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猫の贈りもの

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第二章

「だからね」
「そのままだと保健所行きにもなりかねかいから」
「だからね」
「うちで引き取るの」
「このマンションペットいいし」
 このこともあってというのだ。
「そうしましょう」
「そうね、まさかそうなるとは思わなかったけれど」
「折角助けたし」
「それも縁だしね」
「じゃあ猫ちゃんが退院したら」
「うちに連れて来るわね」
「わかったわ」
 千代は姉の言葉に頷いた、こうしてだった。
 猫は暫く入院していて傷が癒えてから部屋に来た、千代は姉が言った通りの外見の猫を見て言った。
「目が大きくて可愛いわね」
「そうでしょ」
「傷も奇麗に治ってるみたいだし」
 姉が言うには酷かったそれも見当たらない。
「だったらね」
「ええ、これでね」
「これからはよね」
「家族よ」
「そうよね」
「もうご飯も爪とぎの板もおトイレも買ってるから」
 一式既に揃えているのだ。
「だからね」
「今からこの子私達の家族ね」
「そうなったわ」
 笑顔で言う、そしてだった。
 姉妹は猫と楽しい生活をはじめた、二人共猫を飼うことははじめてだったが嫌いではなかったので受け入れることに抵抗はなかった、猫は色からみかんと名付けた。みかんは賢くトイレも爪とぎもしっかりしていたが。
 それでもだ、二人には一つ困ったことがあった。それはというと。
「またなのよ」
「そうなの」
「そう、お家に蜘蛛いてね」
 それでとだ、千代は夕食の時に姉に話した。今日の夕食は焼きそばだった。ソース焼きそばでシーフードを入れている。揚げ玉も忘れていない。
「それを玄関にね」
「置いてたのね」
「そうなのよ」
「昨日は蛾だったわ」
 百は焼きそばでご飯を食べつつ言った。
「私が先に帰ったけれど」
「ちょこんと置いてあったのよね」
「玄関の先にね」
「あれよね」
 千代も焼きそばを食べつつ言う。 
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