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戦姫絶唱シンフォギア~響き交わる伴装者~

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第16節「あたしの帰る場所」

 
前書き
締め切りギリギリまで書いてようやく完成させました!遅れてすみません!

しかし、今回はタイトルを見ての通り。
そう、シンフォギアG屈指の神シーンと名高い第4話後半……『教室モノクローム』のシーンです!
これならギリギリでも仕方ない。30分の遅れは大目に見てください。

というわけで皆さん、音源の準備はいいですか?
YouTubeの公式チャンネルから、『高垣彩陽が選ぶベスト・オブ・シンフォギア』を再生するのも手ですね。

あとクリスにばかり目が行きがちですが、三人娘が歌う『現着ッ!電光刑事バン』もお忘れなく!

それではお楽しみください! 

 
劇場内に流れるBGM、スポットライトに照らされたステージへと登壇した三人は、何ともまあ派手なコスプレに身を包んでいた。

「さて、次なるは一年生トリオの挑戦者達! 優勝すれば、生徒会権限の範疇で一つだけ望みを叶えられるのですが、彼女達は果たして何を望むのか!」

司会役の3年生に紹介され、真ん中に立つツインテールの少女は宣言した。

「もちろん、アニソン同好会の設立ですッ! あたしの野望も伝説も、全てはそこから始まりますッ!」

口元以外を覆う赤と白のヒロイックなヘルメットに、膝まで届くクールなコート。
脚には真っ赤なブーツを履き、白いスカーフには輝くBのバッジが光る。
白いベルトには、レーザー銃と手錠のホルダーが揺れ、その姿はまるで刑事……いや、スペース刑事(デカ)といった所だろうか。

そんな40年ほど前のテレビアニメ、『電光刑事バン』の主人公、「バン」のコスプレに身を包んでいるのは、アニメ大好き板場弓美。

度々申請を出していたものの、活動目的が明確ではないとして設立を蹴られ続けてきたアニソン同好会の設立の為、親友二人を巻き込みここに立っている。

「ナイスですわ。これっぽっちもブレていませんもの」
「あああもう、なんかもうどうにでもなれ……!」

観客達に手を振る弓美の一歩後ろで、少し際どいコスプレでありながらも臆面なく着こなし、微笑んでいるのが詩織。

そして、自分でもどうかと思うコスプレ姿と、そもそもコスプレする事への羞恥心からやけくそ気味になっているのが創世だ。

ちなみに詩織の衣装は放送当時、中学生男子の性癖を拗らせた謎の美女「ノワール」。
宇宙犯罪ギルドに属しながらも、たびたびバンを手助けする謎めいた役回りで、肩出し・スカート短め・ヒール付きのブーツに、長い金髪から生えた黒い猫耳、それから尻尾という属性欲張りセットな彼女の衣装は、詩織の貞淑な雰囲気を見事に一転させている。

一方、創世の衣装はと言うと……カマキリである。
細かく言えば、黒いジャケットを着て赤ズボンを履き、両手に手鎌を持ったカマキリ。要は怪人枠である。

その名も「置き引きカマキリ」。絶えず置き引きを繰り返すことを目的に生み出されているものの、置き引きすらままならない両手の鎌に苦悩し、「怪人とは何か?」と悪役のアイデンティティーを問う傑作エピソードとして一部のマニアに知られる第8話に登場する改造犯罪者である。
ちなみに言うまでもなく、弓美の大好きな怪人だ。

「まだ、これからみたいだな」
「うん!」
「ギリギリだったね」
「さて、お手並み拝見だぜ」

ちょうど始まる直前で、紅介達が確保していた観客席に翔と響が座る。

未来達も既に揃っており、ギリギリ誰も遅れることなく大会は始まった。

「それでは熱唱してもらいましょう! テレビアニメ、『電光刑事バン』の主題歌で、『現着ッ!電光刑事バン』ッ!」

イントロが始まり、弓美、詩織がマイクを片手にポーズを決める。
なお、キメッキメの決めポーズとノリノリなセクシーポーズの二人に対して、頑張って鎌を構えている創世の表情だけちょっと差がある事は気にしちゃいけない。

