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ドリトル先生の競馬

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第二幕その十

「日本、ひいてはこの学園でもだよ」
「人に危害を加えないなら」
「それでいいわね」
「じゃあそういうことで」
「口裂け女も問題なしね」
「そう、ただこの学園の口裂け女は驚かせるだけだけれど」
 先生は今度は口裂け女のお話もしました。
「あたし奇麗?って聞いてきてね」
「いいえって言ったらそこのままで」
「はいって言ったらマスク取るんだよね」
「それで耳まで裂けたお顔見せてね」
「これでも美人かって言って」
「それで驚かせてくるのよね」
「それだけだけれど」
 この学園の口裂け女はというです。
「それで実際もそうだったらしいけれど」
「ああ、何かね」
「先生前にお話してくれたね」
「口裂け女のお話は色々尾鰭がついてね」
「滅茶苦茶なお話になっていったんだよね」
「それもどんどん」
「三人連れとかカップルになったり」
 その口裂け女のお話はというのです。
「人に襲い掛かったリしてね」
「鉈とか包丁持って」
「美人って言うと襲う様になったんだよね」
「それでいいえって答えてもそうなって」
「それで人も殺す様になって」
「車で移動するとかオートバイ並の速さで走って来るとか」
「あと大鎌で電話ボックス真っ二つにしたとか」
 そうしたお話を皆でするのでした。
「ポマードが嫌いとか」
「それでポマードって言ったら逃げるとか」
「べっこう飴が好きで」
「それ与えたら追いかけて来ないとかね」
「もうそこは色々だったよ」
 本当にというのです。
「都市伝説、今の怪談話の一つでね」
「それでだったんだね」
「もうお話に尾鰭が付いてね」
「それでだよね」
「訳のわからないことになって」
「凄くなったんだね」
「そうだよ、けれど実際は」
 本来の口裂け女はといいますと。
「ただ驚かせるだけだからね」
「というか滅茶苦茶だよね」
「大鎌で電話ボックス真っ二つにするとかね」
「人を殺したりとか」
「もう無茶苦茶じゃない」
「子供が怖がるわよ」
「実際に子供が皆怖がってね」
 事実そうなってというのです。
「日本全体がそうなっていたんだ」
「ああ、やっぱり」
「やっぱりそうなったんだ」
「それはそうなるよね」
「当然として」
「そうならない筈がないよ」
「こうしたことは世界中にあるけれど」
 怪談話に尾鰭がついてとんでもない騒動になってしまうことはというのです。
「それでもね」
「日本でもそうで」
「口裂け女のお話も然り」
「そういうことね」
「要するに」
「そうだよ、しかしこれはかなり極端だよ」
 口裂け女のお話はというのです。
「お話が大きくなった事例としては」
「尾鰭がついてね」
「それで日本全体で騒動になることは」
「それはだね」
「本当に」
「あとトイレの花子さんやテケテケとか」
 先生はこうした妖怪の名前も出しました。
「他にも色々あるけれどね」
「口裂け女は極端なんだね」
「お話が大きくなったということで」
「そうなのね」
「うん、そうした意味でも面白いよ」
 先生は正門口裂け女ではないかという人がいた方を見ながら皆にお話しました。 
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