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魔法少女リリカルなのは 平凡な日常を望む転生者

作者:blueocean
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第62話 ウーノさんのお願い



金曜日の夜、スカさんから貰った通信器に連絡が入った。

『零治君、今、大丈夫ですか?』

「ウーノさん?一体どうしたのですか?」

『実はお願いが…………』








「着いたな…………」

「ああ…………」

着いた場所はスカさんのアジト。
前に来た時とは違い、今日来てるのは俺と桐谷とフェリアだけ。
それもウーノさんからのお願いが理由なのだ…………








回想…………

「どうしたんですか?暗い顔をして…………」

『……………最近、管理局の研究所が襲撃されていることを知っていますか?』

「一応フェイトからチラッと」

最近疲れた顔をしたフェイトがちょこっと愚痴ったのを聞いた。

何でも、謎の集団が次々と管理局の研究所を襲撃しているらしい。
その場の研究者は全て行方不明。恐らく殺されたとか……………

「それがどうしたんですか?」

『……………それは私達がしているのです』

「…………えっ!?」

確かにスカさんは何かしているとは思ってたけど、まさか…………

『勘違いしないで下さい!!別に研究の為とかそんな個人的な理由ではないです!!』

俺の表情でそう感じたのか、慌てて否定するウーノさん。

「じゃあ何で?」

『ドクターなりの尻拭いです…………』

「尻拭い?」

『はい。プロジェクトFもそうですが、ドクターの研究によって今でも酷い研究をしている研究所はまだかなりあります。それを一つずつ潰しているのです』

スカさん、そんな事してたのか…………

「だけど殺すまでは…………」

『私達だってそこまでしていません。私達はただ単に研究所のデータを完全に抹消しに行ってるだけです!職員も殺していません!その後に誰かによって裏で処理されているだけです』

恐らくあの脳みそ共か………

『そして、最近になって警備が更に厳しくなってきたのです。トーレ、クアットロ、ディエチの3人だけじゃもうかなり厳しくなっていて…………』

「…………俺達にも手伝って欲しいと」

『犯罪の片棒を担がせる様な事です、無理にとは言いません。ですが、協力してもらえませんか?』

「はぁ………」

俺は溜息を吐き、少し考える。

俺的にもスカさんの為に手伝ってあげたい。
だけど、一応傭兵として活動している俺が犯罪に手を染めるとシャイデにも迷惑がかかる。

黒の亡霊だとどうしても目立つしな…………

「一つだけお願いしてもいいですか?」

『…………何ですか?』

「黒の亡霊は傭兵での姿なので、素の状態で手伝いたいと思います。それでも良いですか?」

『はい!!問題ないです!!ありがとうございます!!詳細は後ほど連絡しますので………では!!』

そう言ってウーノさんは連絡を切った。

「さて、そうと決まったら、バリアジャケットのデザインを変更しないとな…………」

目立たないようにだから黒がいいか…………
俺は暫く、違うタイプのバリアジャケットを考えていた…………








「で、いいのは思いついたのか?」
「ぶっちゃけ、前の世界のアニメを参考にした。………ってお前はどうするんだよ、アルトじゃ目立ちすぎるだろ?」
「大丈夫だ、それなら考えてあるから」

