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仮面ライダージオウ 眩い世界

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第十二章

「スウォルツだね」
「俺のことを覚えているか」
「いや、士さん達から聞いて思い出したよ」
「覚えているのは私だけだったよ」
 常磐に続いてウォズもその男スウォルツに話した。
「だが君が蘇るとはね」
「俺は確かに死んだ」
 スウォルツはこのことを認めた。
「だが蘇ることが出来た」
「兄さんがどうして生き返ったのかは察しがつくわ」 
 ツクヨミは自分の兄、そうであると共に因縁の相手でもある彼を見据えて話した。
「スサノオね」
「そうだ、神であるあの方に蘇えらさせてもらってだ」
 そうしてとだ、スウォルツは自身の妹に答えた。
「そのうえでだ」
「生き返ってきたのね」
「あの方は死んであの世にいる俺に語り掛けてきた」
 冥界、そこにいる彼にというのだ。
「王になりたいか、とな」
「そして答えは」
「一つしかなかった」
 スウォルツは妹にまた答えた。
「まさにな」
「そういうことね」
「そうだ、俺は王になるべき男だからな」
「だからこそ答えて」
「蘇ってきたのだ」
「王になる為に」
「その為にな、若しその俺が王となる道に立ち塞がるなら」
 それならとだ、スウォルツは告げた。
「滅ぼすだけだ、いいな」
「思い出した記憶から言う」
 明光院はスウォルツの話をここまで聞いたうえで述べた。
「お前は全く変わっていないな」
「俺が変わると思うのか」
「そうだな、変わっていないからここにいるな」
「そういうことだ、今度こそお前達を倒してだ」
 そのうえでというのだ。
「俺は王になるのだ」
「そこでどういった王様になるってないんだね」
 常磐はスウォルツのふんぞり返らんばかりの声をここまで聞いてだった、これ以上はないまでに冷めた声で述べた。
「皆を笑顔にさせるとか」
「王は王だ、逆らう者は全て倒すだけだ」
「そうだね、俺あんたに言ったこと思い出したよ」
「俺が王に向いていないと言ったな」
「うん、そのことをまた思ったよ」 
 かつてスウォルツと戦った時と同じくというのだ。
「あんたやっぱり王様に向いてないよ」
「戯言だな」
「戯言じゃないよ、あんた自分のことしか考えていないからね」 
 常磐はスウォルツを見据え冷めた声そして冷めた目で彼に告げた。
「もう全くだよ」
「それが戯言であることを今度こそ教えてやる」
「どうかな」
「俺はこの通り戦う姿も持っている」
 スウォルツは不敵な笑みを浮かべた、そして。
 ディケイド、門矢が変身した姿であるそのライダーを禍々しく変えた姿になった。その姿になって言うのだった。
「アナザーディケイドがな」
「何度見てもふざけた姿だな」
 その門矢本人がスウォルツの今の姿を見て少し嘲笑してから述べた。
「何のセンスもない」
「センスだというのか」
「そうだ、お前の今の姿にはそれがない」
 全く、という口調での指摘だった。
「王どころか出来損ないの怪物でしかない」
「そう言えばお前も戯言をよく言ったな」
「言っておく、俺は冗談は言うが嘘は言わない」
 門矢はこう返した。
「全くな」
「そうか、では今からそれを見せるか」
「戦いでか」
「それでだ」
「さて、じゃあやろうか」  
 海東はそれまでこの場では守っていた沈黙を破って軽い調子で述べた。 
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