| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

仮面ライダーの力を得て転生したったwwwww

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第10話





ーーーアナザーエグゼイドとの闘いから2週間。 アレからレジスタンス解放軍の街を脅かす事件はプツリと途絶え、人々は束の間の平穏の日々を過ごしていた。レジスタンスの面々は己が肉体を鍛え、休息を取りながら任務の準備を怠らない。


・・・・・そんな変わらない日常だけど、少しだけ変わった事がある。

1つは、ヒロキのレジスタンス解放軍への復帰。犠牲者でもあるナオヤから託されたモノの分まで、この世界を守りたいと彼自らの志願だった。
最初は俺に対しよそよそしかった彼も、例の1件もあってか以前より遥かに砕けた雰囲気となった気がする。もう、以前のように真っ向に敵意を向かれる事は無い。筈だ。


そしてもう一つ──これに関しては現在進行形で頭を悩ませている──が。

「すまないね。看病だけでなく、食事を設けてくれるとは。名前は確か・・・・・」
「えっと、琴音です」
「では、琴音君と。 改めて君に感謝するよ」
「い、いえいえ!私の勝手なお節介なので!」

皿に置かれた鯖の塩焼きを箸を上手く使って解し、白米に乗せて頬張る男。ゴクりとそれを飲み込み、琴音に対し丁寧な言葉遣いで語る青年。しかしそれでいて端々と胡散臭さを感じる口調。そして、この世界には居ないはずのウォズが、家主と談笑しているという事だ。


ーーー

彼・・・・・否、ウォズとの出会いはアナザーエグゼイドとの闘いを終えて、途中で合流した琴音と共に帰路へ歩いている最中に、道端に倒れていたウォズを琴音が発見した事である。 意識を失ってる彼に必死に呼びかける琴音。俺もそれに準じて呼びかけはしてみるも、彼の反応は無い。

やむ無く俺は琴音に彼女の自宅で療養させる事を提案し、痛む身体を忍んで彼を家に運び交代で看病し続けて、今朝やっと彼が目を覚ましたのだが・・・・・。

アラタは咳払いをし、強引に話題を切り込む。

「・・・・・ウォズさん。悪いけど、少し表で話したい事があるんだけど」
「構わないとも。・・・・・ご馳走様。実に良い食事だったよ」
「あ、はい!ありがとうございます!」

アラタは先んじて琴音宅を後にし、ウォズは琴音に感謝の言葉を伝えると、彼も後を追うように家を出ていく。唐突の客人ではあったが、面と向かって認めてくれるのは料理を作る者として悪くない。 琴音もそれは例外ではなく、鼻歌を歌いながらウォズの平らげた食器を片付け始める。




「ここまで来れば良いか」

アラタは比較的落ち着いた広場へと足を運んだところでその歩みを止め、その身を振り返る。後を追って来たウォズも、彼に相対するように距離を取って立つ。 両者の間を風が吹き抜け、緊張感が漂ってくる。 先に口を開いたのは、アラタ。

「アンタは、ジオウの世界のウォズって認識で良いのか?」
「そうだね。 私は我が魔王──・・・・・失礼、常磐ソウゴに忠実に使える家臣その者だよ」

分かってはいた物の、こうして本人の口から公言された事にホッと一息をつく。以前の1人の仮面ライダーシリーズの視聴者だった俺だったら卒倒していたかもしれない。・・・・・だが、それは過去の話だ。 今や己も紛い物のライダーとしてこの終末の世界に存在してる以上、誰を信じるべきかを見定めなければならない。そんな事を考えていると、今度は自分からとウォズが口を開く。

「では、次は私からだ。君はこの世界について、何か知っていることは無いかい?例えば、孔についてとか」
「・・・・・孔?」

やはりか、と呟くウォズ。そんな彼を見て、益々アラタは分からなくなる。 少なくともこの世界に孔という物は存在してないし、繰り返すような太陽と月、流れるような星々、時々雨や雪が降ったりはするがそれだけだ。

「私の・・・・・我が魔王の世界に、突如巨大な孔が覆ってね。そんな時、協力者が現れた。協力者の力を経てこの世界に渡ってきたのだが・・・・・どうやらこの世界がその孔や、滅びと関係しているらしくてね」
「──は?」

淡々と発せられる言葉に口を開きかけて、アラタは絶句する。

滅び?

孔?