ウーノさんは桐谷にも連絡していた。
俺的にも人数が増えて、助かるが、アルトじゃ目立ちすぎねえ?なんて思っているんだけど………

「3人共来てくれてありがとう」

「休みだから問題ないですよ。それより、スカさんや他のナンバーズは?」

「ドクターは部屋に、妹達は準備中です」

「なるほど………」

「もうすぐ準備が終わると思うので、少し待っていて下さい」

そう言われ、俺達はリビングへと向かった。





「そういえば桐谷はアルトで行くのか?」

ナンバーズ特有のピッチリスーツを着込んだフェリアが桐谷に質問した。
桐谷はアルトしか無い筈だ。あれは赤いし、デカイから目立つよな…………

「いや、アルトでは行かない」
「?じゃあどうするのだ?」

こいつは俺みたいに何パターンもある訳でも無いから、一体どうするのか…………

「前にジェイルに作ってもらったデバイスを使う。ほら、これ」

そう言って桐谷はポケットから白いブローチを出してきた。

「ほら、2人に挨拶な」

『初めまして、ご主人様のデバイスをしています、セレンと申します』

「へぇ〜、初めまして、有栖零治だ」

「私はチンク、地球ではフェリアと呼んでくれ」

『よろしくお願いします、零治様、チンク様』

礼儀正しいデバイスだな……………

「そういえばもう一つのデバイス、レミエルはどうした?」

「……………拗ねて、更にダラダラしてる」

それでいいのか?

「それで、どんな武装なのだ?」

「両腕のミズチブレードでの近戦戦闘だな」

ミズチブレードってアクセルかよ…………

「バリアジャケットはどんな奴なんだ?」

「上は黒のシャツに白のレザージャケットを着たような感じ。下はジーパンっぽいズボン」

「普段着じゃん」

というかアクセルか?

「ジェイルがそれでも大丈夫だって言ってたから…………」

人の事は言えないけど、もう少し戦闘服っぽいのにすれば良かったのに………

「だが、目立ちすぎる。何か目立たない格好を考えるべきではないか?」

「……………確かに」

「もう黒いマントでも着とけ」

そんな感じで明るく俺達は話していたが、これから先、思った以上に悲惨な光景を目の当たりにすることをまだ知らなかった…………






「何で零治と桐谷がここにいるの?」
「よっ、ディエチ。久しぶりだな」
「本当だ、元気そうで何よりだ」

先ず、リビングにやってきたのはディエチだった。
いつもの私服姿では無く、ピッチリスーツに茶色のマントを羽織っている。右手には大きな筒の様な物を持っている。

イノーメスカノンだろうか?

