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主治医を雇ってみた

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第二章

「ステーキにハンバーグ、最近は肉の刺身も好きだ」
「昨日馬刺しを赤ワインと共に楽しまれていましたね」
「和食も好きだ」
「そして特にハンバーグに目玉焼きを乗せられて」
「大好物だ」
「肉を召し上がられることはよいですが」
 それでもとだ、キタザトはブエルに話した。
「過ぎますとよくありません」
「それでか」
「はい、旦那様の血液を調べさせて頂きましたが」
 検尿やレントゲン検査等もした。
「悪玉コレステロールも尿酸も血糖値も高めです」
「そうなのか」
「甘いものも随分魯召し上がられていますしこれまでビールも朝からいつも飲んでおられましたね」
「水と同じ様にな」
「そのせいで」
 そうした食生活だったからだというのだ。
「動脈硬化、高血圧、痛風、糖尿病の危険があります」
「四つもか」
「脳梗塞や心臓病、肝臓病も」
「わしの身体はそこまで危ういか」
「はい、ですから食生活を根本から変えられ」
 そしてというのだ。
「スポーツもです」
「すべきか」
「そちらはされていないですね」
「この十年していないな」
 実際にとだ、ブエルは腕を組んで考える顔になって答えた。
「そういえば」
「左様ですね」
「以前はフェシングや乗馬が好きだったが」
 それがというのだ。
「酒、ビールに前以上に凝ることになってな」
「運動をされずビールをですね」
「一日七リットルは飲んでいるが」
「すぐにそれをお止めになってお酒は夜にワインにされて」
 ビールを朝から晩まで飲まずにというのだ。
「運動を再開されて下さい」
「そうすべきか」
「さもないと何かしらのご病気になられます」
 先程挙げたものにというのだ。
「悪魔は病気等では死にませんがお身体は壊されますので」
「注意は必要か」
「ですから」
「気をつけるべきか」
「絶対に、お野菜やお魚も増やしデザートは果物も増やしましょう。栄養士やシェフの方とも相談して」
「徹底しているな」
「それが医学なので」
 キタザトはブエルに真面目な声で話した、そしてだった。
 主の食生活を根本から変えて運動もしてもらった、運動は水泳を主にしてもらった。これは宮殿にいる者全員だった。
 煙草についてもだ、キタザトは言った。
「絶対にです」
「吸うべきではないか」
「煙草はお身体に非常に悪いので」
「では麻薬もか」
「そちらは尚更です」
 煙草以上にというのだ。
「してはなりません」
「魔界ではどちらもあまり五月蠅くはないが」
「それで身体を壊した悪魔も多いです、中には精神まで破壊され」
「麻薬でか」
「大変なことにもなっていますので」
「だから煙草は吸わず麻薬はか」
「使われてはなりません」
 断じてと言うのだった。
「宜しいですね」
「そうすべきか」
「宮殿内は禁煙とし」
 そしてというのだ。
「麻薬はそれ以上にです」
「止めるべきだな」
「煙草はぎりぎり喫煙場所をもうけておきましょう、ヘビースモーカーの方には制限をさせて頂きます」
「厳しいな」
「そこまで身体に悪いものということです」
 こう言って宮殿内は基本禁煙となり愛煙家でもあったブエルは喫煙を大きく制限された、今度はそうしたことが為された。 
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