「太陽輝くその下でッ! 涙を流す人々の、悲しみ背負って悪党退治ッ! 吠えろ現着、電光刑事ッ! 」

ちなみに『電光刑事バン』とは。
40年ほど前……弓美の両親達よりも、少し上の世代に向けて放映していた”テレビまんが“と呼ばれる古いアニメ。いわゆる昭和アニメである。

時代劇の延長線上にあった従来の子供番組とは一線を画し、 当時としては珍しい、中学生以上のアニメファンに向け、 一種オトナの娯楽作品を目指した内容であったのだが……。

派手な銃撃戦よりも、特捜課の刑事たちや犯人となる改造犯罪者の心の機微、警察組織内における個人の軋轢などに焦点を絞ったドラマ性に、スポンサーである玩具メーカーは難色を示し、資金集めに難航。
前年までコマやコケシと言った民芸品を製造していた、地方の新興玩具メーカーがスポンサーにつくことで一応の企画進行となるものの、放映までの準備時間があまりにも少なく、 制作現場は非常にタイトなスケジューリングを余儀なくされたという。

子供番組に一石を投じるはずの『電光刑事バン』であったが、 視聴率的には初回より大きな苦戦を強いられることとなり、指針を明るい冒険活劇へと転換した14話以降からは視聴率的には上昇傾向を示すものの、不幸なことに番組スポンサーの倒産や、出演声優の逮捕といったスキャンダルが重なってしまった。

結果として2クール満了を待たず、全22話+総集編にて番組は終了。打ち切りエンドとなった。

だが……その後、「知る人ぞ知る」という製作サイドにとっては不名誉な冠と共に、サブカル誌でオシャレな笑いの対象として語られるという辛酸を数十年味わうことになったこの作品。
近年、動画投稿サイトにアップされたMAD動画から端を発し、「知る人ぞ知る」のままではあるが、13話までの路線は近年、再評価の気運が高まっているとか。

実際、子供の頃に『電光刑事バン』に傾倒し、こじらせた結果、警察官や刑事……ではなくプロの漫画家や商業作家になった者も多いのだとか。

そんな彼らは一様に、どんな苦境にあってもくじけないバンの姿に胸を躍らせ、「アニメを真に受けて何が悪い」と信頼のおける発言を続けている。

当初は笑いの対象として見ていた弓美も、今ではすっかり中毒、もといハマってしまい今に至る。

ちなみに、勧められて視聴した流星からの評価は「某キチ〇イアニメと似たような臭いがする……」とイマイチだったとか。

閑話休題。

「威嚇に留まらないッ!」
「チャカブラスターッ!」
「ホンボシ逃がさないッ!」
「シェリフワッパーッ!」
「アリバイ崩す デカの直感 所轄は地球~!」

詩織、創世の必殺技名シャウトもあり、いよいよサビに突入!

──と思われた瞬間、カーンとベルがなった。

回数は一回、しかもまだワンコーラス歌いきっていない状態での判定。

そう、即ち不合格である。

「ええーッ!? まだフルコーラス歌ってない……二番の歌詞が泣けるのにーッ! なんでーッ!」

ガックリと肩を落とし、じたばたと腕を振り、そしてステージの真ん中で項垂れながらへたり込む弓美。

そのあまりにもアニメなその様子に、会場は笑いの渦に包まれた。

「悪くはなかったと思うんだけど……」

三人の歌う姿を撮影していた飛鳥が、ステージを降りていく所までを撮影し終え、ビデオカメラを下ろしながら苦笑する。

「おそらく、3人の歌が一つになっていなかったのが理由だろうか……。安藤は羞恥心に負けず、もう少し声を張るべきだったな」
「あははっ! あははははっ!」

冷静に分析する翔の隣で、大笑いする響。

(やっぱり、響には笑ってて欲しい。だって、それが一番響らしいもの)

