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麗しのヴァンパイア

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第二百四十四話

              第二百四十四話  そのままで
 美樹は家で弟にこう言われた。
「最近お姉ちゃんの髪の毛天使みたいだよ」
「天使って?」
「うん、天使の輪みたいな光がね」
 それがというのだ。
「髪の毛にあるから」
「そうなの」
「髪の毛が途中で分かれたりしていないし」
「枝毛もないのね」
「うん、本当に奇麗だよ」
「天使の輪ね」
 美樹は弟のその言葉に応えた。
「それが私の髪の毛にはあるの」
「今それが見えるよ」
「ちょっと確かめてくるわね」
 美樹は弟の言葉を確かめに洗面所に行った、そしてそこの鏡で自分の髪の毛を確かめてみると確かにだった。
 黒い髪の毛にある光沢、それがだ。
「輪になっていますね」
「頭を巻く様に」
「これはまさにです」
「天使の輪です」
 一緒にいるビルガーとファルケンも言ってきた。
「信也様が言われる様に」
「そうなっていますね」
「そうね、何かね」
 美樹はその光沢、天使の輪を見ながら言った。
「本当に天使の輪ね」
「そうですね」
「文字通りに」
「凄く奇麗ね」
 美樹はこうも言った。
「これは」
「はい、それでは」
「こちらは」
「このままね」
 まだ光沢を見ている、それで言うのだ。
「洗って整えていけばいいわね」
「左様ですね」
「今の洗い方と整え方でいいですね」
「洗い方や整い方は荒くせず丁寧に」
「そしてシャンプーやリンスの量は適度に」
「それでいくわね」
 こう二匹に答えた、そしてだった。
 そのうえでだ、弟のところに戻って彼に言った。
「確かにあったわ、天使の輪」
「そうだよね」
「凄く奇麗ね」
 弟ににこりと笑ってこの言葉を出した、そしてだった。
 美樹はその髪の毛を触りつつ弟と一緒におやつを食べた、髪の毛の話はもうしなかったが楽しく談笑することが出来た。


第二百四十四話   完


               2020・3・11 
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