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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百六十七話 秋田へその三

「親父の持論ですしね」
「だからですね」
「今回も電話で言ってました」
 僕は運転手さんに昨日の話もした。
「親父は暴力は振るわないって」
「今回もですね」
「そう言っています」
「私もそう思います、暴力は」
 運転手さんも親父と同じことを話した。
「やはりです」
「小さな力ですよね」
「下らない力です、DV男をライオンの前に出せば」
「何も出来ないですね」
「自分より腕力の弱い相手をいたぶる」
「そんな力でしかないですね」
「はい」
 まさにというのだ。
「そうであるので」
「下らない力ですね」
「ヤクザ屋さんの力です、確かな人は暴力なぞ備えていません」
「武力を備えていますね」
「武は矛を収めるです」 
 よく言われる言葉だ。
「そうした力です」
「理性のある力ですね」
「はい」
 まさにというのだ。
「ですから」
「それで、ですね」
「私も暴力より武力の方がいいと思います」
「その通りですね」
「ですから尚更です」
「武運ですか」
「それを願っています」
「有り難うございます」
 僕は運転手さんに素直に感謝の言葉を述べた。
「その言葉の通りにです」
「頑張ってこられますね」
「そうしてきます」 
 運転手さんにこのことを約束した。
「絶対に、僕は戦闘があっても参加しないですが」
「いえ、義和様はです」
 畑中さんが後ろの席から言ってきた。
「来られるだけで、です」
「いいんですか」
「はい、そしてご覧になっていて下さい」
「ことの次第をです」
「止様のことを、そして」
「そして?」
「暴力は武力に決して勝てないということも」
 このこともというのだ。
「ご覧になって下さい」
「そのこともですか」
「はい、そして」
 畑中さんは僕にさらに話してくれた。
「正義は必ず存在するということも」
「この世には正しいことは存在していますね」
「間違いなく、絶対の正義はないですが」
 それでもというのだ。
「やはり正義はです」
「存在していますか」
「はい」
 僕にこう話してくれた。
「そうなのです」
「そうですか」
「そのこともです」
「秋田で、ですね」
「ご覧になって下さい」
「わかりました」
 こう畑中さんに返した。
「それじゃあ」
「その様に」
「そうさせてもらいます」
「ではこれから」
「まずはですね」
「お屋敷に行きましょう」
 八条家のそこにとだ、こう話しているうちにだった。僕達は実際に八条家のお屋敷に入った。何時見ても宮殿それも王様のそれみたいだ。
 その見事なお屋敷を見て僕はこんなことを言った。 
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