そんな響を見つめながら、未来は心の中で呟き、微笑むのだった。

ff

「楽しいデスなあッ! 何を食べてもおいしいデスよッ!」
「じー……」
「な、なんデスか? 調……」

マリア達へのお土産分も片手に、切歌はホクホク笑顔でたこ焼きを口の中へと運ぶ。

そんな切歌を、調は再び咎めるようなジト目で見つめていた。

たこ焼きを食べ終わると、二人は人の少ない角の木の下へと移動し、周りに人が居ないことを確認してから話し始めた。

「わたしたちの任務は、学祭を全力で満喫することじゃないよ、切ちゃん」
「わ、わかっているデスッ! これもまた捜査の一環なのデスッ!」
「捜査?」
「人間誰しも、美味いものに引き寄せられるものデス。学校内の美味いもんマップを完成させる事が、捜査対象の絞り込みには有効なのデスッ!」

満面の笑みで美味いもんマップを取り出して見せる切歌。

なお、現実的に考えたとして、この方法で絞り込んだ所で見つかるのは、おそらく食いしん坊の響くらいだろう。

そして、響は厳密に言えばシンフォギア装者ではなく融合症例。
ペンダントは所持していない。

切歌がまだ食べ歩くつもりだと察し、調は頬を膨らませながら切歌へと迫った。

「……むーっ……わたしたちの使命は?」
「……心配しないでも大丈夫デス。この身に課せられた使命は、一秒だって忘れていないデス。何としても、敵のギアのペンダントを手に入れるデスッ!」

二人は、昨日の作戦会議を思い出す。



「アジトを抑えられ、ネフィリムを成長させるに必要な餌、聖遺物の欠片もまた、二課の手に落ちてしまったのは事実ですが……本国の研究機関より持ち出したその数も残り僅か……。遠からず、補給しなければなりませんでした」

キザったらしく前髪をかき上げながら、ウェル博士はそう告げた。

壁際にもたれたツェルトがイラッとしていたが、博士の気にするところではない。

「分かっているのなら、対策もまた考えているということ?」

腕組みしたままそう問いかけるマリアに、ウェル博士は調や切歌のペンダントを見ながら答えた。

「対策などと大袈裟なことは考えていませんよ。今どき聖遺物の欠片なんて、その辺にゴロゴロ転がっていますからねぇ……」
「まさか……このペンダントを食べさせるのッ!?」

瞠目する調に、ウェル博士は両手を振って笑った。

「とんでもない。こちらの貴重な戦力であるギアを、みすみす失わせる訳にはいかないでしょう?」

その言葉で、マリアとツェルトは察した。

こちらのギアを失うわけにはいかない。
ならば簡単だ。敵である二課の装者達が持つギアを喰わせてしまえばいいのだから。

「だったら私が、奴らの持っているシンフォギアを──」
「それは駄目デスッ!」
「ッ!?」

出撃に名乗り出ようとしたマリアを止めたのは、切歌の声であった。

「絶対にダメ……。マリアが力を使う度、フィーネの魂がより強く目覚めてしまう。それは、マリアの魂を塗り潰してしまうという事。そんなのは、絶対にダメッ!」

調も立ち上がり、マリアの出撃に反対する。

そんな二人を見て、ツェルトも手を挙げた。

「俺も反対だ。二課にやられてバグが生じてるとは言え、アウフヴァッヘン波形に触れた分だけフィーネの意識は強くなる。それは俺だって嫌だからな……」
「三人とも……」
「だとしたら……どうします?」

反論した三人を、ウェル博士が見回す。

切歌は立ち上がると、力強く宣言した。

「アタシ達がやるデスッ! マリアを守るのが、アタシ達の戦いデスッ!」
「ツェルトはマリアに付いていて。わたし達がいない間、マムとマリアを守れるのはツェルトだけだから」



