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ロックマンZXO~破壊神のロックマン~

作者:setuna
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第十九話 やるべきこと

 
前書き
一応アドベント編もやる予定なのでアドベントに上手く繋げられるようにしたい 

 
ブリッジに集まったヴァン達。

取り敢えず情報を整理することにして、ヴァンはプロメテから聞いたことをプレリー、ジルウェ、エールの三人に教えた。

「………つまり、セルパン以外にも黒幕がいて、そいつがロックマン同士の戦いをゲームと称して戦いを起こしてるってことか」

ヴァンが得た情報を纏めたジルウェが呟くと、ヴァンも頷いて肯定する。

「ああ、どこにいるかも分からないけど…セルパンを倒してもそいつがいる限り戦いは終わらない…まずはセルパンを倒して、そいつを必ず見つけ出す!」

倒すべき存在はセルパンだけではなく、他にもいる。

どこにいるかも分からないが、諦めると言う選択肢は存在しない。

「うん…でも、あいつの言っていた言葉の意味…アタシ達があいつらの仲間って…どういう意味なんだろ…」

「多分、同じロックマンって意味じゃないのか?あいつらもロックマンらしいから…そう言えば前から気になってたんだけど、どうして俺達はロックマンになれたんだ?」

モデルOは特殊だが、ライブメタルには変わりない。

何故自分達はライブメタルでロックマンになれるのか、今になって気になってきた。

「詳しいことは私にも分からない…でも、あなた達を守るように命令したのは初代司令官なの。」

「ガーディアンの初代司令官……プレリーのお姉さんの…?」

エールの言葉にプレリーは頷くと、話を続けた。

「命令はイレギュラー襲撃の生存者を保護すること…最初は何でそんな命令を送ってきたのか分からなかったけど…モデルZで、ジルウェさんがロックマンに変身出来た時、やっと分かったの…ライブメタルで変身出来る者はイレギュラー襲撃の生存者だけ…そう、あなた達や…ジルウェさんのようにね。分かっていることは…本当にそれだけなの…普通の人と、ロックマンとを分ける条件は一体何なのか」

「そう言えば、エリアGで戦ったフィストレオが言ってたな…」

“元々イレギュラー共はただ好き勝手に暴れていたわけではない。奴らはモデルVの主に相応しい器を選んでいたのだ。ライブメタルの力を引き出せる選ばれし者…ロックマンの資格をもつ者をな。恐らくお主らも、イレギュラーの襲撃から生き長らえた者であろう?”

ヴァンの頭にエリアGで戦ったモデルFのフォルスロイド・フィストレオの言葉が蘇る。

「イレギュラーはライブメタルの力を引き出せる奴らを…モデルVの主に相応しい奴らを選んでいるらしい。だから俺達も…」

「もしかしたらセルパンのようにモデルVの適合者になってたかもしれないってことか…モデルVの主に相応しい奴か…一体俺達と他の奴らのどこが違うんだ?」

ヴァンの言葉にジルウェも眉間に皺を寄せながら自分達と他の人々との違いは何なのかを考え始める。

「……恐らく…全てを知ってるのはセルパン達だけでしょう。」

「…全ての答えは、この戦いの先に…ってことね…分かったわ。ミッションを再開しよう!アタシ達が何でロックマンになれるのか…そしてどうしてアタシ達がイレギュラーに選ばれたのか…その答えを知るために!」

