それはないね」
「絶対にね」
「けれどそこまでするね」
「図々しさがだね」
「図太さと言っていいかな」
 管はこうも言った。
「あそこまでああだと」
「かえって痛快だね」
「しかもあれで結構愛嬌があるから」
「余計にだね」
「魅力的なんだよ」
 キャラクターとしてそうだというのだ。
「まああの人は傍にいてもね」
「そういえば登場人物も皆あれで嫌ってないね」
 怒ってもだ、フォルスタッフというキャラクターは確かに作中で怒りを買っているが決して嫌われてはいない。
「ああした人だってね」
「受け入れてるね」
「とんでもない人なのに」
「けれどそのとんでもなさがね」
「かえって愛嬌があって」
「愛されてるんだよ」
 作中でもというのだ。
「ああしてね」
「そうだね」
「そしてそのフォルスタッフ卿をね」
「僕が演じるんだね」
「そうだよ、本当に歌劇の方でいくから」
 キャラクター像はというのだ。 
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