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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百六十八話 武力と暴力その六

「ない方がいいんだよ」
「そうした世界なんだ」
「当たり前だろ、ヤクザ屋さんとかの世界だぞ」
「マフィアとかのね」
「どうしてもそうした世界は存在してしまうさ」
 世の中はそんな一面もある、表の人達もいればどうしてもそうしたアウトローの世界も出て来て存在してしまうものだ。
「俺が今いるイタリアだってな」
「ナポリとかシチリアとかね」
「ナポリつまりイタリア半島南部はカモラでな」
「シチリアはマフィアだね」
「どっちも同じさ」
 名前は違っていてもというのだ。
「犯罪組織は犯罪組織でな」
「日本より遥かにだね」
「地域の社会や経済に食い込んでいてな」
「利権を貪っているんだ」
「清掃業とかパン粉の調達とかな」
「そういうのにだね」
「色々関わっていてな」 
 それでというのだ。
「何かとやばいことになってるんだよ」
「そうなんだね」
「勢力を弱めることさえ難しくなってる、けれどな」
「そうした社会はだね」
「本当に出来るだけな」
「ない方がいいね」
「ああ、真っ当な社会じゃ絶対にないからな」
 それだけにというのだ。
「ヤクザ屋さんの利権だってな」
「表の世界のものにだね」
「徐々にしてもしていってな」
「実際にそうしていってるね」
「何かとな、そしてな」
「社会自体もだね」
「健全になっていくんだよ、例えばな」
 親父はここでこんな話もしてくれた。
「終戦直後警察がもう弱りきっていてな」
「治安悪かったんだよね」
「それでヤクザ屋さんが自警団築いてたけれどな」
「これもだよね」
「ああ、自警団っていってもヤクザ屋さんだからな」
 そして自警団を創設してもそこからマフィアになったりする、法律でコントロールされていないとこうした組織も結局は犯罪組織化するということか。
「やっぱりな」
「公の権力の方がいいんだね」
「ああ、治安にしてもな」
「そういうものだね」
「本当に経たしたらヤクザ屋さんの利権になるからな」 
 それ故にというのだ。
「そっちの方がいいんだよ」
「そうだよね」
「ああ、それで他の利権もな」
「表の方にしていくべきだね」
「そうさ、裏の社会ってのはな」
 親父は僕に苦い顔で話した。
「出来る限りな」
「小さい方がいいんだね」
「どうしても存在するにしてもな」
「完全にはなくならないよね」
「ああ、若しヤクザ屋さんが一人もいないならな」
 そうした社会は社会でというのだ。
「かなりやばい社会だぜ」
「確かイタリアでマフィアを掃討出来たのは」
「ムッソリーニだけだっただろ」
「ファシスト党だね」
「まだファシスト党はましさ、けれどナチスもソ連もな」
「アウトローの社会はなかったよね」
「ものの見事にな」 
 この文字が合う通りにというのだ。
「なかったさ、全部独裁者の下にあったさ」
「国家の全てが」
「マフィアとかも権力だからな」
 裏社会とそこに君臨する様な人達もだ。 
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