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ドリトル先生の競馬

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第四幕その八

「評判が悪いね」
「鰻のセリーもフィッシュアンドチップスも」
 ガブガブも言います。
「よくないっていうわね」
「朝食はいいっていうけれど」
「それ以外はね」
 チープサイドの家族もお話します。
「どうもね」
「散々な評判だよ」
「世界一お料理で叩かれる国?」
 ジップは首を傾げさせつつ言いました。
「若しかしなくても」
「そんな中でもね」
 老馬も苦しい口調です。
「ティーセットは評判がいいし」
「先生もいつも飲んで」
 チーチーもその紅茶を飲んでいます、他の皆もです。
「故郷の味を楽しんでいるんだ」
「何というか」
 最後に言ったのはポリネシアでした。
「そう言われると先生もいつも楽しんでいるね」
「そうだよ、こうして毎日ね」
 それこそというのです。
「故郷の味を楽しんでいるよ」
「そういうことだね」
「言われてみればそうだね」
「こうして毎日紅茶を飲んでいるから」
「それで故郷を忘れていないんだ」
「そうだよ、とはいっても我が国のお料理は」
 イギリス料理のこともです、先生は言いました。
「実際お世辞にもよくないしね」
「紅茶も日本で飲んだ方が美味しいとかね」
「先生も言うしね」
「イギリスはどうしてもね」
「お料理はよくないね」
「例えばだよ」
 先生はスコーンを食べつつお話しました。
「ローストビーフもね」
「それもだね」
「イギリスの代表的なお料理にしても」
「そっちもだね」
「日本で作って食べた方が美味しい」
「そうなんだよね」
「僕が思うにね、とにかくね」
 また言う先生でした。
「イギリス料理はお世辞にもだよ、けれど」
「故郷の味自体はだね」
「先生も楽しんでるね」
「ちゃんと」
「そうしているんだね」
「そうしているよ」 
 こう言うのでした。
「今みたいにね」
「そうなんだね」
「毎日のティ―セットで」
「十時と三時の」
「その時に」
「そうしているよ、まあ日本やアメリカや中国のね」
 先生はここでは少し苦笑いで言いました。
「そちらのティーセットも楽しんでいるけれどね」
「そうだよね」
「先生はね」
「そちらも時々飲んでるね」
「実際に」
「うん、こちらもね」
 他の国の趣のティーセットもというのです。
「僕は好きだよ」
「来日してから知ったけれど」
「アメリカのレモンティーも日本茶も中国茶も」
「それにロシア風の紅茶も」
「コーヒーも飲む様になったしね」
 イギリスにいた時は完全な紅茶派だった先生がです。
「このことも変わったね」
「全くだね」
「そこも大きな変化よ」
「インスタントコーヒーでも飲んでるし」
「豆のコーヒーも」
「インスタントコーヒーもいいね」
 こちらもとです、先生は頷いて応えました。 
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