「もう一度聞くけど何でここにいるの?」

「お前たちの手伝いをしに来たんだよ」

「…………正気?バレたら犯罪者だよ?」

「それも覚悟の上さ。まあ分からないように対応はするけど」

「と言うことだ、だから余り気にせず頼ってくれ」

ディエチはそれでも断ろうとしたが、俺達が折れなさそうな所を見て、ディエチは何も言わなくなった。

「まあこの二人なら大丈夫だディエチ。それよりトーレとクアットロは?」
「トーレ姉さんを迎えに行ってる。もう少しで来るはずだけど……………」

そう言うと、リビングにクアットロとトーレさんがリビングにやって来た。

「うぅ………頭痛い………」

「クアットロ、また?」

「ええ、二日酔いだって………」

当のトーレさんは頭を抑えながら、クアットロに肩を借りて歩いている。
しかし、スーツは既に着用していて、行く準備は整ってるみたいだ。

「それで、何故チンクちゃん達がここにいるのかしら?」

「今日の事を手伝いに来ただけだ」

「ふん、平和ボケしたチンクちゃん達に手伝ってもらうことなんて無いわ」

「…………来てもらったのにその言い方は無いのではないか?」

「別に頼んでいませんわ」

「クアットロ!!」

「フェリア落ち着け!」

喰らいかかろうとしていたフェリアを桐谷が慌てて取り押さえる。

「桐谷、離せ!!一回きつく言っとかなければずっとああだ!」

「これから戦闘するのに、どうでもいいことに消耗してどうするんだ、クアットロもいちいち挑発するな」

俺がフェリアに注意して完全に止まったけど、未だに怒りは収まっていないみたいだ。

「私は真面目に言いましたけど?」

うわっ、嫌な奴…………

「い、いいではないか…………」

「トーレお姉さま?」

「私達3人だとキツイものがあったし、ここは甘えてこう……………何より頭痛い…………」

最後の言葉は余計である。
ほら、妹達が冷めた目で見てるじゃないか……………

「ま、まあトーレお姉さまがそう言うのでしたら連れていっても構わないわ」

「クアットロ、素直じゃないね」

「ディエチちゃん!?」

どうやら連れていってくれるみたいである。


「話は済んだみたいだね」

そこにスカさんがやって来た。
目の下には大きなクマが出来ていた。

「クアットロ、これを持っていってくれ」

そう言ってクアットロにUSBみたいに接続するような物を渡した。

「前に使っていたものよりも性能を良くした。これで前以上に時間を短縮出来るだろう」

そう説明して、今度は俺達の方へ向いた。

「ウーノから聞いたよ、本当に良いのかい?」

「ああ、スカさんには世話になってるし、『親友』の手伝いをするのは当たり前だろ?」

「そうだな、俺だってジェイルには世話になってる。だから気にしないでくれ」

「『親友』か………………はは、良いものだね親友と言うのは…………」

苦笑いをしながら呟くスカさん。
危険な事を俺達に頼むことに負い目を感じているのだろうか?

「取り敢えず、俺達はどうすればいいんだ?」

「そうだね、今回の作戦を一回説明しようか」







「今回の目的…………と言ってもトーレ達からすればいつも通りだね。目的は研究所に向かい、研究データに私の作ったウィルスを打ち込んで、全て破壊することが目的だ。そうすれば自然と研究は廃止になるだろう。もし再開されたとしても失われた分を取り戻すのに時間はかかるだろうし、もし見ておけなかったらまた破壊すればいい。目的はこんな所かな?」

「そうか…………でも脳みそ達は何で研究員を消しているんだ?」

「まだ、老人達と決まった訳ではないけどね…………ただこの事が露見するのを恐れて全て消し去り、その罪を私達に擦り付けていると思うから、これに関わってる上位の局員というのが一番確率は高いと私は思うけどね…………」

確かにありえそうだけど…………
そして、次にディエチが俺達に説明し始めた。

「私達は研究所の中枢までの道作りが主な目的。中枢に行って、さっきドクターからクアットロが受け取った端末を繋げている間、それを邪魔されないようにするのも私達の仕事」

「なるほど…………」

「それではみんな、気を付けて頼むよ」

スカさんがそう言って、俺達は転送装置へと向かった。








「こうなるなら、一度模擬戦をしとくべきだったな」

頭痛はもういいのか、トーレさんが俺に話しかけてきた。

「そうですね、そうすれば連携もしやすかったですね」

だけど、トーレさんとは絶対にしたくない。
前にも思ったけど、バトルジャンキーだもんこの人…………

「桐谷は新しいフォームで模擬戦した事あるのか?」

フェリアが桐谷にそんな質問をした。
そういえばそんな話は聞いて無かったけど…………

「ああ、私とやったよ」

帰ってきた答えはまさかのトーレさん。

「お前スカさんのアジトに来てたのか!?」

「ああ、デバイスが完成したってスカさんから連絡が来たから、取りに来た時に、ついでにトーレさんに模擬戦もしてもらった」

「私も暇していたからいい訓練になった…………」

「暇してるのはトーレお姉さまだけですけど…………」

「……………何か言ったか、クアットロ?」

睨むトーレにそれ以上は何も言えなくなってしまうクアットロ。
やっぱり姉は怖いようだ…………

「ついたよ」

ディエチに言われてみんなの表情が真面目になった。

「それでは早速行きますか」

クアットロの申し出に皆が頷いた………………








寒い……………

気が付けば白い部屋。
アタシは生みの親も覚えてないし、マイスターも分からない。

毎日実験動物みたいに実験される毎日。
自分が何の為に生きているのか、理解するのにそう時間は掛からなかった。

私の意思とは関係なく、酷く苦しい実験の毎日が過ぎていく…………
このままアタシは一生を終えるのだろうか?

死ぬ自由すら与えられず、苦しいまま、私はこの世界から消えていくのだろうな…………

だけど…………
絶対に無いと思うけど…………

「誰か………………助けて…………」

アタシは意識の薄れる中、呟いた…………… 
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