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DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)

作者:あちゃ
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スー

<スーへと続く大河>

今アルル一行は、『スー』と言う村へと続く大河を、上流へと船で進んでいる。
エジンベアで見つけた壺の価値が分からず途方に暮れていたのだが、マリーが『エジンベアの王様に聞いてみましょう!』と常識的な提案をしたので、王様への謁見を敢行した。
しかも、よく考えたら他国の城へ来ておいて、王様への謁見を行わず、勝手に家捜ししていた事に後から気付いたのだ。
本来なら失礼の極みなのだが、エジンベア王は気さくな性格な為、怒られる事もなく直ぐに目通りが叶った。
どうやら門兵が皆を追い返す為、王様は暇を持て余しているようだ。

エジンベア王に『最後の鍵』の事を話し、城内の地下に壺が隠されていた事を告げると、「うむ…ワシは先代から『乾きの壺があれば最後の鍵を手に入れられる』としか、聞いてはおらぬ…その『乾きの壺』は元々『スー』と言う村の部族の宝でな…先代が勝手に持ってきてしまったので、ワシにはよく分からんのだよ!『スー』は此処より西の山奥じゃ。行ってみると良い」
と言う事で、早速船に乗り込み、西の『スー』へと向かうのであった。

モニカ達は以前、スーに行った事があり複雑に入り組んだ大河でも、迷うことなく目的地へと進む事が出来た。
それでもモンスターは襲ってくる!
またもや3匹の『テンタクルス』に襲われたアルル達。
ティミーなどは思わず身体が動いてしまったのだが、それを手で制しアルルが『ライデイン』を唱える。
稲妻が1匹のテンタクルスへ直撃をし絶命すると、ウルフが『ベギラマ』を唱え、残り2匹に大ダメージを与える。
最後にマリーが『イオ』を唱え(『イオ』と言う発声が無ければ『イオラ』と思う様な威力)敵を葬り去った。

アルルを始めウルフ・マリーは確実に成長している。
そんな自分たちの成長を『どうだ!』と言わんばかりに、リュカの前へ姿をさらす………が、当のリュカは妻とイチャついており、戦闘を見てはいなかった様だ。
「「「な!?」」」
あまりの悔しさに言葉が出ない3人…
そして何時か認めさせてやると心に誓い、更なる成長へと修練を重ねて行く…
リュカの行動がワザとである事に気付かず…


<スー>

一言で言えば『田舎』…
今まで見たどの田舎より田舎…
それがスー族の村『スー』である。

そんな田舎に辿り着くや、アルル達は村人に奇異の目で囲まれた。
「旅人、旅人!」
「珍しい、此処、旅人来る………お前等、何用?」
皆、外からやってきた客に興味津々の様だ。
「あ、あの!『最後の鍵』についてご存じの方は居ますか!?もしくは、この『乾きの壺』の事でも良いです!」
アルルが壺を掲げ、寄ってくる村人達に質問をする。
すると一人の老人が前に出てきて…
「そんな事、知らん!そう言う事、酋長に聞け!それより、お前に聞きたい!この村の東、新しい町、あったか?」
「え?この村の東に………いえ、無かったと思いますけど…」
アルルが丁寧に答えると、老人は寂しそうな瞳で語り出した。
「昔、新しい町、造る、言って、この村、出て行った、男居る!やっぱり、無理…」
そして老人は去っていった…
アルル達も気にはなったのだが、先に用件を済ませる為、村の奥の酋長の家へと向かう。

其処では、年老いた酋長がアルル達を快く迎え入れてくれた。
アルルは今までの経緯を話し、壺の事を尋ねる。
「うむ、その壺、我が村の!昔、エジンベア、盗んだ!でも、ワシ等、怒らない!ワシ等、心広い!」
「では…最後の鍵の事については…」
「うむ、知ってる!村から西、海の真ん中、浅瀬ある!そこで使う!鍵、手に入る!」
大雑把ではあるが、最後の鍵の情報を手に入れたアルル達。
酋長宅より退室しようと見回すと………リュカが居ない事に気が付いた。
あのトラブルメーカーが野放しな事に気付き、慌てて探し回るアルル達!

案の定、村で女性をナンパしているリュカを発見する。
「父さん…何やってるんですか!!」
ティミーの大声に、リュカと楽しげに会話していた女性が驚き、逃げ出してしまった。
「あ!あ~ぁ…もうちょっとだったのにぃ………」
「何がもうちょっとですか!…最後の鍵の情報も手に入れた事ですし、行きますよ!ナンパなんかしている場合じゃありません!」
そう言うティミーとアルルにマントを引っ張られ、みんなの元へ合流するリュカ。
合流し、リュカの行動を皆(妻)に報告するアルル。
ビアンカのお小言が炸裂すると思っていたアルル…
だが…
「もう!私が居るでしょ!」
と、リュカの頭を自分の胸に抱き、イチャイチャし始める。
唖然とし息子であるティミーに目で問いかけるも…
目を閉じ黙って首を左右に振るだけ。
どうやら言うだけ無駄との事だ。

モニカ達が出発の準備をしてる中、夫婦の甘い声が船内へ響き渡る。
苛つく心を抑えつつ、モニカ達の手伝いをするアルルとティミー。
マリーなどは「ラブラブで羨ましいですぅ」と言い、ウルフへ擦り寄ってくる。
色々な恐怖から、無碍にも出来ないウルフは、マリーにされるがままの状態だ。
カンダタは、夫婦に当てられ高ぶったのか「俺達も…」とモニカに言い寄り「出発の邪魔だよ!」と股間を蹴られ蹲る。
それをハツキが不機嫌な目で見下し「馬鹿じゃないの………」と………

アルル達みんなの心の苛つきは、全てリュカの所為である事は言うまでもない。
事を終え、爽やかに皆の前に姿を現したリュカに、更なる苛つきを感じたアルル達…
次の目的地を告げるのも忘れ、船は動き出した…
船長のモニカも、目的地を聞き忘れている。

短時間だが、アルル達に迷走航海が続く…
リュカの一言まで迷い続けるのだから…



 
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