決意を胸に、次のミッションへのやる気を滾らせるエール。

それを聞いたプレリーも同意するように頷いた。

「そうね、まずはセルパンを止めなくてはいけないもの…それから、エール…あなたに話しておきたいことがあるの」

「え?話しておきたいこと?」

「プロメテが言っていたプレリーがこの時代の者じゃないってことだよ」

エールがプレリーの言葉に疑問符を浮かべると、ヴァンがプレリーの話したいことを理解してエールに言うとプレリーも頷いた。

「ヴァンにも少し話したけど、今からずっとずっと昔…人間と機械が戦争していた時代があったのは知ってる?」

「う、うん。モデルX達から聞いているし…ヴァンを狙ってる奴らもその時の奴らなんでしょ?」

最初に聞いた時は驚いたものだ。

モデルX達から聞いた戦争の歴史は今の時代では昔話程度でしか残っていなかったからだ。

「私もその復活したイレギュラーと同じ…その時代に作られた機械生命体…限りなく人間に近いロボット…レプリロイドなの…」

「…プレリーも…数百年前のレプリロイド…!?」

身近にいた彼女の意外な正体にエールは驚愕した。

「でもお姉ちゃんは…初代司令官は人間よ…数百年前の戦争で、私達レプリロイドを守ってくれた人間の科学者なの。戦争が終わり…人間とレプリロイドが仲良くなって、世界は平和になったのに…人々を襲う機械生命体…イレギュラーはいなくならなかった…。お姉ちゃんはガーディアンを創って、イレギュラー発生の原因を突き止めようとしたの…でも…お姉ちゃん…いなくなっちゃって…それで…それで…!」

最後の方は涙声になっており、エールはそんなプレリーにハンカチを渡した。

「プレリーが後を継いだのね…そんなに長い間イレギュラーと戦ってきたんだ…アタシ達と…ううん、アタシ達よりもずっと長い間、大切な人のために…ねえ、プレリー…ヴァン…アタシ達で終わらせようよ。セルパンやこのふざけたゲームを始めた奴を倒してさ!!」

エールが心強い笑顔を浮かべて言うと、プレリーもまた笑みを浮かべて頷いた。

「ええ、ありがとうエール」

「そうだな、俺達の大切な人達を守るためにも…俺達は負けられない」

ヴァンもまた決意を固めて拳を握り締める。

「だけど、現実問題…これから先は大変になるな、ガーディアンベースのダメージも相当なもんだし…次に攻撃を受けたらおしまいだぞ…」

決意を固める三人だが、ジルウェは冷静にガーディアンベースが受けたダメージを考えて深刻な表情になる。

「あ、そうか…甲板もボロボロだし…俺が開けた穴もあるし…プレリー…悪い」

ガーディアンベースのダメージの要因の一人でもあるヴァンが謝罪する。

「良いの、あなたは私達を助けてくれた。この船も穴の一つや二つでどうにかなるほど脆い作りはしていないわ」

「でも流石に修理しないわけにはいかないよね。でも街に行くのも……」

この国のインナーでパーツを扱っている所はセルパン・カンパニーの息がかかっている可能性が高い。

だから船の修理をしようにも敵に自分達の現状がバレるのは避けたい。

「仕方ない、倒したメカニロイドのパーツやスクラップ置き場にあるジャンクパーツでどうにかするしかないな」

「「流石ジルウェ(先輩)、貧乏性なだけある」」

流石は運び屋の移動の要であるバイクの入荷をケチってジャンクパーツで騙し騙し使ってきたジルウェである。

「んんっ!た、確かガーディアンの保養施設の近くにスクラップ置き場がありましたね。そこで一旦休息を取りつつ使えそうなパーツを回収しましょう」

後輩二人からの冷たい視線から逃げるように咳払いしながらジルウェは提案し、プレリーは苦笑と共に頷いた。

「そうですね、ヴァンとエールにも休んでもらいたいですし…ライブメタル達のリペアもしなくてはいけませんしね」

パープリルの無理なロックオンのせいでモデルH達のリペアは終わっておらず、これからの厳しくなるであろうミッションには彼らの力も必要不可欠だ。

「取り敢えず、今はその保養施設に向かおう。まずはそれから!!」

「そうね、ガーディアンベースをガーディアンの保養施設へ。そこで船を修理します」

エールの言葉に全員が頷き、プレリーはスクラップ置き場の近くにあるガーディアンの保養施設へと向かうよう指示を飛ばすのであった。 
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