訳が分からない。確かにこの世界から出た事は無いため他の世界の事情など知る由もない。それでも、滅びを辿ろうとしてるのはこの並行された世界だけだと思っていた。それが、ジオウの世界にも危機が迫っていると?
そんな信じられない事を認めたくなくて、アラタは無意識に息を荒らげて否定しようとする。

「そんなバカな話がある訳・・・・・」
「・・・・・協力者曰く、既に滅んでいる世界もあるそうだ。 信じられない事ではあるが。・・・・・この世界で私はワームやロイミュードと、それにアンデッド。 仮面ライダー剣や仮面ライダードライブ、仮面ライダーカブトに現れる怪人達とも交戦している」

情報量の過多さに最早言葉も出ないアラタ。そんな彼を余所に、ウォズは彼自身の内に秘めてる心境を吐露していく。

「・・・・・私も、我が魔王も滅びを容認したりはしない。だが、探るには情報が少なすぎる・・・・・可能な限りでいい。 君の知っている話を、聞かせては貰えないだろうか?」
「・・・・・」

そう語る彼の表情はいつになく真剣で、世界を守りたいというのがヒシヒシと伝わってくる。 ・・・・・それに先程の彼の言葉。ああ、本物はこんな眼をしてるんだなと劣等感に駆られかけるが、そんなことはどうだっていい。
ひとまずの所、ウォズの話は認めるしかないだろう。

幾つもの世界で孔が顕れ、最終的に全て滅んで行く。 その原因がこの世界であり、この世界もまた、幾つもの世界と既に融合してあるということ。

紛い物の俺に、何ができるかは分からない。世界の滅びだとか、スケールはあまりちも大きい。だけど、やれる事は全てやろう。そう思えた。

「・・・・・分かった。俺の知ってる事を全て話すよ」
「・・・・・君の協力に感謝するよ」

アラタは手を差し出し、共闘の意を込めた握手を求める。ウォズもその意図に気づき、口元を緩ませて──

「・・・・・っ!」
「!?」

突如、アラタの手を握ろうとした右手で、ウォズが羽織っていたマフラーを振るう。マフラーはアラタとウォズを包み込むと、球体となる。視界が張れた頃には、自分らが先程の場所から離れた場所に立っていた。 一体何が、と周囲を見渡そうとした所で、アラタは先程まで自分が立っていた場所が竜巻か台風かで抉り取られたようにクレーターと化していた。 ウォズがワープさせてくれなければ、2人諸共死んでいた所だっただろう。

「・・・・・ありがとう」
「礼は不要だ。・・・・・それに、安堵するにはまだ早いみたいだ」
「・・・・・らしいね」

ウォズは依然とクレーターへと視線を見据える。ウォズの言葉に首を頷き、アラタもまた視線を向けた時、衝撃で舞い上がった煙幕が、激しい風によって吹き飛ばされて行く。その中から、異形が姿を表す。

『・・・・・見つけたぞ、異端者』

右手をウォズへと突き出し、異形は呟く。黒と緑の歪んだハーフボディに、笑った顔と泣いている顔が特徴的。 その異形の姿を見て、アラタは驚愕の表情を浮かべる。

「お前っ・・・・・この間の・・・・・!!」
『・・・・・ああ、貴様も居たのか。アナザージオウ』

アナザーダブル。 仮面ライダーWのアナザーライダーであり、俺が怒りを隠せずにはいられない怪人。 アナザーダブルは運命に翻弄される人間を嗤い、見せしめのように殺してきた。幾度もその存在とは相対してるが、交戦する前に逃げられてしまっていた。
そんなアナザーダブル(怒りの対象)が、今目の前に立っている。助けられなかった人達が走馬灯のように浮かび、自然と手に力が入る。
アナザーダブルはそんな俺を嘲笑いながら、思い出したかのように思わぬ要求を求めてくる。

『丁度いい。貴様が、その来訪者をコロセ』
「・・・・・何?」
『我々アナザーライダーの王を決める選定の闘いに、そいつは邪魔だ。 ・・・・・それとも、我々やタイムジャッカーに大して反旗を翻すつもりか? 貴様は』
「・・・・・っ」

アナザーライダーはそもそも、タイムジャッカーの介入によって誕生する存在だ。言いかえれば、アナザーライダーの変身者はタイムジャッカー達によって生殺与奪を握られているということだ。更に別世界から干渉してき人間に肩を持つ事で、これを快く思わないタイムジャッカーの連中が俺を潰そうと手を下してくるかもしれない。

だが、俺はその挑発に乗るつもりなどない。例え俺が違反によって死ぬとしても、ウォズやレジスタンスの皆が何とかしてくれる。人任せに聞こえるかもしれないが、それだけ俺は心から彼等を信頼している。

そんな俺とは裏腹に、隣にいるウォズは困惑の表情を俺に向けてくる。

「・・・・・どういう事だい?君がアナザージオウとは」
「・・・・・言葉通りだよ。この世界にライダーは存在しない。変わりにアナザーライダーが居て、王を決める殺し合いをしてる。俺もその一人だよ」

