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星河の覇皇

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第七十四部第四章 今はさらばその十九

「ここはそうする、では」
「はい、ではですね」
「聖職者達もですね」
「改革していく」
「その為の女性の参加ですね」
「イスラエルにおいて聖職者の力は強い」
 実にというのだ。
「まさに社会全体の指導者だ」
「その通りです」
「我が国は政治と宗教が一体化しています」
「法律も他のこともです」
「まずユダヤ教があります」
「国教ですし」
「ユダヤ人はユダヤ教徒です」
 このことがあるからだというのだ。
「どうしてもです」
「聖職者の存在は大きいです」
「他の国に比べて遥かに」
「今の聖職者達は硬直化してだ」
 そしてというのだ。
「学問や法解釈、生活への指導についてだ」
「その硬直化が出ていて」
「進歩がなくなっているというのですね」
「そして社会全体も弾みがなくなっている」
「そうだというのですね」
「私はその原因を聖職者の硬直化にあると見ている」 
 その彼等のというのだ。
「社会指導者である彼等のな」
「このイスラエルのですね」
「それが問題なので」
「改革をしていく」
「女性の進出ですか」
「そうだ、それだけでかなり違う」
 女性の聖職者が増えればというのだ。
「他の宗教の聖職者の世界と同じくな」
「旧態依然ではなくですね」
「そこを改革し」
「女性の長老までも誕生させる」
「そこまで考えておられますか」
「確かに聖書では女性の地位は低い」
 その旧約聖書ではというのだ。
「我々の聖書ではな」
「土師も全て男ですし」
「他の指導者や偉人達もですね」
「男が圧倒的に多く」
「楽園追放もあります」
 そのイブによって起こってしまった人類が原罪を抱えることになってしまったというこれもだ、尚イスラムではこの原罪は清められている。
「しかしですね」
「それはあくまで古代のことで」
「この時代ではどうか」
「現代では」
「あの時代は貧しかった」
 旧約聖書の時代はというのだ。
「非常にな」
「その通りですね」
「当時のヘブライは貧しかったです」
「荒涼たる大地にいました」
「厳しい自然の中で」 
 しかも周りには多くの敵対する民族もいた、貧しいだけでなく厳しい外交情勢の下にもいたのだ。
「そうした状況でした」
「それではですね」
「聖書も厳しくなる」
「そうした時代でしたね」
「そうだ、しかし今はな」
 この時代はというと。
「無限の富があるな」
「はい、確かに」
「その通りですね」
「銀河には」
「我がイスラエルも」
「連合の中は確かにいがみ合いが絶えない」 
 時としてホッブスのリバイアサンの言葉である万民の万民に対する闘争とまで言われるまでにだ。 
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