「──とは言ったものの、どうしたものかデス……」

ようやく本気で二課の装者達を探す気になったはいいが、この広い学園をどう探すか……皆目検討はつかない。

手詰まりかと思われたその時……二人に幸運が訪れた。

「あっ……切ちゃん、カモネギ……!」
「おっ? あっ!?」

調の指さした方向を振り向くと、目の前の渡り廊下を歩いて行く女子生徒が目に付いた。

二課の装者の一人、風鳴翼だ。

目標発見、とばかりに近づいて行こうとする調を、切歌は慌てて木の幹の陰に引っ張り込む。

「作戦も心の準備も出来てないのに、カモもネギもないデスよッ!」

切歌は一度深呼吸すると、調の手を引きながら、柱の陰へと移動する。

覗いた先では、翼が隣の校舎へと続く階段を上がっていく所だった。

柱の陰から覗き込んだその時、翼がこちらを振り返る。

慌てて顔を隠すと、翼はこてんと首を傾げ、顎に手を当てる。
どうやら、二人の気配を察知しているらしい。

流石は二課で一番の手練。マリアが密かに震え上がる程だ。SAKIMORIの名は伊達ではない。

「……よく考えたら、こっそりギアのペンダントだけ奪うなんて、どだい無理な話デスッ!」
「だったらいっそ、力づくで──」
「それはダメデスよッ! 目立つし何より、マリアとやり合うような相手デスよ!?」
「むーっ……」

切歌と調が物陰でわちゃわちゃしている間に、翼は再び階段を上がり、廊下を進んでいく。

「妙な気配を感じたが……」

廊下を少し進んだ先で振り返った、その時。

「はぁ、はぁ……うわッ!」

すぐ隣の部屋から飛び出してきた生徒が、翼にぶつかった。

「痛ってぇ~……」

翼にぶつかり、尻もちをついたのはなんと、クリスだった。

「またしても雪音か……何をそんなに慌てて」
「追われてるんだッ!さっきから連中の包囲網が少しずつ狭められて──」
「雪音も気付いていたか? 先刻より、こちらを監視しているような支線を、私も感じていたところだ」

「気付かれていたデスか……!」

階段のすぐ下の柱に隠れている二人の頬を、冷や汗が伝う。

「やばいッ! やつらが来たッ!」
「む……ッ!」

焦る二人。そこへ……三人の女子生徒と、一人の男子生徒が走って来た。

「見つけたッ! 雪音さんッ!」
「クリスちゃんッ! やっと追いついた……」

クリスは後ずさり、翼は目をぱちくりとさせる。

走って来た女子生徒達は、クリスを囲むと手を合わせた。

「お願いッ! 登壇まで時間が無いのッ!」
「一体どうしたんだ?」

事情が分からず困惑する翼に、眼鏡の角度を直しながら、純が口を開いた。

「実は、勝ち抜きステージを予定していた子が急に出られなくなっちゃったらしくて……。クリスちゃんに代わりを頼みたいって言ったのに、クリスちゃん、照れ臭くて逃げ出しちゃったんです」
「なるほど……穏やかじゃない事を口にしていたが、そういう事だったか……」

