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夢幻水滸伝

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第百三十四話 琉球沖の戦いその三

「しかしだ」
「それでもですね」
「星の方々の能力は采配の面でも隔絶しています」
「レベルが違います」
「わしの采配のレベルとだ」
 年齢を重ね多くの経験と書を読み学んできた、その為この将軍にしても水準以上の采配が出来る。だがそれでもというのだ。
「あの方々では天と地程離れている」
「そこまで違いますね」
「あの方々とは」
「だからですね」
「この軍勢にもですね」
「あの方々が必要です」
「ですがそれでも」
 士官達も苦い顔で話した。
「今はあの方々は来られないです」
「無念ですが」
「一騎打ちに入られてしまいました」
「ですから」
「こうなっては仕方がない」
 将は士官達に苦い顔で話した。
「我等だけでだ」
「戦いますね」
「そしてそのうえで、ですね」
「日本軍に勝つ」
「そうしますね」
「そうだ、日本軍に向かうぞ」
 今上陸しようとしている彼等に対してというのだ。
「いいな」
「わかりました」
「それではです」
「軍勢を向けましょう」
「そちらに」
 士官達も将軍の言葉に頷いた、そうして彼等は最先任の将軍の采配に従ってそのうえで戦いはじめた。
 軍勢同士の戦いがはじまろうとしていた、その中で。
 星の者達は一騎打ちに入っていた、張は坂口の蜻蛉切での一撃を懸命に防いでから驚嘆の顔で言った。
「話は聞いていても」
「実際はどうだがや」
「いや、これは」
 その一撃を繰り出した坂口に話した。
「予想を遥かに上回る」
「強い一撃だぎゃな」
「そうです、しかし」
「それでもだぎゃな」
「わっちも星のモンですさかい」
 それでというのだ。
「これで勝てないと思うか」
「その選択肢はないだぎゃな」
「はい、勝ちますさかい」
 己の神具である打神鞭を構えて坂口に言葉を返した、番天印を使う用意もしている。
「絶対に」
「そうだぎゃな、そうでなくてはだがや」
「面白くないですか」
「そして星のモンではないだがや」
「そうですね、ほな」
「行くだがや」
 坂口は天狗の団扇を出しそれで突風を起こし張にその風の一撃を浴びせんとした、張はそれは上に飛んでかわした。だがそこで。
 坂口は宙にいる張に神矢の術を放った、複数の精神エネルギーの矢が張を襲う。だがその術もだった。
 張は打神鞭で全て打ち消して着地した、そうして坂口に言った。
「並の者なら」
「今のでだぎゃな」
「負けてました」
「本気で倒すつもりだがや」
 こちらもとだ、坂口は張に答えた。 
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