否定は出来ない。どうであれ、こんな馬鹿げた闘い(殺し合い)に参加しているのは事実だ。 どれだけ俺が救おうと手を伸ばした所で、この世界を生きる人達にとっては見慣れた同じように見えてしまう。 人類の敵であると。俺も、そうやって何度も何度も伸ばした手を拒絶され続けた。


でも。それでもだ。


「・・・・・仮面ライダーじゃなくても、俺は守りたいって思ってる。世界も、今を生きてる人も。だから、アイツのような奴等も、タイムジャッカー達にもこれ以上好き勝手させるつもりは無い」

それだけは信じて欲しいと、ウォズに目線を向けて、はっきりと告げる。これは俺の歪な願いと矜恃だ。この力はあくまで貰ったものだ。俺自身の力なんかじゃない。そんな俺が信じてくれと言ったところで本物の仮面ライダー、登場人物に信じてくれるかどうかは分からない。
ウォズは、そんな俺に対して何故か笑みを見せて、淡々と語る。

「・・・・・アナザーライダーでありながらも、ライダー・・・・・王としての素質はある、か」
「・・・・・え?」
「イヤ、なんでもない。・・・・・君の事を信じよう。その真っ直ぐさにね」
「・・・・・ありがとう」

思わぬ反応ではあったが、一先ず受け入れてくれた事に自然と俺は笑みを浮かべる。改めてアナザーダブルへと視線を向ける。アナザーダブルは退屈そうに右手で頭部を掻き、退屈そうに呟く。

『・・・・・交渉は、決裂か?』
「まあな。お前みたいな外道よりは遥かに信頼出来るからな」
『・・・・・ならば』
「でも、王になる為なら手段は選ばない。それがお前らのやり方だろう? だから、俺もそれにあやかる事にしたよ(・・・・・・・・・・・・・・・)
『・・・・・何?』

確かにルールは絶対だ。だが、そのルールの抜け穴を突けばいい。単純な話だ。

「この闘いを始めた奴はこう言ってたよな。『王座を決める闘いの上で、手段は問わない』って」
『・・・・・貴様っ』
「これが俺の闘い方。王になって、世界を救う。その為に、この世界に生きる人も、他の世界のライダーとも手を取り合って、俺は闘う!」

想定外のカードを切られたか、唸るアナザーダブルに俺はしてやったりとニヤリと笑う。
少々卑怯、とも取れるかもしれないが戦力の増強は合理的であり、必須だ。 その分デメリットもあるが・・・・・レジスタンスの面々は、何がなんでも守りきるつもりだ。
アナザーダブルは脅しは無理と、腕をスナップさせて臨戦態勢へと移る。だが、ああも豪語しておいて俺も負けるつもりは無い。 以前散々弄んでくれた借りを、ここで晴らす。

「・・・・・さっさと片付ける!」
「・・・・・行こうか」

アラタがそう叫び、懐からアナザージオウライドウォッチを、ウォズもそれに静かに頷いて、ビヨンドライバーを腰に装着して、ウォズミライドウォッチをそれぞれ起動させる。

《ZI-O・・・・・!》
《WOZ!》

アラタはアナザージオウライドウォッチを腰に装着された黒いジクウドライバーへと装填。
ウォズは右手のウォズミライドウォッチをビヨンドライバーへとセットし、ウォッチのボタンを押してそのカバーを開く。

《ACTION!》

高らかな音声が鳴り響くと、ウォズの周りを緑のレーザービームが照らす。その後ろで大きなデジタル時計が顕現する。

ウォズは右腕を大きく一周させ──

アラタは高まるオーラを感じながら──

その身を変える言霊を告げる。

「変身っ・・・・・!」
「変身」

ウォズは右手でドライバーのハンドルを前へと向ける。

《投影!》
《FUTUREーTime!》

アラタの周りを紫と黒のバングルが囲み。ウォズミライドウォッチからデータがドライバーに投影され、ウォズの身体を銀と緑の鎧が纏い。

《ZI-O・・・・・!》
《凄い! 時代! 未来! 仮面ライダー WOZ! WOZ!!》

アラタはアナザージオウへと。ウォズは仮面ライダーウォズへとそれぞれ変身を遂げる。

『うおおおっっ!!!』
「はああぁぁぁっ!!」

例え、生きている世界が違くても。贋作と真作であろうと。お互いの生きる世界を護るために、アナザージオウと仮面ライダーウォズは手を組み、今、互いの共通の(アナザーダブル)へと駆け出していく──!!
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