純からの説明に、翼はポンと手を叩く。

「だからって、なんであたしがッ! あたしは歌なんて──」
「だって雪音さん、すごく楽しそうに唄ってたからッ!」
「う…………」

事実を言われてしまうと、クリスも否定しようがない。
しかし、まだクリスはその気になれないらしい。

「イキナリ唄えなんて言われて、唄えるものかよ……」

すると、翼がそっぽを向くクリスの隣に立ち、問いかけた。

「雪音は歌が嫌いなのか?」
「──あ、あたしは……」

……その答えに、その場にいた全員が微笑んだ。

ff

拍手と口笛の音が響くリディアンの劇場内。

会場の興奮は、いよいよ頂点に達しようとしていた。

「さて、次なる挑戦者の登場ですッ!」

盛り上がる会場。クリスは緊張しながら、両手でマイクを握り締める。

するとクリスのクラスメイトらは、クリスの背中をポンッと押すと、舞台へと押し出した。

「はっ? えっ、はっ!? へっ!?」

不意を突かれ、テンパりながらも、クリスは舞台の真ん中へと立つ。

「──響、あれってッ!?」
「うっそぉ~!?」

予想外の人物の登場に、響と未来が驚く。

「雪音だ。私立リディアン音楽院、二回生の雪音クリスだ」
「姉さん、純!? どこ行ってたんだ?」

翼と純が、翔の隣に座る。
翔からの質問に、純は笑って答えた。

「クリスちゃんが逃げ回ってて、ね……」
「何があったんだよ?」

純がその質問に答えるより先に、曲のイントロが流れ始める。

「「「雪音さん、頑張ってッ!」」」
「ん……」

綾野、五代、鏑木(かぶらぎ)らクラスメイトに応援され、クリスは観念したように歌い始めた。

「誰かに手を差し伸べて貰って 傷みとは違った痛みを知る──」



歌い始めると共に、編入してからの思い出が、クリスの中を駆け巡った。

初めて教室に立った日。緊張しながらの自己紹介と、好奇の視線を向けられた時の事。

声をかけてきてくれるクラスメイトから逃げるように、昼食の誘いを断り続けていた昼休み。

教室に馴染めない……いや、馴染もうとしない自分を気にかけて、昼休みになる度に話を聞いてくれた純。

『無理に馴染もうとしなくてもいい。けど、クリスちゃんが思ってるほど、あの子達は怖くないと思うな。僕は』
『ジュンくん……』

純からの言葉もあり、少しずつ心を開いて行った。

「感じた事無い 居心地のよさに まだ戸惑ってるよ──」

声楽の時間、楽しげに歌っている顔を見られるのが恥ずかしいと顔を隠し、皆に笑われるくらいには……。

「ねぇ こんな空が高いと 笑顔がね……隠せない──」

気付けばクリスの顔には、笑顔の花が咲き誇っていた。

誰よりも楽しく唄う彼女の姿は、どんな宝石にも勝る輝きを放ち、人々を魅せていく。

「はわわ……」
「あ……」

その歌声は、客席に紛れた切歌と調をも震わせていた事を、クリスは知らない。

「笑ってもいいのかな 許してもらえるのかな──」

想い出に続いて浮かぶのは、クリスに居場所をくれた人々の笑った顔だ。

翼、響、未来。

クラスメイトの3人や、弦十郎を始めとした二課の大人達。

そして誰より……大好きな王子様、純の姿。

皆が自分に手を伸ばし、名前を呼んでくれる。

それがなんともくすぐったくて……眩しくって……そして──

「こんな こんな 暖かいんだ……あたしの帰る場所──」

(楽しいな……)

「あたしの帰る場所──」

(あたし、こんなに楽しく歌を唄えるんだ……)

歌い終わり、お辞儀する。

会場は万雷の喝采と、身体を激しく打つ拍手で包まれた。

(そっか……ここはきっと──あたしが……いてもいいところなんだ──……)







「勝ち抜きステージ、新チャンピオン誕生ッ!」

証明を落とし、真っ暗になった会場。

スポットライトに照らされたクリスを讃えながら、司会は会場を見回す。

「さあ、次なる挑戦者はッ!? 飛び入りも大歓迎ですよーッ!」

チャンピオンが決定し、ここからは生徒ではない観客の中、或いはエントリーしていない生徒の飛び入り参加が可能となる時間。

流石にクリスの後に歌うのはプレッシャーが大きい。

誰も手を挙げないかと思われた、その時……。

「やるデスッ!」

観客席から手を挙げた、一人の少女にスポットライトが当たる。

ざわめく観客達。

挙手した少女と、その隣に座っていた少女が眼鏡を外す。

「ッ!? あいつらッ!?」

驚くクリスに少女達……調と切歌は、挑発的な視線を送りながら宣言した。

「チャンピオンに……」
「挑戦デェスッ!」 
 

 
後書き
如何でしたか?
電光刑事バン、ちょっと見てみたいかもしれませんw

実は今回、編集用のノートPCを弟に奪われ、タブレットで第4話を再生しながら書いてました。
やっぱりPCの方が作業の効率いいなって気付かされましたわ……。

それはそれとして、今回の学祭編。
一番やりたいことをまだ出来ていません。

それが出来るのは次回ですね……。
果たして何を企んでいるのか。それはその時までお楽しみに。 
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